ブエルタ・ア・エスパーニャ2019 第1ステージ初日チームTT、ユンボとUAEが集団落車の波乱 アスタナ優勝でロペスが個人総合首位に

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 第74回ブエルタ・ア・エスパーニャが現地時間8月24日に開幕した。初日はトレビエハにて13.4kmのチームタイムトライアルが行われ、優勝候補のユンボ・ヴィスマが集団落車する波乱が巻き起こるなか、アスタナ プロチームがトップタイムをマークしてステージ優勝を飾った。この結果、アスタナのミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア)が個人総合首位となり、リーダージャージ「マイヨロホ」を獲得した。新城幸也(バーレーン・メリダ)は無事にフィニッシュし、初日を終えて総合142位となった。

最速タイムをマークしたアスタナ プロチームがステージ優勝を飾り、リーダージャージ「マイヨロホ」はミゲルアンヘル・ロペスの手に渡った Photo: Yuzuru SUNADA

塩湖のほとりにてブエルタ2019が開幕

 全21ステージ、総走行距離3272.2kmの旅の始まりは、スペイン南東部バレンシア州の地中海に面する街・トレビエハだ。この街には巨大な塩湖「サリーナス湖」があり、数世紀前から現在に至るまで塩の生産が街の主要産業として栄えた街である。

 スタート地点は、そのサリーナス湖のほとり、大量の塩に囲まれた場所に設定された。13.4kmのコースのほとんどが平坦路で構成されており、純粋なスピード勝負に持ち込まれると予想されていた。なお、4人目にフィニッシュラインを通過した選手のタイムが、そのチームの記録として計測される。

 序盤に好タイムを記録したのは6番目にスタートしたEFエデュケーションファーストだった。73.km地点に設定された中間計測を8分20秒で通過。2人を切り離しながら、フィニッシュ地点には6人で到達。暫定1位となる14分58秒をマークした。

2017年ツール・ド・フランス以来のグランツール出場となった新城幸也 Photo: Yuzuru SUNADA

 EFの次にスタートしたグルパマ・エフデジは前半区間で好走を見せ、中間計測でEFを4秒上回った。しかし、後半区間で離脱する選手が多く、フィニッシュ地点には4人で到達したが、タイムは伸び悩んで、EFから9秒遅れに終わった。

 10番目にスタートしたチーム イネオスは、元世界タイムトライアル王者のヴァシル・キリエンカ(ベラルーシ)を中心にまとまった走りを見せ、中間計測でEFから2秒遅れにとどめていた。しかし、グルパマ・エフデジ同様に後半区間で伸び悩んで、EFから18秒遅れでフィニッシュした。

 そして、新城幸也を擁するバーレーン・メリダが13番目にスタート。新城は途中で離脱し、ほかのメンバーから1分ほど遅れてフィニッシュ。チームはEFから19秒遅れとまずまずのタイムを記録した。

チームサンウェブが暫定トップタイムを記録する好走を見せた Photo: Yuzuru SUNADA

 14番目スタートのチーム サンウェブが、中間計測をグルパマ・エフデジから1秒遅れで通過すると、後半区間でも勢いが衰えることなく、EFのタイムを2秒更新。2017年にチームタイムトライアル世界王者に輝いたチームが暫定トップに浮上した。

 しかし、サンウェブの天下は長くは続かなかった。16番目スタートのアスタナプロチームが中間計測を一気に6秒も更新。終盤まで8人全員を残す戦略的な走りを見せると、ロペスを先頭にフィニッシュラインに到達。サンウェブのタイムを5秒上回るトップタイムを記録した。

急な水たまりに優勝候補チームが落車

 残るチームもあと数チームという終盤戦で、コース上に異変が生じる。中間計測地点を越えたすこし先の地点に大きな水たまりができていた。水たまりを越えると、ラウンドアバウトを通過するためにゆるやかな連続コーナーとなっていた。

 18番目にスタートしていたUAE・チームエミレーツは中間計測を9秒遅れの好タイムで通過したものの、この濡れた路面にスリップして、ファビオ・アル(イタリア)を含む数人が落車。最終的に1分7秒と大きく遅れてフィニッシュする結果になってしまった。19番目スタートのボーラ・ハンスグローエは難を逃れたものの、トップから13秒遅れでフィニッシュした。

アスタナ プロチームはベテランを多く揃え、チーム力の高さを見せつける結果を残した Photo: Yuzuru SUNADA

 20番目に登場したユンボ・ヴィスマは、ツール・ド・フランスのチームタイムトライアルで圧勝した、今回のステージ優勝最有力候補チームだった。

 ところが、スタート直後からメカトラに見舞われたセップ・クス(アメリカ)が遅れてしまい7人での走行を強いられると、中間計測で伸び悩み、アスタナから7秒遅れで通過。そして、濡れた路面にスリップしてしまったプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア)、ステフェン・クライスヴァイク(オランダ)ら2人の総合エースを含む4人の選手が、立て続けに落車してしまう。メカトラブルで再スタートが切れない選手もいるなか、ログリッチェ、クライスヴァイク、トニー・マルティン(ドイツ)ら5人で再スタート。大きくタイムを失った結果、トップから40秒遅れでフィニッシュとなってしまった。

 ログリッチェは左臀部や背中の一部に擦過傷を負っている様子は見られたものの、ほかの選手も含めて大きな怪我を負った選手がいなかったことが不幸中の幸いである。レース後、チームのプレスリリースによると、水たまりの原因は「ラウンドアバウトに向かう坂の上にある家で、ビニールプールを使って子供が遊んでいて、そのプールが壊れて道路に水が流れてきたため」とのことだった。

ドゥクーニンクはトラブル連続もステージ2位

 21番目スタートのドゥクーニンク・クイックステップは、中間計測を10秒遅れで通過。直前のユンボ・ヴィスマの落車を把握していたためか、水たまり区間ではスピードを抑えて通過。しかし、その後のコーナーの立ち上がりに、ユンボ・ヴィスマのチームカーが停車していたため、ドゥクーニンク・クイックステップのメンバーは急な進路変更を強いられ、若干ながらタイムを失ってしまった。

後半区間で相当な追い上げを見せていたドゥクーニンク・クイックステップだが、相次ぐトラブルのためステージ優勝にわずかに手が届かなかった Photo: Yuzuru SUNADA

 さらに、最終ストレートに向かうコーナーでオーバースピードのため、数人がコーナーを曲がりきれなったものの、残った4人が最終加速してフィニッシュラインに到達するもアスタナにわずか2秒及ばず。トラブル続きの影響もあり、ステージ優勝を逃す結果となった。

 最終走者のモビスター チームは、中間計測で13秒遅れ、フィニッシュラインには16秒遅れで到達。まずまずのタイムにまとめていた。

 全チームがフィニッシュし、アスタナのステージ優勝が確定。先頭通過したロペスが総合首位となり、マイヨロホを獲得。2019年のブエルタは初日から波乱含みの展開となった。

ステージ優勝を飾ったアスタナ プロチームのメンバー Photo: Yuzuru SUNADA

第1ステージ結果
1 アスタナ プロチーム 14分51秒
2 ドゥクーニンク・クイックステップ +2秒
3 チームサンウェブ +5秒
4 EFエデュケーションファースト +7秒
5 ボーラ・ハンスグローエ +13秒
6 CCCチーム +15秒
7 モビスター チーム +16秒
8 グルパマ・エフデジ 
9 ミッチェルトン・スコット +18秒
10 ロット・スーダル +19秒

個人総合(マイヨロホ)
1 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 14分51秒
2 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ プロチーム)
3 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム)
4 ヨン・イサギレ(スペイン、アスタナ プロチーム)
5 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム)
6 ゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ プロチーム)
7 フィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) +2秒
8 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ)
9 ゼネク・スティバル(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)
10 マクシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、ドゥクーニンク・クイックステップ)
142 新城幸也(日本、バーレーン・メリダ) +1分30秒

新人賞(マイヨブランコ)
1 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 14分51秒
2 ファビオ・ヤコブセン(オランダ、ドゥクーニンク・クイックステップ) +2秒
3 ジェームス・ノックス(イギリス、ドゥクーニンク・クイックステップ)

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 14分51秒
2 ドゥクーニンク・クイックステップ +2秒
3 チームサンウェブ +5秒

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