猛暑でのサバイバルレースおおいた アーバンクラシックはトレンガヌ勢がワン・ツー 椿大志が日本勢最高の5位

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 大分市で8月11日、UCIアジアツアー1.2クラスの国際レース「おおいた アーバンクラシック」が開催され、気温33℃に達した中での150kmを超えるサバイバルレースをドリュー・モレ(オーストラリア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム)が制した。トレンガヌ勢はマラルエルデネ・バトムンフ(モンゴル)も続き、ワン・ツーフィニッシュを達成。日本勢ではラスト300mまで優勝争いに加わった椿大志(キナンサイクリングチーム)が最上位の5位となった。

おおいた アーバンクラシックは残り300mで抜け出したドリュー・モレ(左)とマラルエルデネ・バトムンフのトレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム勢がワンツーフィニッシュを達成した Photo: Syunsuke FUKUMITSU

UCI公認としては2度目の開催

 おおいた アーバンクラシックは、2年前まで国内リーグ「Jプロツアー」として行われていたレースを再編し、昨年からUCI公認の国際レースとして実施。大分市の自転車祭典「J:COM presents OITAサイクルフェス!!!2019」の目玉イベントとして行われており、現体制となって2度目の開催となった。UCIアジアツアー1.2クラスにカテゴライズされ、今回はアジア圏からの5チームを含む、国内外全18チームが参加。1チーム最大5人編成でレースに挑んだ。

昭和電工ドーム大分を見ながらレーススタート Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 コースは大分スポーツ公園を主会場とする、1周11.6kmのサーキットを13周回、総距離150.8kmに設定。住宅街を縫うルートや、アップダウンが連続する変化に富んだレイアウトが特徴的で、スタート・フィニッシュ地点が設けられるコントロールラインへと向かう上りは、最終周回ともなればこのレースのハイライトとなること間違いなし。昨年は石上優大と松田祥位の日本ナショナルチーム勢がヤングパワーを発揮しワン・ツーフィニッシュを飾ったが、今回は両者を含む一部有力日本人ライダーがヨーロッパ遠征を行っていることもあり、新たな力の台頭が期待された。

 午前9時のスタート時にはすでに気温30℃を超え、暑さの中でのレース。1周目からアタックが散発したが、先頭グループが形成されたのは3周目。有力チームから最低でも1人が加わる格好となり、強力な20人による集団となった。

住宅街を進んでいく20人の先頭グループ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 レースをリードした20人。

チーム サプラサイクリング:ムハマドヌルアイマン・モハドザリフ、ムハンマドザワウィ・アズマン(ともにマレーシア)
トレンガヌINC.・TSGサイクリングチーム:ヌルアミルファクルディン・マズキ(マレーシア)、モレ、バトムンフ
エックススピードユナイテッドコンチネンタル:イーヴァン・バートニク、ニコラス・ディニズ(ともにカナダ)
チームUKYO:横塚浩平
マトリックスパワータグ:ホセビセンテ・トリビオ(スペイン)、安原大貴、小森亮平
宇都宮ブリッツェン:堀孝明、小野寺玲
キナンサイクリングチーム:山本元喜、椿
愛三工業レーシングチーム:ジェイソン・クリスティ(ニュージーランド)
シマノレーシングチーム:木村圭佑
チーム ブリヂストンサイクリング:今村駿介
那須ブラーゼン:西尾勇人
イナーメ信濃山形:米谷隆志

先頭グループを猛追した中島康晴(左)とチェン・キンロー Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 実質の追走グループとなった第2集団では、先頭へメンバーを送り込むことができなかったチームのほか、前線への厚みを加えたいチームも加わって追う構え。しばらくは先頭グループに対して1分台で推移していたタイム差だったが、追走意思のあるチームのアシスト陣が力尽きると一気に3分台にまで広がってしまう。7周目に入ってからは、この状況を嫌った選手たちが第2グループから次々とアタック。出入りが激しくなる中、9周目に4人が追撃を本格化。やがて、この中からチェン・キンロー(香港、HKSIプロサイクリングチーム)と中島康晴(キナンサイクリングチーム)だけに絞られ、11周目を終える頃には先頭との差を約30秒にまで縮めた。

 タイミングを同じくして、先頭グループでも動きが起きる。11周目に入って米谷がアタック。これをきっかけに、勝負どころを見据えた駆け引きが活発となる。米谷はしばらくしてキャッチされ、その後も決定打に欠くものの前方をうかがう動きが見られるようになった。

残り300mでトレンガヌ勢がワンツー決めるアタック

 レースを左右する局面は残り2周でやってきた。バトムンフのアタックをきっかけに、モレ、ディニズ、トリビオ、椿が追随。残された選手たちが牽制状態になったことも関係し、5人がそのまま抜け出すことに成功した。この周回の途中でバートニクと今村がブリッジを成功させ、先頭に合流。7人と膨らんだ先頭グループは、そのまま逃げ切りを狙って勢いを増していった。

 残り1周の鐘を前に、上り区間でモレがアタックすると、トリビオが脱落。残る5人はモレを追う形で最終周回へと入っていき、徐々にモレとのタイム差を縮め、土壇場で追いつくことに成功。後続とは十分なタイム差を確保し、優勝争いは先頭をゆく6人に絞られた。残り3kmで下りを利用して椿がアタックしたが、これはチェックされてしまう。代わって、残り2kmでディニズがスルスルと抜け出すと、そのまま独走を開始。5人がこれを追う形で残り1kmを切った。

アタックしたドリュー・モレが単独で最終周回へ Photo: Syunsuke FUKUMITSU
最終周回へと向かう椿大志(中央)ら。先行していたドリュー・モレに追いつき優勝争いへ Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 残り500mを前にモレとバートニクがディニズに合流。少し遅れてバトムンフと椿が続く。最後のコーナーを抜けると、フィニッシュまでは一気の上り。残り300m、ここで動いたのはモレ。バートニクがチェックするが、後方からバトムンフは猛然とモレまでジャンプアップ。

 最後はトレンガヌ勢が前後に並ぶようにしてフィニッシュまでやってきた。再三チャンスをうかがってきたモレが真っ先にフィニッシュラインを通過すると、バトムンフとそろってガッツポーズ。ワン・ツーフィニッシュを達成した。

 バートニク、ディニズのエックススピードユナイテッドコンチネンタル勢が3位と4位を占めた直後、日本勢最上位となる5位に椿が入った。残り300mまでは優勝争いに加わったが、最後の上りで上位陣に屈する結果となった。その後も日本勢が続き、5位から9位までを押さえた。

日本人選手最高位の5位となった椿大志 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 あと一歩のところでタイトルを逃した椿はレースを振り返り、「どんな形でも勝てる手ごたえがあった。残り3kmで思い切ってアタックしたがチェックされてしまい、よくない状況から抜け出せなくなってしまった。結果的に力負けになってしまった」と悔やんだ。それでも、けがや不調に悩んだ時期を脱しての好走に、「最低限の結果は残すことができた」と前を向いた。

おおいた アーバンクラシック(150.8km)結果
1 ドリュー・モレ(オーストラリア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) 3時間36分31秒
2 マラルエルデネ・バトムンフ(モンゴル、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム) +0秒
3 イーヴァン・バートニク(カナダ、エックススピードユナイテッドコンチネンタル) +3秒
4 ニコラス・ディニズ(カナダ、エックススピードユナイテッドコンチネンタル) +6秒
5 椿大志(キナンサイクリングチーム) +10秒
6 今村駿介(チーム ブリヂストンサイクリング) +28秒
7 山本元喜(キナンサイクリングチーム) +1分21秒
8 横塚浩平(チームUKYO) +1分26秒
9 木村圭佑(シマノレーシングチーム) +1分44秒
10 ヌルアミルファクルディン・マズキ(マレーシア、トレンガヌ.INC・TSGサイクリングチーム)

クリテリウムは今村が優勝

 「J:COM presents OITAサイクルフェス!!!2019」の主要イベントとして10日に大分駅前で行われた「おおいた いこいの道クリテリウム」では、今村が勝利を挙げた。

おおいた いこいの道クリテリウムは今村駿介が優勝した Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 こちらは大分駅前の目抜き通りを舞台に、1周1kmのサーキットを30周回。ヘアピンカーブや4カ所の鋭角コーナーが特徴のコースは、ポジショニングやコーナーワークが勝敗を分けるポイントと見られた。

 戦前の予想通りハイスピードなレースとなり、10周目に設定された1回目の中間スプリントポイント通過をきっかけに飛び出した2選手を中盤から終盤にかけて1人、また1人と合流し、先頭グループの人数が増えていく流れに。残り8周で飛び出した4選手が先頭に合流すると、このレース最大の8人が先行。メイン集団に対して約20秒差を維持したまま残り周回数を減らしていき、逃げ切りを決定的にした。

おおいた いこいの道クリテリウム上位3選手の表彰 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 勝負は、2人を先頭に送り込んだチーム ブリヂストンサイクリング勢が持ち前のスピードを最終周回に発揮。窪木一茂からのホットラインで今村が飛び出すと、そのままフィニッシュへ。最後の直線で椿が追い込んだが届かず。今村、窪木がワン・スリーフィニッシュを達成。椿は2位。最終的に7人が逃げ切り、メイン集団は21秒差で終えることとなった。

おおいた いこいの道クリテリウム(30km)結果
1 今村駿介(チーム ブリヂストンサイクリング) 41分30秒
2 椿大志(キナンサイクリングチーム) +0秒
3 窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)
4 イーヴァン・バートニク(カナダ、エックススピードユナイテッドコンチネンタル)
5 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)
6 内間康平(チームUKYO)
7 小森亮平(マトリックスパワータグ)
8 沢田桂太郎(チーム ブリヂストンサイクリング) +21秒
9 岡本隼(愛三工業レーシングチーム)
10 黒枝咲哉(シマノレーシングチーム)

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