ブエルタ・ア・エスパーニャ2019 第3ステージ今大会最初の「平坦ステージ」はベネット快勝 ロッシュら総合上位陣に変動なし

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 ブエルタ・ア・エスパーニャ第3ステージが現地時間8月26日に行われた。今大会最初の平坦ステージにカテゴライズされた1日は、その設定通り集団スプリントで決着。サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)がこの大会では初めてとなるステージ優勝を挙げた。個人総合上位陣には大幅な変動はなく、マイヨロホを着るニコラス・ロッシュ(アイルランド、チーム サンウェブ)はジャージをキープ。新城幸也(バーレーン・メリダ)はメイン集団内、65位でステージを終えている。

ブエルタ・ア・エスパーニャ2019第3ステージ、サム・ベネットが初出場初勝利を挙げた Photo: Yuzuru SUNADA

スプリンターにチャンス到来

 チームタイムトライアルで争われた第1ステージ、総合争いが早くも動いた丘陵地帯での第2ステージを経て、3ステージ目にして今大会最初の平坦ステージがやってきた。とはいっても、あくまでも主催者発表であって、実際には大小あらゆる変化のあるコースセッティング。イビ.シウダー・デル・フグエテからアリカンテまでの188kmのうち、カテゴリー山岳は後半に控える3級山岳2カ所。2つ目の山岳ポイントをクリアすると、アリカンテまで下り基調となる。

レーススタート直後から逃げ続けた3選手 Photo: Yuzuru SUNADA

 ミカエル・ドゥラージュ(フランス、グルパマ・エフデジ)が出走せず、175人でスタートが切られると、3km地点でアンヘル・マドラソ、ディエゴ・ルビオ(ともにスペイン、ブルゴス・BH)、エクトル・サエス(スペイン、エウスカディ・ムリアス)がリードを開始。メイン集団の容認を得て、着々とリードを広げていく。サエスがパンクによって一度止まったが、すぐに前方へ復帰。50km地点での6分11秒差が、この日メイン集団に対しての最大のリードとなった。

 一方、メイン集団ではステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)がパンクに見舞われたほか、前日勝利したナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)がメカトラブルで後方へと下がったが、いずれも問題なく集団復帰。また、数人が絡む落車が発生したが、これも大きな被害はなく淡々とレースが進行した。

 中間地点を過ぎ、山岳ポイントに向かって登坂が始まると、山岳賞のモンターニャを着るマドラソがポイント加算を狙って動き出す。狙い通り1つ目の3級山岳をトップ通過。この間、メイン集団ではペースが上がり、前を行く3人を完全に射程圏内にとらえ、いつでもキャッチできる態勢となっていく。

 残り50kmで先頭3人と集団とのタイム差は1分15秒。2つ目の3級山岳の上りが始まると、トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・スーダル)の動きをきっかけに5人が抜け出しを図るが決まらず、集団は活性化する一方。先頭ではマドラソ以外の2人が逃げを諦め、集団へと戻る判断を下す。入れ替わるようにしてルーベン・ゲレイロ(ポルトガル、カチューシャ・アルペシン)が集団から飛び出してマドラソに合流。しかし、頂上をマドラソ、ゲレイロの順に通過した直後にともに集団へと引き戻され、レースはふりだしへと戻った。

長い隊列で進んでいくプロトン Photo: Yuzuru SUNADA

ベネットはシーズン最多勝に並ぶ会心のスプリント

 2つ目の3級山岳の上りで全体のペースが上がったことから、有力スプリンターの一部が集団から後れを取ったが、その後の下りで復帰。再び大人数になったメイン集団では、残り20km地点に設けられた中間スプリントポイントに向かってペースアップ。

マイヨロホを着用してレースを進めるニコラス・ロッシュ(右から3人目) Photo: Yuzuru SUNADA

 下りの勢いのままやってきた中間スプリントは、総合上位陣による争いに。個人総合8位につけるセルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト)が1位で通過。以下、マーティン・トゥスフェルト(オランダ、チーム サンウェブ)、プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)と続き、それぞれボーナスタイムを3秒、2秒、1秒と獲得した。

 その後もハイペースのまま進行。各チームが隊列を組みながら集団前方でポジション争い。残り10kmあたりからはユンボ・ヴィスマのトレインが先頭へ出てペースメイク。集団を縦長にして、最終盤へと突入した。

 残り4kmでユンボ・ヴィスマが牽引を止めると一時的に牽制状態となるが、少し置いてドゥクーニンク・クイックステップがスピードアップ。チーム サンウェブもトレインを編成して主導権争いに加わる。そのまま進んでいき、フィニッシュまで残り1kmを切った。

会心のスプリント勝利にサム・ベネットはこのガッツポーズ Photo: Yuzuru SUNADA

 集団スプリントにゆだねられたこの日のステージ優勝争い。チーム サンウェブ、ボーラ・ハンスグローエと前方を固めるが、真っ先にスプリント態勢に持ち込んだのはトレック・セガフレードだった。ジョン・デゲンコルプ(ドイツ)の発射からエドワード・トゥーンス(ベルギー)が飛び出すが、この動きを完全に読み切っていたのはベネット。トゥーンスの動きに合わせると、あっという間に先頭へと躍り出てフィニッシュへと一直線。ベネットは、2位を押さえたトゥーンスに対してバイク2台分の差をつける圧倒的なスピードでステージを制した。

 ベネットはこれでシーズン最多勝に並ぶ12勝目。ブエルタは初出場だが、3ステージ目にしてこの大会キャリア初勝利を挙げた。ベネットに限らず、今大会序盤戦はアイルランド人ライダーが活躍中。レースリーダーの証であるマイヨロホを着て出走したロッシュは、危なげなくメイン集団でフィニッシュを果たし、ジャージをキープしている。

マイヨロホをキープしたニコラス・ロッシュ Photo: Yuzuru SUNADA

 翌27日に行われる第4ステージは、クリェラからエル・プイグまでの175.5km。2日連続の平坦ステージ設定で、全体的に変化は少なめ。後半に入って3級山岳にカテゴライズされる丘越えが待ち受けるが、ステージ自体はスプリンター有利といえそうだ。

第3ステージ結果
1 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 4時間25分2秒
2 エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) +0秒
3 ルカ・メズゲッツ(スロベニア、ミッチェルトン・スコット)
4 ヨン・アベラストゥリ(スペイン、カハルラル・セグロスエレヘアー)
5 フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・メリダ)
6 マキシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ドゥクーニンク・クイックステップ)
7 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)
8 シリル・バルト(フランス、エウスカディ・ムリアス)
9 シュモン・サイノク(ポーランド、CCCチーム)
10 クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)
65 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ)

個人総合(マイヨロホ)
1 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、チーム サンウェブ) 9時間51分14秒
2 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +2秒
3 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト) +8秒
4 ミケル・ニエベ(スペイン、ミッチェルトン・スコット) +22秒
5 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +33秒
6 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) +35秒
7 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト) +37秒
8 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +38秒
9 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) +46秒
10 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)
121 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +11分17秒

ポイント賞(プントス)
1 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 25 pts
2 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 25 pts
3 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、チーム サンウェブ) 20 pts

山岳賞(モンターニャ)
1 アンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴス・BH) 14 pts
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム) 5 pts
3 サンデル・アルメ(ベルギー、ロット・スーダル) 4 pts

新人賞(マイヨブランコ)
1 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 9時間51分47秒
2 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト) +4秒
3 アレックス・アランブル(スペイン、カハルラル・セグロスエレヘアー) +37秒

チーム総合
1 チーム サンウェブ 29時間6分18秒
2 EFエデュケーションファースト +2秒
3 モビスター チーム +6秒

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