ブエルタ・ア・エスパーニャ2019 第4ステージスプリントを制したヤコブセンがグランツール初勝利 総合上位陣に変動なし

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 ブエルタ・ア・エスパーニャ第4ステージは現地時間8月27日に行われ、前日に続くスプリントによるステージ優勝争いをファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)が制した。これがグランツール初勝利。総合上位陣には変動がなく、ニコラス・ロッシュ(アイルランド、チーム サンウェブ)が個人総合首位の証であるマイヨロホをキープ。また、新城幸也(バーレーン・メリダ)は、このステージを63位で終えている。

ブエルタ・ア・エスパーニャ2019第4ステージ、スプリント勝負はファビオ・ヤコブセン(左から3人目)が制した Photo: Yuzuru SUNADA

最大7分まで広げた2人の逃げグループ

 前日行われた第3ステージに続いて設けられた平坦基調の1日。クリェラからエル・プイグまでの175.5kmのルートは、全体的に変化は少なめ。後半に入って3級山岳にカテゴライズされる丘越えが待ち受けるが、おおむねスプリンター向けのセッティングといえそうだ。

レースをリードしたイエール・ワライス(左)とホルヘ・クベロ Photo: Yuzuru SUNADA

 実際、戦前の予想通りスプリントを狙うチームが中心となってレースをコントロールすることになった。序盤に飛び出したイエール・ワライス(ベルギー、ロット・スーダル)とホルヘ・クベロ(スペイン、ブルゴス・BH)に先行させたメイン集団は、淡々とレースを進行。前日のステージを制したサム・ベネット(アイルランド)擁するボーラ・ハンスグローエがペーシングを担い、先を行く2人とのタイム差を7分まで容認。それからは少しずつタイムギャップの調整を行うが、逃げの人数が少ないこともあって急いで追いかけることはしなかった。

 この間集団では、個人総合で有力視されていたステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が第1ステージのチームタイムトライアルで落車した影響による膝の痛みでリタイア。さらには、フィニッシュまで残り56kmとしたところでEFエデュケーションファースト勢が多く巻き込まれるクラッシュが発生。個人総合3位につけるリゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト)も地面に叩きつけられたが、ドクターカーでの治療を経て集団に復帰している。

スプリンターチームが中心となってレースをコントロールしたメイン集団 Photo: Yuzuru SUNADA

 122.3km地点に設けられた中間スプリントポイントへは、先行を続ける2人に続いて、メイン集団からはピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)が飛び出して3位通過を狙う。他選手の追撃を振り切ったラトゥールは1秒のボーナスタイム獲得に成功した。

 この直後から始まった3級山岳の上りでは、急激な大雨にたたられたプロトンだったが、レース展開を大きく左右させるような事態には至らず。先頭ではワライス、クベロの順に頂上を通過し、3位には山岳賞のモンターニャを着用するアンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴス・BH)が集団から飛び出して1点を加算している。

ライバルの猛追振り切りヤコブセンが初勝利

 ステージ唯一のカテゴリー山岳をクリアすると、下ってフィニッシュに向けて急ぐ。メイン集団では中切れが発生し、一時的にいくつかに割れる局面があったものの、しばらくして再度ひとかたまりに戻る。一方、長い時間逃げ続けた先頭の2人だったが、残り30kmを目前にクベロがメカトラブルに見舞われてしまう。前方への復帰はかなわず、ワライスの独走態勢へと変化していく。

マイヨロホを着用してレースを進めるニコラス・ロッシュ Photo: Yuzuru SUNADA

 そのワライスも残り20kmを切ったところでメイン集団に引き戻された。下りに入って以降勢いを増した集団では、残り12kmからEFエデュケーションファーストが強い風の中、猛然と牽引。一気にペースが上がり、集団後方の選手たちを切り離しながら進んでいく。さらに残り10kmを切ったところからは、ユンボ・ヴィスマやバーレーン・メリダも前方へ。トレインを編成して前方での位置取り争いには新城も参戦。バーレーン・メリダトレインを率いてポジション固めに従事した。

 残り7kmから始まったテクニカルなコーナーの連続で、レミ・カヴァニャ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が先頭に立つと、そのまま集団に対してリードを得て突き進んでいく。これは残り1kmで吸収されることとなるが、ライバルチームに脚を使わせる効果的な動きとなった。

僅差の勝負を制し喜ぶファビオ・ヤコブセン Photo: Yuzuru SUNADA

 カヴァニャが集団へ戻されるまで力を温存することができたドゥクーニンク・クイックステップのリードアウトマンたち。最後の直線に入るところでマキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン)が満を持して加速し、ヤコブセンを発射。その後ろからベネットが迫り、両者並ぶようにしてフィニッシュラインを通過したが、写真判定の結果ヤコブセンに軍配。今年はオランダ選手権を制するなど、22歳の気鋭のスプリンターがグランツール初出場で初勝利を挙げた。

 ヤコブセン以下、105選手がメイン集団内でのフィニッシュとなり、総合上位陣はいずれもこの中でステージを完了。ロッシュはマイヨロホを堅守し、翌日もレースリーダーとして臨むことが決まった。

マイヨロホを守ったニコラス・ロッシュ Photo: Yuzuru SUNADA

 28日に行われる第5ステージは、レリアナからハバランブレ天文台までの170.7km。今大会最初の頂上フィニッシュとなり、最後の11.1kmで平均勾配7.8%の上りが待ち受ける。中腹で最大勾配16%の区間を抜けると、その後もフィニッシュまで10%以上の急勾配が続く。ブエルタ初登場のこの上りだが、総合での上位進出を図る選手たちにとっては取りこぼしが許されないステージとなりそうだ。

第4ステージ結果
1 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) 4時間4分16秒
2 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) +0秒
3 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAE・チームエミレーツ)
4 ルカ・メズゲッツ(スロベニア、ミッチェルトン・スコット)
5 マルク・サロー(フランス、グルパマ・エフデジ)
6 シュモン・サイノク(ポーランド、CCCチーム)
7 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)
8 ヨン・アベラストゥリ(スペイン、カハルラル・セグロスエレヘアー)
9 クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)
10 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ドゥクーニンク・クイックステップ)
63 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ)

個人総合(マイヨロホ)
1 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、チーム サンウェブ) 13時間55分30秒
2 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +2秒
3 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト) +8秒
4 ミケル・ニエベ(スペイン、ミッチェルトン・スコット) +22秒
5 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +33秒
6 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) +35秒
7 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト) +37秒
8 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +38秒
9 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) +46秒
10 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)
98 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +11分17秒

ポイント賞(プントス)
1 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 45 pts
2 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) 34 pts
3 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 25 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 アンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴス・BH) 15 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 5 pts
3 サンデル・アルメ(ベルギー、ロット・スーダル) 4 pts

新人賞(マイヨブランコ)
1 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 13時間56分3秒
2 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト) +4秒
3 アレックス・アランブル(スペイン、カハルラル・セグロスエレヘアー) +37秒

チーム総合
1 チーム サンウェブ 41時間19分6秒
2 EFエデュケーションファースト +2秒
3 モビスター チーム +6秒

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