8月以降世界のトップレースに参加NIPPO・ヴィーニファンティーニに石上優大と草場啓吾がトレーニー加入

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 UCIプロコンチネンタルチーム「NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ」が8月2日、8月からのトレーニー(研修生)として、石上優大(21歳、AVCエクサンプロヴァンス/EQADS)と草場啓吾(22歳、愛三工業レーシングチーム)が加入したことを明らかにした。ともに8月以降の今シーズン、NIPPOのチームの一員として、ヨーロッパやアジアで世界トップクラスの大会に出場する。

NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネが石上優大(左)と草場啓吾(右)のトレーニー加入を発表 Photo: Ikki YONEYAMA

 UCIのトレーニー制度は、主にU23カテゴリーの若手選手を対象にしたもので、将来プロチームでの活動を希望する選手を、シーズン後半の8月1日からチームに登録できる育成システム。チームが自由に出場レースを決められるほか、選手はこれまでの所属チームや、ナショナルチームでの活動も並行して可能だ。

 石上は8月13〜17日のブエルタ・ア・ブルゴス(スペイン/UCI2.HC)と8月21〜24日のツール・ド・リムザン(フランス/UCI2.1)、草場は8月15〜18日のチェコツアー(チェコ共和国/UCI2.1)への出場が決まっているという。

全日本ロードU23を走る石上優大。今季前半はけがに苦しんだが復活 Photo: Kenta SAWANO

 石上は2018年のU23全日本ロードチャンピオンで、今年がU23カテゴリー最終年。高校卒業後はフランスのアマチュアチームで走りプロを目指している。今季は両鎖骨を相次いで骨折した影響で春から欠場が続いたが、6月の全日本ロードU23では積極的な走りを見せ復活。また7月からの日本ナショナルチームの欧州遠征に参加し、25日にはUCI1クラスのレースで7位に入る快挙を飾った。

スピードと積極性が持ち味の草場啓吾 Photo: Ikki YONEYAMA

 草場はエリート1年目。日本大学在学中にも日本ナショナルチームに多く参加し、本場欧州での年代別レースの経験も積んできた。ナショナルチームで参加した昨年のツアー・オブ・ジャパンでは、積極的な走りで山岳賞ジャージにも袖を通している。トラック競技での実績もあり、NIPPOの大門宏マネージャーは、かつてトラック4km個人追抜の日本記録保持者でロードでも活躍した、安藤康洋選手を彷彿させられると評価する。

「NIPPO」は来季も継続へ

 チームにはこのほか、イタリア人のフィリッポ・フィオレッリもトレーニーとして加入する予定。チームは現体制においては今季限りでの解散が決まっているが、大門マネージャーによると、NIPPOとしては来季もプロフェッショナルカテゴリーでのチームを準備しているという。

石上 優大(いしがみ・まさひろ)

AVCエクサンプロヴァンス(フランスDN1)/EQADS 所属
1997年10月20日生まれ、21歳。神奈川県出身
身長 177cm/体重 62kg
脚質 オールラウンダー

【石上のコメント】
2019シーズン、全くレースに出ていなかった自分に、今回こうして、トレーニーという機会をいただき本当に感謝しています。NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネで出場する予定のプロのレースは、普段走っているアマチュアレースと違い、何段階も速く、自分が経験したことのない領域のレースばかりです。その中で、自分の持っているものを全て生かして、様々なことを経験し、選手としてレベルアップできるように、取り組んでいきたいと思います。

 応援よろしくお願いいたします。

草場啓吾(くさば・けいご)

愛三工業レーシングチーム所属
1996年9月8日生まれ、22歳。愛知県出身
身長 173cm/体重 67kg
脚質 スプリンター

【草場のコメント】
まずはじめに今回、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネのトレーニーとして世界の舞台で活動できる機会を与えてくださり、本当にありがとうございます。

 「NIPPO」というチームは、僕が高校の頃からの「夢」でもあるチームです。そんなチームに自分がトレーニーとして加入できると聞いた時はとても嬉しかった反面、大きなプレッシャーにも襲われました。ですが、今まで自分がやってきたことを信じ、また応援してくださるファンの皆様のためにも、ここで何か爪痕を残していければなと思います。ワールドチームも出場する世界トップカテゴリーのレース参戦は今回が初めてなので、たくさんの事を学び、吸収して、さらにステップアップできるように頑張りたいと思います。よろしくお願いします。

大門宏監督/マネージャーのコメント

 いつも話してるとおり、近年ワールドチームでは、デベロップメントチーム(傘下のコンチネンタルチーム)で選手育成に取り組む姿勢が年々本格化しており、トレーニーを選考するために専門スタッフを配置して独自の選考キャンプを実施する等、大きな予算を注ぎ込んでいる。プロコンチネンタルチームはどこもそこまで余裕はないのが現状だが、ヨーロッパで活躍できる可能性を秘めた日本人選手にとっては、少しでも良いチャンスに繋がれば良いと思う。

 石上は高校時代から際立っていた選手で、U23カテゴリーでは昨年から急成長を遂げている。昨年、彼が勝った全日本選手権では、結果より後半のペース(レベルはともかく、エリートを上回っていた)に注目させられた。また、今年の全日本選手権では、終始トップ集団で積極的な姿勢で、ケガの影響を感じさせない圧巻の走りだった。2月から5月にかけ良いメンツの揃ったフランスレースでの好成績はヨーロッパでも名を売ることに繋がったに違いない。 その後度重なるケガに悩んでる様子だったが、メンタル面でも成長してる様子がうかがわれた。

 トレーニーシステムはワンチャンス(UCIルールで生涯1回のみ)なので、水谷監督を通して本人の意思も確認しながら、長年彼の傍で見守っているナショナルチームの浅田コーチにも相談して決めたが、トレーニー選考直後にナショナルチームで参加したスペインでの1クラスでの好成績(7位)には改めて大物の片鱗を確信した。

 一方の草場は学生時代(日本大学)から積極的な姿勢で好感度の高かった選手。石上とはキャラクターは違うが、ジュニア時代から世界選手権の日本代表にもなっており、石上と比べても実績は勝るとも劣らない選手。U23時代はナショナルチームでも数多くの海外のレースを経験してきた。

 今年の全日本選手権でも積極的な走りが光ったが、選んだ理由はもちろんそれだけではない。トラック種目でも申し分なく活躍していた選手だったため、大学卒業後は競輪の道に進むものだと思い込んでいたが、ロードで世界を目指す意思があると聞いて印象に残っていた。1990年前後にスイスのロードレースでも活躍し、トラック世界選手権の4000m個人追い抜きで大幅に日本記録を塗り替えた安藤康洋選手に脚質が似ていて、性格も彷彿させられる。オーストラリア人のヨーロッパでのロードレース躍進の鍵はトラック競技であったことは今では誰でも知ってるが、僕は20年以上前からイタリアで彼らと苦労を分かち合ってきた。そこで得た経験を少しでも彼の成長に役立てたいと思う。

 2人の夏以降のスケジュールは、これから彼らの走りも見ながら水谷監督やイタリア人監督にも相談して決めたいが、9月はイタリア、フランス、ベルギー、そして10月には中国でHCクラスのステージレースも控えている。少しでも多く、参戦のチャンスを与え、彼らのクオリティやキャパシティを発揮してもらいたい。

 NIPPOは来季もこれまでどおり、プロフェッショナルカテゴリーでチームを準備中だが、我々のチームで契約することを前提に考えてる訳ではない。石上や草場にとって今以上にヨーロッパ全体のチーム関係者に見てもらうチャンスにもなる。U23最後のシーズンを迎えている石上はトレーニーのシステムを活用する事でフランスの所属チーム以外でも走る機会が増えるので、それを存分に生かしてほしい。際立った走りができれば、フランスのエリートチームをはじめ、デベロップメントチーム、プロチームから勧誘されるチャンスだってある。今シーズンを含めて、これまでは石上ほどヨーロッパのレースで走る機会のなかった草場も、ぜひこのチャンスを来季以降の飛躍への足掛かりにしてほしいと願っている。

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