テストイベントは10月に開催東京五輪自転車競技の代表選考事情①BMXレーシングは開催国枠「2」以上なるか

by 織田達 / Satoshi ODA
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 2020年東京オリンピックまであと1年を切りました。Cyclistでは五輪の自転車競技の選手選考の基準について解説する連載を始めます。第1回目は北京オリンピックから正式種目として競技され今回で通算4回目の開催となるBMXレース。日本代表は、ロンドンオリンピックこそ参加資格が得られなかったが、北京では阪本章史、リオデジャネイロでは長迫吉拓(WCC)、そして東京では誰が出場できるのでしょうか。また開催国枠で初出場となる女子では誰が選出されるのかにも注目です。(レポート・織田達)

すでに2度の準決勝進出を果たし選考基準をクリアしている畠山紗英(日本体育大学・WCC)。後方には畠山を追う丹野の姿も Photo: Jarno Schurgers/Red Bull Content Pool

日本の出場枠は男女とも「1」

 4年に1度の大舞台。しかも日本開催となれば一生に一度のチャンスと言っても差し支えないだろう。このレースには第3者委員会招待枠を除いて男子男子、女子それぞれ24人だけしか参加できない。内訳は2020年6月2日付UCI国別ランキング上位11カ国。同日付のUCI個人ランキングの上位3人の所属する国、2020年5月最終週に開催される世界選手権の上位2人の所属する国。しかもランキング別に人数が割り当てられており、ランキング1位〜2位の国が3人。3位〜5位が2人。6位〜11位までが1人となっている。また1カ国あたり参加できる最大人数が3人までと決められているので、個人ランキングや世界選手権で優勝しても国別ランキングで参加枠を獲得していれば、その割り当ては国別ランキング12位以降の国へと参加枠がスライドされる。

 つまり日本はすでに開催国枠を得ているので「1」が確定しているが、「2」以上にするためには国別ランキングを5位以上にしなければならない。反対に仮の話だが現在国別ランキングでトップのフランスは世界選手権で表彰台を独占し、個人ランキング上位に名を連ねたとしても「3」しか与えられないのだ。

 現在(2019年8月10日)の日本は男子の国別ランキングは642ポイントで18位。参加枠「2」にするためのランキング5位のイギリスは2190ポイントと大差がある。女子は920ポイントで13位だが現在5位のロシアは1630ポイントと男子ほどではないが大差には変わりない。現実的には男女ともに開催国枠での「1」でしか参加できない様子だ。

 国内強化選手の間では、この参加枠「1」を巡り現在代表争いが行われている。ここで参加資格および、選考基準をおさらいしよう。

UCIが2018年3月に発表した参加資格条件

A)2002年12月31日以前生まれであること。
B)2020年6月2日時点でUCIポイント10ポイント以上の獲得者。

わずかこれだけだ。これに2018年9月6日付でJCFより発表された国内選考基準が加わる。

2019-2020シーズン ワールドカップで準決勝に2回以上進出した者。

 選考対象期間は2019年第1戦〜2020年第4戦と、レース毎に係数などを掛けるなどややこしいことはせずに、明らかに結果だけでの選出方法だ。BMXレースと同様、単純明快でわかりやすい。また対象者が複数いた場合や、対象者がいなかった場合などの補足の選考条件も当然ながらあるが、ここではワールドカップ2回以上の準決勝進出(16位以上)ということに着目してみる。

では現在の有力候補は?

 2019年シーズン10戦中6戦終了している現在、この条件を満たしているのは女子の畠山紗英(日本体育大学・WCC)ただ1人。しかしまだ当確と言うわけではない。女子では7月初旬の全日本選手権で優勝した丹野夏波(早稲田大学)もマンチェスターで行われた第2戦で準決勝に進出しており、しかもベストリザルトは畠山と同じ9位(8位までが決勝進出者)もう一度準決勝に進出することで畠山に並ぶ。また7月最終週に行われた世界選手権でジュニアカテゴリ準決勝に進んだ藪田寿衣(SE Racing・大阪偕星学園高等学校)もワールドカップに挑戦中であることから、残りの期間で準決勝まで進むこともあるだろう。

2019年女子の全日本チャンピオンの丹野夏波(WIAWIS・早稲田大学)は選考基準クリアまであと1回準決勝進出が必要だ Photo: Satoshi ODA
2019年世界選手権でジュニアカテゴリ15位の藪田寿衣(SE Racing・大阪偕星学園高等学校)も2020年2月までW杯準決勝進出を目指す ©︎JCF

 男子は、まだ選考基準をクリアしている選手はいないが、長迫吉拓がオランダ・パペンダルで行われた第4戦で決勝進出のビッグリザルトを残しており、残り6戦中で準決勝に進みさえすれば、ほぼ確定と言ってもいいだろう。そのくらいワールドカップで決勝に残るのは狭き門。立ちはだかる世界の壁は分厚く、高い。長迫に続いているのが、山口大地(HARO・早稲田大学)、中井飛馬(WIAWIS・日本体育大学)、吉村樹希敢(Gan Trigger)と言ったところ。

2019年世界選手権でジュニアカテゴリ15位の薮田寿衣(SE Racing・大阪偕星学園高等学校)も2020年2月までW杯準決勝進出を目指す ©︎JCF
2019年男子の全日本チャンピオン中井飛馬(WIAWIS・日本体育大学)も選考基準を満たすためにW杯に挑戦中 Photo: Satoshi ODA

 男女ともに過去に類を見ないほどの延べ人数がワールドカップに参加しており、自身のベストリザルトの更新と国別ランキングの上昇に挑んでいる。

◇         ◇

代表チームヘッドコーチ・三瓶将廣氏インタビュー

――2019シーズンが折り返しました。W杯6戦と世界選手権を振り返っての感想をお聞かせください。

三瓶ヘッドコーチ:男子に関しては、強豪が多く集まり誰が勝ってもおかしくないと言われている中で、強い選手が早々に敗退するレースもあるが、それでもトップ16に残ってくる選手は基本同じでコンスタントに残ってくる。日本チームはその領域にはいけてないのが現状ではあるが、着実に目標としている準決勝進出には近づき、長迫が1度決勝進出したことはポジティブに捉えている。

 過去の統計から新規でワールドカップの決勝へ進出する選手は、全体参加者の約1%。とても狭き門だが、残り約1年で1名でも出せることが、オリンピックでの勝敗に大きく左右される。夢のような話だが、今の強化メンバーから1名は出ると思っているので、その1%の可能性を信じてサポートして行く。女子に関しては準決勝5位と決勝進出まであと1歩のところまできている。

日本代表をまとめる三瓶将廣ヘッドコーチ Photo: Masahiro SANPEI

 残りトータル6戦、選考基準である準決勝進出2回以上の選手は複数出て、決勝進出でのリザルトがカギになると思っている。女子の新規決勝進出者率は約3%だが、こちらも実現可能と感じた前半戦だった。世界選手権大会での結果はジュニア女子の準決勝が日本チームの最高位に留まったが、直後から後半戦への準備を始めている。

 9月の4大会で1ステップアップ、そこからまた4カ月の調整期間を挟んで最後の1−4戦オーストラリアラウンドで個々がどのようなパフォーマンス発揮ができるかにかかっている。日本チームは2月までが選考対象と他国とは違うアプローチなので、チャンスもあると思っている。

――2019年シーズンは6戦残っています。2020年は2月から5月までW杯が10戦+世界選手権の超過密スケジュールとなっていますが、計画と展望をお聞かせください。

三瓶ヘッドコーチ:基本は2020年シリーズ第4戦まではワールドカップへ全戦参戦し、まずは国内選考を確定させる。その後、他国が国別出場枠獲得争いを続けている中、日本はひと足先にオリンピックへ照準合わせをできるように考えている。

 そのために2月で国内選考を確定させ、それ以降に関しては選考された選手と各コーチスタッフと計画を最終確定させる。チームとしてはメダル争いに入れる確率を上げていく、それに尽きると思っているので、スタッフは残されたステップを着実に踏める準備を整えていき、その先に待つ結果を選手たちと共に掴みたいと思う。

 今年9月29日のアルゼンチンで行われるワールドカップが終了すると10月12〜13日にオリンピックの会場となる有明アーバンスポーツパークでテストイベントが開催される。日本からは男女ともに数人が参加する予定とのこと。またJCFより先ごろ発表された参加する国際大会派遣選考基準によると強化指定Aの選手と今シーズンのW杯の成績などから選出されるようだ。

 テストイベントについては、参加する国、選手や一般観戦可能か否かなどの詳細は不明だが、UCIクラス1のイベントとなっており、UCIポイントを稼ぐためには大切なレースとなる。取材可能な場合は本サイトでもレースの模様をお伝えする予定だ。

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