総合順位もジャンプアップキナンのトマ・ルバが3位、山岳賞では首位に 「ツール・ド・インドネシア」第2ステージ

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 インドネシア最大級のステージレース、「ツール・ド・インドネシア」(UCIアジアツアー2.1)の第2ステージが8月20日に開催された。日本から参加のKINAN Cycling Team(キナンサイクリングチーム)は、終始前方でレースを展開したトマ・ルバがステージ3位でフィニッシュ。上りでの攻撃が冴え、山岳賞争いでは首位に浮上。翌日の第3ステージからは、同賞リーダーが着用するブルージャージで出走することが決まった。

山岳賞首位に立ったトマ・ルバ Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

スタートから激しい展開

 インドネシアの中心地、ジャワ島を東進中のプロトン。第2ステージは、マディウンからコタ・バトゥまでの157.8kmで争われた。コースはスタートして中盤までは平坦基調が続くが、後半に入って上りが続くコースレイアウト。この間2つの山岳ポイントを通過し、山の斜面に街があるコタ・バトゥまでの最終局面は下りとなる。総合争いを左右する動きが起こるかがこのステージの焦点とされた。

レースに向けホテルを出発するキナンサイクリングチームの面々 Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 前日の第1ステージでは、山本元喜がチーム最上位となるステージ8位。スタートからハイペースで進行し、前方でレースを進めた選手たちがそのまま上位を占めた。キナンでは山本のほか、ルバが16位、新城雄大が27位に入り、第2ステージを迎えることになった。

 このステージも前日同様、スタート直後から出入りの激しい展開。20kmを通過したところでルバを含む10人の逃げグループが形成されるが、集団の容認は得られず。その後もしばしアタックとキャッチが繰り返された。

前方で展開し、数的優位に

 レース前半の重要局面となったのは30km過ぎ。15人が先行を開始し、この中にキナン勢はルバとマルコス・ガルシアが加わる。強力なメンバーがそろい、早い段階でメイン集団に対して1分以上のリードを奪うことに成功した。

 一方のメイン集団もハイペースを維持。やがて力のある選手たちが追走ムードを本格化させ、10人が先頭グループを目指してスピードアップした。ここにキナンはサルバドール・グアルディオラが加わると、70km過ぎにルバとガルシアらの先頭グループに合流。キナン勢は3人が前線でレースを展開することになり、数的優位な状況を作り出した。

 総合上位陣も含まれ、実質のメイン集団となった先頭の25人だったが、山岳区間に入って絞り込みが激化。力のある選手たちだけが生き残る流れとなっていく。そして、ここからキナン勢の見せ場が続いた。

山岳ポイントをキナンで独占

 最初のカテゴリー山岳となった2級の上りで、グアルディオラとルバが攻めの姿勢を見せ、123.4km地点に設けられた山岳ポイントをそれぞれ1位と2位で通過した。こうした動きを通じて先頭グループは13人に減る。

 このステージの決定的なシーンは140km地点の手前でやってきた。2つ目のカテゴリー山岳となる1級の上りを前に、ルバがアタック。これが有効打となり、後続をみるみるうちに広げていく。その後2人が合流したが、他の追随は許さない。この間にルバは1級山岳ポイントを1位通過。この段階で、第2ステージ完了時点での山岳賞首位を決めた。

 ルバたちの先頭グループの後ろでは、3人が第2グループを形成。ここにグアルディオラが入るとライバルの抑え役に徹し、着実に追撃の芽を摘んでいく。グアルディオラの堅実な働きが実り、徐々にルバたちの逃げ切りの可能性を高めていった。

 終盤の下りも攻めた先頭3選手。後続とは十分なタイム差を得て、逃げ切りを確定的なものとする。注目のステージ優勝争いは、そのまま3人によるスプリントへ。仕掛けどころを探ったルバだったが、ここはスピードに勝る2選手の先着を許す結果に。ステージ優勝こそ逃したものの、3位としてこの先のステージへの期待を高めるものとした。

イェロエン・メイヤースが第2ステージ優勝。ルバはステージ3位、山岳賞でトップに躍り出た Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 最終的に第2グループは1分以上のタイム差でフィニッシュへ。グアルディオラは5位でレースを終えた。また、後方グループでも山岳区間を前に活性化し、前を追い続けた山本が13位にまとめたほか、新城とガルシアもフィニッシュラインを通過している。

終盤はライバルの追走を阻む役割を担ったサルバドール・グアルディオラ。ステージ5位で終えた Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU
レース後半に追い上げた山本元喜。ステージ13位、個人総合では9位につけた Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

ルバが総合上位進出へ

 これらの結果から、総合成績での大幅なシャッフルが発生。ルバが前日から9ランク上げて個人総合7位に浮上。トップとのタイム差は1分42秒に迫った。同8位でスタートした山本は、1つ順位を落としたものの3分34秒差の9位につけ、上位を狙えるポジションにつける。グアルディオラは同19位。キナン勢に限らず、多くの有力選手が上位をうかがう混戦模様だ。この先のステージでは、好調さを見せるルバと山本を中心に、アグレッシブに戦っていくことになる。

山岳賞を獲得したトマ・ルバ(写真右から2番目) Photo: KINAN Cycling Team / Syunsuke FUKUMITSU

 そして、1級山岳での1位通過を含む、2度の上位通過を果たしたルバが山岳賞争いで首位に立った。レース後のポディウムでは同賞のリーダージャージを授与され、第3ステージはブルージャージで走ることが決まった。3ポイント差の2位にはグアルディオラがつけており、こちらも複数メンバーでジャージのキープを目指していく構えだ。

 続く第3ステージから大会は中盤戦へ。コタ・バトゥからジェンベルまでの193.0kmに設定されるレースは、序盤の下り基調を経て、中盤にこのステージ唯一となる山岳ポイントへ。それを越えるとフィニッシュまで平坦なレイアウト。主役となるのはスプリンターなどのスピードマンか。キナンはここまでの2ステージ同様、タフなレース展開を構築しながら、チャンスをうかがっていくことになる。

トマ・ルバのコメント

 ステージ優勝を逃したことはとても悔しい。山岳区間以降、強い選手たちとの勝負となったが、最終局面を思うように運ぶことができなかった。個人的にはこれが久しぶりのレースで、100%のコンディションとは言い切れない。ただ、チームとしては個人総合で上位が見える位置につけているし、山岳賞でも1位と2位を占めているので、その点では喜んでいいと思う。

 インドネシアでのレースはいつもハードな展開になる。暑い中での戦いになって、誰もが厳しいコンディションのもと走っている。個人的にはそうしたレースの方が得意だ。

 昨シーズンは大成功を収めたが、その一方でレースやトレーニングがハードになり、疲れを今年まで持ち込んでしまった面があったのかもしれない。それで今シーズン前半は厳しい結果が続いたが、リスタートの気持ちで後半戦に臨んでいるし、好リザルトも出てきているからきっと来シーズンにつながると思う。

第2ステージ結果
1 イェロエン・メイヤース(オランダ、タイユアンミオジェサイクリングチーム) 3時間51分12秒
2 クリスティアン・ライレアヌ(モルドバ、チームサプラサイクリング) +0秒
3 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team)
4 ジェシー・イワート(オーストラリア、チームサプラサイクリング) +1分5秒
5 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +1分6秒
6 ライアン・ロス(カナダ、エックススピードユナイテッドコンチネンタル) +1分11秒
13 山本元喜(KINAN Cycling Team) +2分40秒
35 新城雄大(KINAN Cycling Team) +12分21秒
83 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +29分49秒

個人総合
1 ライアン・ロス(カナダ、エックススピードユナイテッドコンチネンタル) 7時間48分14秒
2 マリオ・フォイト(ドイツ、チームサプラサイクリング) +50秒
3 ゴー・チュンファン(シンガポール、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +1分0秒
4 アンガス・ライオンズ(オーストラリア、オリバーズリアルフードレーシング) +1分26秒
5 イェロエン・メイヤース(オランダ、タイユアンミオジェサイクリングチーム) +1分36秒
6 クリスティアン・ライレアヌ(モルドバ、チームサプラサイクリング) +1分40秒
7 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +1分42秒
9 山本元喜(KINAN Cycling Team) +3分34秒
19 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +9分25秒
27 新城雄大(KINAN Cycling Team) +14分44秒
82 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team) +38分8秒

ベストアジアンライダー
1 ゴー・チュンファン(シンガポール、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +7時間49分14秒
2 山本元喜(KINAN Cycling Team) +2分34秒
12 新城雄大(KINAN Cycling Team) +13分44秒

スプリント賞
1 マリオ・フォイト(ドイツ、チームサプラサイクリング) 20pts
8 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 10pts
13 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) 5pts
16 山本元喜(KINAN Cycling Team) 3pts

山岳賞
1 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) 23pts
2 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) 20pts

チーム総合
1 チームサプラサイクリング 23時間27分31秒
2 KINAN Cycling Team +6分1秒

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