ツアー・オブ・カタール 2013最強スプリンター、カヴェンディッシュが破竹の4連勝でカタールを制する

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 今年で12回目となる「ツアー・オブ・カタール」が、ペルシア湾に面する中東の産油国カタールを舞台に、2月3日から8日まで全6ステージで開催された。UCIアジアツアー2.HC(超級)にカテゴライズされたこのレースには、毎年多くのトッププロが参加する。

 コースはほぼ平坦で、スプリンターが活躍するレースだ。幅広の吹きさらしの道が多く、風との戦いが重要なポイントとなる。今年も出場18チームのうち、UCIプロチームが12チームを占め、ハイレベルなスピードバトルが繰り広げられた。

第1ステージ、砂漠の中を通るコース。激しい風に砂も舞い上がる第1ステージ、砂漠の中を通るコース。激しい風に砂も舞い上がる
第1ステージ、ラクダ横断注意第1ステージ、ラクダ横断注意

序盤の主役はBMC・ブックウォルター

 第1ステージを制したのは、ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシングチーム)。レースは激しい横風が吹き荒れる中、50人ほどに絞られた先頭集団から、残り10キロ余りで3人が飛び出し、ゴールまで僅差で逃げ切ることに成功した。グレゴリー・ラスト(スイス、レディオシャック・レオパード・トレック)、マルティン・エルミガー(スイス、IAMサイクリング)とのスプリント争いを制したブックウォルターが、まず最初に総合トップの証である黄金のジャージに袖を通した。

第1ステージ、迫り来る集団からギリギリ逃げ切っての3人のゴール争い。ブックウォルターが制する第1ステージ、迫り来る集団からギリギリ逃げ切っての3人のゴール争い。ブックウォルターが制する
嬉しい勝利に雄叫びを上げるブックウォルター嬉しい勝利に雄叫びを上げるブックウォルター
第2ステージのチームタイムトライアルでも、BMCレーシングチームがトップを堅守した第2ステージのチームタイムトライアルでも、BMCレーシングチームがトップを堅守した。中央のゴールドジャージが総合首位のブックウォルター

 第2ステージは14kmのチームタイムトライアル。昨年ツール・ド・フランスで圧倒的なチーム力を見せたスカイプロサイクリングが、変わらぬ力を見せつけて暫定トップに立ったが、これを総合首位のブックウォルターを擁するBMCレーシングチームが上回ってみせた。後半追い上げる走りでスカイを5秒上回ってステージ優勝。ブックウォルターの総合首位と、テイラー・フィニー(アメリカ)の新人賞の両方を守った。

ミサイル=カヴェンディッシュ、破竹の4連勝

 しかし中盤以降、主役の座に立ったのは、当代随一のスプリンター、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ)だ。まず第3ステージ、大集団でのゴール争いを、後方からの電光石火のスプリントで制し、ボーナスタイムを得て首位と8秒差の総合4位に浮上した。

大集団スプリントとなった第3ステージ、ついにカヴェンディッシュに火がついた大集団スプリントとなった第3ステージ、ついにカヴェンディッシュに火がついた
第4ステージも獲って2連勝。ポイント賞ジャージから、総合首位のジャージに着替えた第4ステージも獲って2連勝。ポイント賞ジャージから、総合首位のジャージに着替えた

 続く第4ステージ、途中で逃げ集団はできるものの終盤に捕まり、再び大集団でのゴールスプリント争い。これもまたカヴェンディッシュが制した。ゴール直前の微妙なお見合いに乗じて一気にポジションを上げると、先頭から加速して他を寄せ付けなかった。この日も10秒のボーナスタイムを得たカヴェンディッシュが、ついにブックウォルターを逆転し、総合首位に躍り出た。

 第5ステージもカヴェンディッシュの勢いは止まらない。第3、第4ステージでは最終局面でチームの助けを得ず、自らの絶妙な位置取りとダッシュ力で勝利をもぎ取っていたが、この日はオメガファルマ・クイックステップのトレインがスプリント直前までカヴェンディッシュを“護送”。完璧なお膳立てから先頭に解き放たれた最強スプリンターが、そのままゴールラインを駆け抜けて3連勝を飾った。

オメガファルマ・クイックステップのチームメイトに守られながら進む第5ステージのカヴェンディッシュオメガファルマ・クイックステップのチームメイトに守られながら進む第5ステージのカヴェンディッシュ
第5ステージは、満を持してのスプリント。誰も寄せ付けない第5ステージは、満を持してのスプリント。誰も寄せ付けない
第6ステージ、ドーハの個性的な高層ビル群をバックに進む第6ステージ、ドーハの個性的な高層ビル群をバックに進む
第6ステージ、幅広のコースに、いくつものラインが形成される第6ステージ、幅広のコースに、いくつものラインが形成される

 最終の第6ステージは、首都ドーハがゴール地点。残り1kmで30番手付近の後方に沈んでいるように見えたカヴェンディッシュだったが、最後横一線でのスプリント合戦になる瞬間を見計らったように、猛烈な勢いで先頭に飛び出して優勝をもぎ取った。破竹のステージ4連勝で、もちろん総合優勝も手に入れた。昨年のスカイから、今季はチームを移籍したが、「最強スプリンター」の座は揺らぎなさそうだ。

最終ステージも優勝し、破竹の4連勝を飾ったカヴェンディッシュ最終ステージも優勝し、破竹の4連勝を飾ったカヴェンディッシュ

 総合ポイント賞は同じくカヴェンディッシュ、新人賞はフィニー、チーム総合はBMCレーシングチームがそれぞれ獲得した。

日本チームは西谷の91位が最高

第2ステージのチームタイムトライアルで先頭を牽引する別府史之。この日のオリカ・グリーンエッジはステージ8位だった第2ステージのチームタイムトライアルで先頭を牽引する別府史之。この日のオリカ・グリーンエッジはステージ8位だった

 日本の別府史之は、オリカ・グリーンエッジの一員として出場し、総合76位で完走した。第2ステージのチームタイムトライアルでは最後までローテーションに残り、その他のステージでもアシストとしての仕事をこなしながらのこの成績は、まずまずの結果と言えるだろう。

 一方、日本ナショナルチームは、内間康平(NIPPO・デローザ)が第5ステージで逃げに乗るなどしたものの、全体では西谷泰治(愛三工業レーシングチーム)の総合91位が最高位。出場7人中2人が途中リタイアに終わり、チーム総合成績でも最下位に終わった。本場ヨーロッパのトッププロがひしめく大会ではあるが、厳しい現実を突きつけられた結果となった。チームは引き続き2月11日からのツアー・オブ・オマーンに出場する。

内間康平が逃げグループに入った第5ステージ内間康平が逃げグループに入った第5ステージ
第2ステージ、盛一大が牽引する日本ナショナルチーム。しかしトップから1分48秒遅れのステージ最下位に終わる第2ステージ、チームTTで盛一大が牽引する日本ナショナルチーム。しかしトップから1分48秒遅れのステージ最下位に終わる

(文 米山一輝/写真 砂田弓弦)

個人総合成績
1位 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、オメガファルマ・クイックステップ) 15:55’20”
2位 ブレント・ブックウォルター(アメリカ、BMCレーシングチーム) +25″
3位 テイラー・フィニー(アメリカ、BMCレーシングチーム) +26″
76位 別府史之(日本、オリカ・グリーンエッジ) +17’13”
91位 西谷泰治(日本ナショナルチーム=愛三工業レーシングチーム) +18’25”
92位 盛一大(日本ナショナルチーム=愛三工業レーシングチーム) +18’25”
96位 鈴木譲(日本ナショナルチーム=シマノレーシング) +18’40”
106位 畑中勇介(日本ナショナルチーム=シマノレーシング) +19’24”
122位 内間康平(日本ナショナルチーム=チームNIPPO) +21’14”
– 佐野淳哉(日本ナショナルチーム=VINI FANTINI) DNF
– 清水都貴(日本ナショナルチーム=ブリヂストンアンカーサイクリングチーム) DNF

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