ブエルタ・ア・エスパーニャ2019 第2ステージキンタナが残り3kmの単独アタックで優勝 マイヨロホはロッシュに移動

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 第74回ブエルタ・ア・エスパーニャ第2ステージが8月25日に行われ、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)が優勝を飾った。一瞬の隙をついた残り3kmでの単独アタックに成功、そのまま独走でフィニッシュラインを駆け抜けた。総合首位のマイヨロホは、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム)から、この日ステージ2位に入りボーナスタイムも獲得したニコラス・ロッシュ(アイルランド、チーム サンウェブ)に移動。また、日本の新城幸也(バーレーン・メリダ)は、102位でゴールした。

勝負所を抑え、優勝を飾ったキンタナ Photo: Yuzuru SUNADA

カテゴリー山岳3つの丘陵ステージ

 波乱含みの開幕から一夜明けた第2ステージは、ベニドルムからカルペまでの199.6km。丘陵ステージにカテゴライズされている。カテゴリー山岳は、37km地点の2級、54km地点の3級、ラスト約25kmの2級山岳のみ。だが、ゴール前の平坦部分以外、ほとんど上りか下りというブエルタらしいコースとなっている。

 勝負所は、最後の2級山岳だろう。独走に持ち込みたい選手が仕掛けるか、それともその動きにスプリンターがくらいつき、小集団スプリントとなるか。それぞれの思惑が入り混じる。

 スタート後逃げたのは、アンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴス・BH)とサンデル・アルメ(ベルギー、ロット・スーダル)の2人。

メイン集団を牽引し存在感を示した新城幸也 Photo: Yuzuru SUNADA

 そこにウィレム・スミット(南アフリカ、カチューシャ・アルペシン)、ヨナタン・ラストラ(スペイン、カハルラル・セグロスエレヘアー)が追走し前と合流。4人の逃げが形成された。メイン集団はこの逃げを容認。アスタナ プロチームやボーラ・ハンスグローエが中心となってコントロールし、一時タイム差が7分に開く場面も見られた。

 レースを折り返しても大きな動きは出ず。メイン集団は4人をいつでも捕まえられる位置で泳がしながらレースを進めていく。だが、残り距離数が短くなるにつれてその差は徐々に短縮。残り65kmで約3分、45kmで約2分と勝負どころに向けて集団にも緊張が走り始めていた。

 残り40km、後ろとのタイム差が1分強になったところで、アルメがアタック。31km地点のスプリントポイントをトップ通過する。だが、同時に、後ろの集団もペースアップ。ラストの2級山岳を上り始める直前でアルメを吸収し、レースは振り出しに戻った。

勝負の2級山岳

 集団は距離3km、平均勾配9.5%の2級山岳に突入。ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションファースト)を先頭に上り始める。短距離ながら、急こう配区間も登場するこの山岳。

ロペスはマイヨロホを着て出走。また、この日はキンタナがステージ優勝。コロンビア人が活躍している Photo: Yuzuru SUNADA

 集団は縦に長く伸びていく。その中でキンタナ、ロッシュ、ロペスのほか、アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)、ピエール・ラトゥール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)、ジョージ・ベネット(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ)、プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)、ファビオ・アル(イタリア、UAE・チームエミレーツ)、エステバン・チャベス(コロンビア、ミッチェルトン・スコット)といった名のある選手が前で展開。集団をふるいにかける。各チーム、この2級山岳を重要視していることが伝わる位置取り、走りをみせていた。

 この山岳を越えたところで前に残れたのは約20人。そこからさらに動きが出る。

ログリッチェは得意の上りで昨日失ったタイムを取り戻した Photo: Yuzuru SUNADA

 キンタナ、ロッシュ、ログリッチェ、アル、ミケル・ニエベ(スペイン、ミッチェルトン・スコット)、リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト)の6人が飛び出す。一方、リーダーのロペスはこの集団に入れず、20秒程後ろのグループに取り残されてしまう。このグループには、バルベルデ、ベネット、チャベス、セルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト)、ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ)、タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ)先頭に選手を送り込んだチームメートが多数いたため、前を追うための協力を仰ぐこともできない状況。ジャージキープに黄色信号が灯る。

 10kmで約20秒、5kmで30秒、4kmで40秒とタイム差は徐々に拡大。ステージ優勝は先頭6人の中から出ることが有力となる。

 3km、キンタナがアタックで抜け出す。スプリント勝負では不利なキンタナが、一早く勝負を仕掛ける。不意を突かれた5人は牽制。一瞬、脚が止まる。その後、キンタナを追いかけようとするが時すでに遅し。キンタナが独走でフィニッシュラインを1位通過した。

落ち着いた走りでリーダージャージを手に入れたロッシュ Photo: Yuzuru SUNADA

 後ろは、ロッシュ、ログリッチェ、ウラン、アル、ニエベの順でゴール。ロッシュがマイヨロホを手に入れた。ロペスは総合5位に後退、また、ログリッチェは昨日の不運な落車を帳消しにする走りで、5位までジャンプアップした。

第2ステージ結果
1 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) 5時間11分17秒
2 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、チーム サンウェブ) +5秒
3 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)
4 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト)
5 ファビオ・アル(イタリア、UAE・チームエミレーツ)
6 ミケル・ニエベ(スペイン、ミッチェルトン・スコット) +8秒
7 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト) +37秒
8 タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAE・チームエミレーツ)
9 アレックス・アランブル(スペイン、カハルラル・セグロスエレヘアー)
10 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)
102 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +9分51秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、チーム サンウェブ) 5時間26分12秒
2 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +2秒
3 リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーションファースト) +8秒
4 ミケル・ニエベ(スペイン、ミッチェルトン・スコット) +22秒
5 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +33秒
6 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) +36秒
7 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、チーム サンウェブ) +38秒
8 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト) +40秒
9 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) +46秒
10 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)
127 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +11分17秒

ポイント賞(マイヨプントス)
1 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)
2 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、チーム サンウェブ)
3 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)

山岳賞(マイヨモンターニャ)
1 アンヘル・マドラソ(スペイン、ブルゴス・BH)
2 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター チーム)
3 サンデル・アルメ(ベルギー、ロット・スーダル)

新人賞(マイヨブランコ)
1 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 5時間26分45秒
2 セルジオ・イギータ(コロンビア、EFエデュケーションファースト) +7秒
3 アレックス・アランブル(スペイン、カハルラル・セグロスエレヘアー) +37秒

チーム総合
1 チーム サンウェブ 15時間51分12秒
2 EFエデュケーションファースト +2秒
3 モビスター チーム +6秒

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