バイクインプレッション2019エアロを纏い飛躍的に進化した“カーボンキラー” キャノンデール「CAAD13」

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 キャノンデール伝統のフルアルミフレームが満を持してモデルチェンジを果たし「CAAD13」(キャドサーティーン)として登場した。先代と同等の剛性と重量ながら、振動吸収性とエアロ性能を飛躍的に向上。アルミバイクながらカーボンキラーと称される実力を試した。

キャノンデール「CAAD13」 Photo: Masami SATOU

伝統モデルを大胆に変革

 CAADシリーズは高品質なフルアルミフレームのレーシングバイクとして登場。世の流れが軽く、剛性のコントロールに優れたカーボン素材へと移ろう中、旧来の素材を使いながらトッププロのレースでも活躍した。かつて、ダミアーノ・クネゴ(イタリア)がCAAD8を駆りジロ・デ・イタリアに出場。マリアローザを獲得する活躍を収めた。筆者もその硬派なストーリーに憧れ、最初に購入したロードバイクはCAAD8だった。アメリカ国旗とHand made in USAが誇らしげに描かれていたのを今でも覚えている。

リア三角は小さく構え、フロントフォーク肩と同じ高さにすることで空力を改善 Photo: Masami SATOU

 砂時計型のシートステーや、極限まで肉薄にしたパイプを採用することで乗り心地と軽量性、剛性を高めてきたCAADシリーズ。共通してホリゾンタルに近い形状で進化を重ねてきたが、今回ガラリとイメージを変えた。上位のカーボンロード「スーパーシックスエヴォ」を踏襲したエアロデザインを各所に採用し、アルミエアロロードへと昇華したのだ。

 フォークのブレード、ダウンチューブ、シートチューブなど、風を受けて空気の流れを乱す個所には翼断面の後部をカットした形状を取り入れて最適化を図った。余計な部分を取り除くことで重量増を防いだという。目を引く小さめのリア三角は、フロントフォークの肩と高さを合わせることで整流効果を発揮する。また、突き上げの振動をシートステーからシートチューブ中ほどへと伝えることでしなりへと変換。剛性を失うことなく、振動吸収性を高めることに成功している。

振動吸収性に優れた「ホログラムSAVEハンドルバー」は角度の調整も可能 Photo: Masami SATOU
随所に翼断面の後部をカットした最適な形状を採用 Photo: Masami SATOU

振動吸収性の高さが目立つ

 今回試したバイクは、完成車ラインナップ中ハイエンドなモデル。スラムの「フォース eTap AXS」で組まれ、前後にはディスクブレーキを備えている。乗り始めてまず感じたことは異様にコンフォート性能が高いことだ。アルミフレームバイクだと忘れるくらい振動吸収性に優れている。ざらついた路面から、凸凹とした亀裂がある道路まで非常にスムーズな走りができた。SAVEハンドルやシートポストが効いているのだろう。パワーを路面にしっかりと伝達できるので、パワーをかけながら体力温存が期待できる。

大きく変化したデザインとは裏腹に、確実な進化と熟成を重ねた落ち着いた走りが魅力 Photo: Masami SATOU

 金属フレームならではのダイレクトな剛性は維持しているものの、スパルタンな印象は希薄だ。むしろ、ゆったりとしたライドにも対応する大らかな性格が目立つ。ダンシング時にもスパッとしたキレよりも、じわーっと身体の動きにリンクするような動きをみせた。しかし、打てば走るとはこのことで、レースレベルのパワーをかけると応えるように機敏に走る。スルーアクスルの効果も抜群で、ハイスピードな下りでも抜群のハンドリングと安定性を発揮した。

 アルミならではの直感的な走りと、「アルミなのに!」と驚きを持たせるスペックを持つバイクはキャノンデールだからこそできる技だろう。エアロ化に舵を切り、大きな変革を遂げたことで戦闘力を上げつつ、アルミのデメリットとなる振動吸収性を飛躍的に向上させたことで、レース以外での用途にもマッチすることとなった。カーボンキラーは不変であるとともに、唯一無二の存在であること示した一台であった。

松尾修作松尾修作

サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。

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