全5日間のアジア1クラスレースキナンが「ツール・ド・インドネシア」に出場 山本元喜がステージ8位に入る

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 インドネシア最大級のステージレース、「ツール・ド・インドネシア」が8月19日に開幕した。第1ステージは183.5kmで争われ、日本から参加のKINAN Cycling Team(キナンサイクリングチーム)が序盤からハイペースとなった中、3選手を前方に送り込んでレースを展開。最終的に山本元喜が8位に入り、まずまずの出足となった。

第1ステージを8位で終えた山本元喜。総合順位でも8位になった Photo: KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU

上りに強い布陣でレースに挑む

 この大会はUCIアジアツアー2.1クラスにカテゴライズされ、アジア・オセアニアの有力チームがこぞって参戦。キナンサイクリングチームは日本のチームで唯一参加した。

「ツール・ド・インドネシア」に参加したキナンサイクリングチームの面々 Photo: KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU

 レースは全5ステージ、総距離818.4kmと全体的に山岳比重が高く、ステージによっては山頂フィニッシュも待ち受ける。チームは今大会に向け、山本元喜、マルコス・ガルシア、サルバドール・グアルディオラ、トマ・ルバ、新城雄大の5人を招集し、上りに対応できる布陣を敷いた。

 まず大会初日は、世界的な仏教遺跡であるボロブドゥール遺跡の前をスタートし、コタ・ガウィへとフィニッシュ。スタートしてしばらくは上り基調が続くが、そこから一気に下って中盤以降は平坦に。開幕ステージはハイスピードなレースが予想された。

レース序盤から21人の逃げ

 その見立て通り、アクチュアルスタート直後から速いペースで進行する。出入りが繰り返される中から、10km地点の目前で20人近い選手が前方へ。15km地点を迎える頃には21人が先頭グループを形成し、この中に山本と新城が加わる。有力チームの多くがこのグループにメンバーを送り込んだこともあり、その後は着々とリードを広げていった。

スタートする新城雄大 Photo: KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU

 20kmを過ぎたタイミングで、メイン集団にさらなる変化が起きる。ここでも約20人が動く形となり、前を行く21人を追いかける。やがて先頭グループに合流し、この時点で40人の集団に規模を拡大。キナンは追走の段階から加わっていたルバが先頭へ。これが実質のメイン集団となり、山本、ルバ、新城の3人が前方でレースを進めることになった。

 それ以降も集団内では激しい駆け引きが続く。たびたび数人が飛び出しを図っては、引き戻される状況が連続した。こうした中で山本の動きをきっかけに、9人が新たにリードを開始。さらに15人が追走グループを形成し、キナンからは新城が入る。

 その後方集団にルバが残る形になったが、こちらも追走ムードが高く、しばらくして新城らのグループに合流。100km地点を過ぎたところで、山本を含む9人の先頭グループを約30人が追う流れとなった。

 数的には不利と見られた先頭グループだったが、力のあるメンバーがそろったことも関係し、後続に対して着々とタイム差を広げていく。125km地点での差は3分だったが、その後も快調に飛ばしていった。

山本元喜が第2グループでフィニッシュ

 リードを保ち、逃げ切りに向けて態勢を整えていった山本らのグループだったが、残り25kmで大きな局面を迎える。5人が先行を試みると、他の4人を置き去りにしてさらにスピードアップ。山本は後ろに取り残される状態となった。懸命に前を追い続けたが、簡単にその差を取り戻すまでには至らない。結局、この5人がステージ優勝を争うことになり、山本は第2グループのままフィニッシュを目指した。

第1ステージはアンガス・ライオンズ(オーストラリア、オリバーズリアルフードレーシング)が優勝(写真右) Photo: KINAN Cycling Team/Syunsuke FUKUMITSU

 トップから1分59秒後、山本がフィニッシュ。最終的にはステージ8位でレースを終えた。

 その後ろでも終盤にかけて絞り込みが激化。15人の第3グループでルバがフィニッシュし、ステージ16位に入った。さらに37秒後に新城が27位でゴール。また、マルコスとサルバドールもフィニッシュラインを無事に通過。チームの5選手全員が次のステージへと駒を進めている。

 これらの結果、総合順位では山本がチーム最上位となる8位に入り、ルバと新城もステージ順位と同様に、それぞれ16位と27位につけた。第1ステージから激しいレース展開となったが、この先も難易度の高いステージが控えており、まだまだ大きな変動がありそうだ。

 翌20日の第2ステージは、マディウンからコタ・バトゥまでの157.8kmで争われる。レース後半に長い上りが続き、その間に2カ所の山岳ポイントを通過。2つ目の山岳を越えると、コタ・バトゥまでは下り基調となるコースだ。上りでの動きが勝負を左右する可能性を秘めている。

山本元喜のコメント

前方でレースを展開することを心掛けて臨んだ。マークしているチームの選手の動きに合わせて、自分も集団から飛び出したが、9人に残ったメンバーが強い選手ばかりで、先頭交代が繰り返しながら脚を貯めたいところだったが、結果的に5人の先行を許してしまった。

 個人的には総合成績を狙える可能性が出てきて、チームとしても(新城)雄大がアシストとして機能したこともあってトマが好位置につけている。このステージはできる限りのことはやれたと思う。

第1ステージ結果
1 アンガス・ライオンズ(オーストラリア、オリバーズリアルフードレーシング) 3時間55分58秒
2 ライアン・ロス(カナダ、エックススピードユナイテッドコンチネンタル) +0秒
3 マリオ・フォイト(ドイツ、チームサプラサイクリング)
4 ゴー・チュンファン(シンガポール、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +1秒
5 マーカス・カリー(オーストラリア、チームサプラサイクリング)
6 ムハマド・アブドゥルローマン(インドネシア、KFCサイクリングチーム) +1分56秒
8 山本元喜(KINAN Cycling Team) +1分59秒
16 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +2分50秒
27 新城雄大(KINAN Cycling Team) +3分27秒
73 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +9分23秒
74 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)

個人総合
1 アンガス・ライオンズ(オーストラリア、オリバーズリアルフードレーシング) 3時間55分48秒
2 マリオ・フォイト(ドイツ、チーム サプラサイクリング) +2秒
3 ライアン・ロス(カナダ、エックススピードユナイテッドコンチネンタル) +3秒
4 ゴー・チュンファン(シンガポール、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +11秒
5 マーカス・カリー(オーストラリア、チーム サプラサイクリング) +13秒
6 ローハン・ドゥプローイ(南アフリカ、プロタッチ) +2分3秒
8 山本元喜(KINAN Cycling Team) +2分8秒
16 トマ・ルバ(フランス、KINAN Cycling Team) +3分0秒
27 新城雄大(KINAN Cycling Team) +3分37秒
73 サルバドール・グアルディオラ(スペイン、KINAN Cycling Team) +9分33秒
74 マルコス・ガルシア(スペイン、KINAN Cycling Team)

ベストアジアンライダー
1 ゴー・チュンファン(シンガポール、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +3時間55分59秒
3 山本元喜(KINAN Cycling Team) +1分57秒
10 新城雄大(KINAN Cycling Team) +3分26秒

チーム総合
1 チーム サプラサイクリング 11時間50分47秒
6 KINAN Cycling Team +5分23秒

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