『コルナゴ部長』中尾公一さんのレポート今こそ「阿蘇ジオ・ライド」 火口に近づける活火山を間近で見るサイクリング

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 阿蘇山は火口に簡単に近づくことできる世界にも稀な活火山で、その光景を一目見ようと世界各地から観光客が訪れます。今回は阿蘇山周辺をサイクリングして、様々な角度から阿蘇山を見るサイクリングを紹介します。噴煙立ち上る山とカルデラの周りを自転車で走る、非日常的な体験ができます。熊本の自転車界を支え、7月から道の駅阿蘇サイクルアドバイザーに就任した『コルナゴ部長』こと中尾公一さんのリポートで現状をお伝えします。

火口の近くで噴煙をみることができます

噴火が日常的な阿蘇

 2019年7月26日、阿蘇山の小規模な噴火が発生しました。噴石は観測されませんでしたが、灰白色の噴煙は1600mまで上がり、北西へ流れました。噴火の発生は5月31日以来です。

 その後も噴火が続いて噴火警戒レベル2(1が平常)となり、中岳第一火口から概ね1kmの範囲で火口周辺が立入規制となりました。そうなると阿蘇山西駅までは行けますが、火口見学はできません。

 阿蘇に住む人々にとって噴火は日常的な出来事で、終息するまで耐え抜いて生活することが常。風向きによる噴煙の流れを天気予報などで確認して、降灰の有無やガスに弱い人は注意するようにしています。

噴煙の状況を見てコースを決める

 サイクリングも風向きに注意して、噴煙の影響が無いところを走ればいつもと変わりません。逆に迫力のある噴煙が見られることで活火山の息吹を感じ、あらためてこの山は生きているのだと感動します。

 この日の早朝、火口から5km圏内に住む友人から噴煙が流れる写真が送られてきました。その様子から「北東方向を避ければ大丈夫」と、噴煙を避けるコースを考えながら阿蘇へ向かいました。

 コースは「道の駅 阿蘇」をスタートして、噴煙が見える東登山道(坊中線)を上ってから米塚の前を通る西登山道(栃木線)へ下るルート。そこから熊本地震で復興中の垂玉温泉と地獄温泉を訪ね、そのまま南登山道(吉田線)に出ました。

東登山道(坊中線)大曲の風景

 ここからは日陰のない平均勾配5.3%の5kmの上りになりますが、標高が高いため気温の割には風が涼しく感じました。雄大な景色を楽しみながら全員上り切り、火口より2km地点の三叉路で記念写真を撮りました。

熊本地震と土石流にも耐えたことから、奇跡の湯と称えられている青風荘「すずめの湯」
青風荘を過ぎて山を抜けると広大な草原となる

 火口に一番近い阿蘇山西駅で補給し、観光ヘリコプターが発着する広場で集合写真を撮影。草千里から豪快な12kmのダウンヒルを堪能して再び「道の駅 阿蘇」へ。

阿蘇山ヘリポート前で記念撮影

 サイクリングに参加された方は何度も阿蘇に来ていますが、今回は上空に勢いよく噴煙を上げる阿蘇山を、北側・西側・南側からと立体的に見ながら走りました。阿蘇山西駅近くの中岳の全体像が見えるところでは、迫りくるような光景に「今まで一番の阿蘇だった」と感激していたようです。

噴煙上がる時こそ阿蘇へ

 朝、サイクリングに参加する皆さんにお会いした時は、「今日走れますか?」と不安だったようですが、噴煙の流れる方向を見ながら説明すると安心したようでした。また、吉田線を上って火口に近づく際、状況が急変した場合は南阿蘇へ下ることも頭の隅に置いて案内しました。

道の駅阿蘇近くから噴煙の流れ

 火口に簡単に近づくことできる活火山は世界でも稀なため、様々な国から「VOLCANO」を見に来る人が絶えません。噴火警戒レベルや火口周辺の立入規制、火山ガスと噴煙の流れなどを確認すれば、何万年もの間行われた火山活動によって、1000m規模の地殻のギャップが形作られたカルデラの大地を、自転車で走るという非日常的な価値を体験できます。

 視点を変えて様々な角度から見ると、いつもとは全く違った景色とパラダイムを見ることができるでしょう。わたしは熊本地震以降、そのような阿蘇サイクリングを「阿蘇ジオ・ライド」として紹介しています。噴煙上げる今こそ阿蘇を訪れるには絶好の機会ではないでしょうか。(協力:Papicross)

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