バイクインプレッション2019パワーロスないアンダー6kg キャニオン「アルティメット CF EVO Disc 10.0 LTD」

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 キャニオンからディスクブレーキを搭載しながらも完成車で6kgを下回る重量を実現した「アルティメット CF EVO Disc 10.0 LTD」が登場した。構成するパーツも軽量性を重視し、フレームは最低限の塗装に抑えている。徹底して重量を削ぎ落した1台の実力をチェックした。

6kgを下回る重量で登場した「アルティメット CF EVO Disc 10.0 LTD」 Photo: Shusaku MATSUO

フレーム重量は641g

 ぱっと見では「ロゴ入ってないの?」と見間違えるくらいの小さなロゴがトップチューブとダウンチューブにあしらわれ、ヘッドチューブには申し訳ない程度にブランドロゴが入れられている。ここまでペイントが抑えられているのは、徹底して重量の削減を目指した結果だ。塗料の重みすら惜しい。結果的にフレーム重量で641g、フロントフォークはディスクブレーキ仕様にもかかわらず285gという数字を達成した。

わずか87gのシートポストはシュモルケ製 Photo: Shusaku MATSUO

 車体を構成するパーツチョイスにも抜かりはない。軽量カーボンパーツの製造で知られるドイツのシュモルケ製のシートポストはわずか87g、セライタリアのフルカーボンサドルは「SLR C59」は61g、270gのステム一体型ハンドルを採用するなど軽さを追求。ギヤ、ドライブ周りはスラム「レッドeTap AXS」のコンポーネントを用いた結果、ディスクブレーキ仕様ながら平均で5.99kgという重量を実現している。

最低限の塗装しか施されていない徹底した軽量化 Photo: Shusaku MATSUO
スルーアクスルが剛性を高める Photo: Shusaku MATSUO

 アルティメット CF EVO Disc 10.0 LTDは軽さを追い求めつつ、ディスクブレーキを採用したことで走りの質を高めてきた。走りがとにかく軽い。物理的に軽いのももちろんだが、スルーアクスルが効いているのか足回りが引き締まり、パワーロスを起さず推進力となって“乗って軽い”を体現している。

ツールで実証したタフさ

 これまでただ軽いだけのバイクに乗った際は、やはりどこか頼りなさが車体から伝わることが多かった。だが、今回試したバイクは足回りに強さを纏ったことで横方向の動きに強く、コーナーでも粘るし、立ち上がりでは瞬時に高いスピード域まで乗せることができた。登坂時に性能を発揮するとばかり思っていたが、クリテリウムのような速度が上下する場面でも活躍しそうだ。踏み出しの軽さが楽しくて、30回以上もコーナリングと立ち上がりのダッシュを繰り返していた。加速する、曲がる、止まるを超軽量バイクとは思えない頼もしさを感じながら行うことができた。登坂では言わずもがな速く、月並みだが体感でギヤ1枚分以上軽い身のこなしで上ることが可能であった。

ディスブレーキが足下を引き締め、走りを完成形へと導いた Photo: Shusaku MATSUO

 唯一気になったのがサドルとシートポスト。高い位置の重量を削減することはダンシング時に振りの軽さに繋がるのは明らかだが、筆者の体重(70kg)ではどちらもしなり過ぎるようで、好みではなかった。あと10kg軽ければ気にならないのかもしれない。重量増は心苦しいが、もう少し剛性が高いものに変えたいもの。それでも6kg台中盤になるだろうから、重量としては十分だ。

 軽すぎるが故に同仕様のバイクにプロが駆ることはないが、フレームセットは今季のツール・ド・フランスで実戦投入されたという。ハードなプロのレースでも耐えうるスペックを実証してみせた。ホビーサイクリストにとっても車体の軽さは大きな武器になることは間違いない。ヒルクライムはもちろん、加減速が求められるロードレースでも効果を発揮する。突き詰めた軽さと、妥協のない走りをいっぺんに味わえる硬派で新しい魅力が詰まっていた。

■キャニオン「アルティメット CF EVO Disc 10.0 LTD」
税抜価格:1,139,000円 ※送料別
重量:5.99kg ※平均
コンポーネント:スラム「レッドeTap AXS」
サイズ:2XS、XS、S、M、L、XL、2XL

松尾修作松尾修作

サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。

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