トマ・ルバは山岳賞をキープ新城雄大がステージ3位でUCIポイント獲得 「ツール・ド・インドネシア」第3ステージ

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 インドネシア最大級のステージレース、「ツール・ド・インドネシア」(UCIアジアツアー2.1)の第3ステージが8月21日に開催された。日本から参加のKINAN Cycling Team(キナンサイクリングチーム)は、序盤から逃げグループでレースを展開した新城雄大がステージ3位に入り、UCIポイントを獲得した。またキナン勢は、トマ・ルバが山岳賞をキープ。引き続きブルージャージでレースを走る。

序盤からの逃げを決めてステージ3位とした新城雄大 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

序盤から新城が飛び出す

 大会は中盤戦へと入り、第3ステージはコタ・バトゥからジェンベルまでの193.0kmで争われた。序盤の下り基調を経て、中盤にこのステージ唯一となる山岳ポイントへ。それを越えるとフィニッシュまで平坦なレイアウトだ。前日の第2ステージとは異なり、スピードに富んだ1日となることが予想された。山岳賞のルバは、このステージからブルージャージで走ることになった。

スタート地点はバトゥの大型ショッピングモール「ディノモール」前 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 そんなレースは、アクチュアルスタートから3kmで10人が集団から飛び出す。この中に新城が入り、他の逃げメンバーとともに速いペースで進んでいく。向かい風が吹く中を、メイン集団に対してリードを広げていき、20kmを過ぎる頃にはその差を2分以上に拡大。その後もメイン集団では散発的にアタックが発生し、追走を試みる動きが見られたが、いずれも先頭の10人までブリッジを決めるところまでには至らなかった。

 快調に飛ばす新城ら先頭10人だが、この中に個人総合で上位につける選手が含まれていたこともあり、メイン集団ではこの状況を嫌うチームが本格的に牽引を開始。50km地点を過ぎる頃には先頭と集団との差は6分近くに広がったが、少しずつ縮小させていく。

 80km地点近くからは、キナン勢も集団のコントロールに参加。サルバドール・グアルディオラやマルコス・ガルシアらが前方へと上がって、危険な状況の回避を試みた。

新城らがステージ優勝に向けアタック

 メイン集団での動きを受けて先頭グループでは、新城ら数人が先頭交代のローテーションから外れる。いずれもメイン集団のコントロールに入っているチームの選手とあり、戦術的な判断を下した。それでも、力のあるメンバーだけがそろった10人のグループとあって、集団とのタイム差が劇的に変わることはなかった。

 中盤以降はこの精鋭グループを抑える側に回っていた新城だったが、後方との差が十分にあり、逃げ切りの可能性が高まったところでステージ優勝狙いにシフト。残り15kmで新城、マーカス・カリー(オーストラリア、チーム サプラサイクリング)、ローハン・ドゥプローイ(南アフリカ、プロタッチ)の3人がアクションを起こす。それまで一緒に逃げてきたメンバーを振り切って先を急ぐ。

マーカス・カリー(オーストラリア、チーム サプラサイクリング)が独走勝利 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 ステージ優勝争いが佳境に入ると、まずドゥプローイが脱落。新城はカリーとの一騎打ちに持ち込みたいところだったが、パンチ力と独走力のあるカリーのアタックに耐え切れず遅れてしまう。結局、カリーはフィニッシュまで独走を決めることとなった。

 新城には後方から追い上げてきた選手たちが合流。最終的に4人がステージ2位をかけたスプリントとなり、新城はこのグループの2番手、ステージ3位でフィニッシュを果たした。

ステージ2位争いのスプリント。新城雄大が懸命に前を目指す Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
ステージ3位に入った新城雄大 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 レース終盤はステージ優勝をかけ、果敢に仕掛けた新城だったが、あと一歩及ばなかった点を悔やんだ。一方で、このステージでは逃げることにフォーカスし、それをしっかりと実行。「最低限の目標」としていた表彰台とUCIポイント獲得(3点)につなげた。チームは前日のルバに続いて2度目のステージポディウムを確保。良いムードの中、戦いを続けることができている。

 上位争いから約4分、メイン集団がフィニッシュへと到達。大多数の選手が含まれ、キナン勢も総合上位進出の可能性があるルバ、山本、グアルディオラがこの中で終えている。

翌日のクイーンステージへ

 第3ステージまでを終えての個人総合では、先頭グループでレースを進めていたアンガス・ライオンズ(オーストラリア、オリヴァーズリアルフードレーシング)が第1ステージ以来となるトップ返り咲き。キナン勢ではルバが総合タイム差3分49秒で7位、山本が5分41秒差の9位で、ともにトップ10圏内をキープ。グアルディオラは19位、新城は5位もランクアップさせて22位に入り、総合成績によるUCIポイント圏内(25位以内)に入っている。

 そして、ルバは山岳賞の首位のまま次のステージへ。このステージでは山岳ポイントが設定されなかったため、ジャージキープの条件は走り切ることだったが、問題なくクリアしている。

山岳賞をキープしたトマ・ルバ(写真右) Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 翌22日に行う第4ステージは、今大会で最も重要な1日となる。ジャワ島最東部まで進んだプロトンは、アジアの秀峰・イジェン山の登頂へ。上り始めから急坂となり、中腹からは10%を超える急勾配。道路舗装が荒い区間や、部分的に勾配20%前後の激坂も待ち受けている。この上りで登坂力の差が明確となり、そのまま総合成績へと反映される可能性が高い。他大会も含め、キナンはこの上りを何度も経験済み。これまでの実績から熟知する攻略法を生かして、クイーンステージでの上位ジャンプアップを目指していくことになる。

新城雄大のコメント

(大会終盤がタフな山岳ステージなため)個人的に逃げるチャンスは今日が最後だと思っていた。あと、総合でのUCIポイント獲得も視野に入れて、順位をアップさせることも狙いながら逃げにトライした。第1、第2ステージとハードで、今日も逃げ切れるかどうか不安はあったが、かなり強い選手やマークしていた選手と一緒に走ることができ、脚を使いすぎることなくレースを進められた。中盤からは、メイン集団でチームがコントロールに入っていると聞いたので、同じ状況の選手たちとともに先頭グループのペースを押さえながら脚を貯めていった。

 勝負に出たのは残り15km。3人で飛び出して、ドゥプローイ選手が先に遅れたので、カリー選手を見ながら走ったが、アタックに対応できなかった。後ろから追いつかれてしまい、結局3位が精いっぱいだった。(2位争いのグループで)せめて先頭でフィニッシュできたらよかったが、ステージ3位によって今年の目標だったUCIレースでの表彰台が達成できた点は喜びたい。

 大会初日から(山本)元喜さんと自分が機能して、第2ステージではトマ(ルバ)とサルバ(グアルディオラ)がそれぞれ3位と5位、そして今日は自分が3位。日々チームの存在感を示していると実感する。残りの2日間は山岳で、チームが本領発揮する場なので、できる限りクライマーたちに負けない働きをしたい。個人的にもUCIポイント圏内を意識して結果につなげたいと思う。

第3ステージ結果
1 マーカス・カリー(オーストラリア、チーム サプラサイクリング) 4時間15分35秒
2 ローハン・ドゥプローイ(南アフリカ、プロタッチ) +32秒
3 新城雄大(KINAN Cycling Team)
4 ディラン・マッケンナ(オーストラリア、エックススピードユナイテッド)
5 アンガス・ライオンズ(オーストラリア、オリバーズリアルフードレーシング) +1分6秒
6 サラウット・シリロンナチャイ(タイ、タイランドコンチネンタル) +1分39秒
35 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +4分5秒
37 山本元喜(KINAN Cycling Team)
49 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team)
78 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +4分53秒

個人総合
1 アンガス・ライオンズ(オーストラリア、オリバーズリアルフードレーシング) 12時間5分47秒
2 ライアン・ロス(カナダ、エックススピードユナイテッドコンチネンタル) +2分7秒
3 マリオ・フォイト(ドイツ、チーム サプラサイクリング) +2分57秒
4 ゴー・チュンファン(シンガポール、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +3分7秒
5 イェロエン・メイヤース(オランダ、タイユアンミオジェサイクリングチーム) +3分43秒
6 クリスティアン・ライレアヌ(モルドバ、チーム サプラサイクリング) +3分47秒
7 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +3分49秒
9 山本元喜(KINAN Cycling Team) +5分51秒
19 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +11分32秒
22 新城雄大(KINAN Cycling Team) +13分14秒
80 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +41分3秒

ベストアジアンライダー
1 ゴー・チュンファン(シンガポール、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +12時間8分54秒
2 山本元喜(KINAN Cycling Team) +2分34秒
9 新城雄大(KINAN Cycling Team) +10分7秒

スプリント賞
1 ローハン・ドゥプローイ(南アフリカ、プロタッチ) 39pts
9 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 10pts
10 新城雄大(KINAN Cycling Team) 10pts
17 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) 5pts
20 山本元喜(KINAN Cycling Team) 3pts

山岳賞
1 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 23pts
2 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) 20pts

チーム総合
1 チーム サプラサイクリング 36時間22分26秒
2 KINAN Cycling Team +6分33秒

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