ツール・ド・フランスのような自転車旅を体験して 青木陽子さんが南仏・ニースにサイクリスト向け「ホリデーアパート」をオープン

by 後藤恭子 / Kyoko GOTO
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 今年も白熱したツール・ド・フランス。レースを見ながら、あんな絶景の中を自分も自転車で走ってみたいと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか? そんな自転車旅を「日本のサイクリストにも体験してほしい」との思いから、以前当サイトでロンドンの自転車事情を連載していたジャーナリスト・青木陽子さんが、南仏・ニースにサイクリストのための“貸し切りアパート”「Villa Zola」(ヴィラ・ゾラ)をオープンしました。ニース・コート・ダジュール空港からクルマで約30分ほど、中世の町並みが残る美しい村に佇むお宿を取材してきました。

プレアルプス山地のダイナミックな景色や渓流など大自然を満喫できるロケーションに建つ「ヴィラ・ゾラ」。ライド後に飛び込めるプールも Photo: Yoko AOKI

サイクリスト垂涎の名所が至近に

 フランスのプロヴァンス地方、コート・ダジュール地域圏に位置する同エリアは、パリ近郊から地中海のリゾート都市ニースをめざす自転車ロードレースの「パリ~ニース」でのコースや、フランスのアイアンマンの自転車コースにもなるヒルクライムの名所としても知られる。さらに来年のツール・ド・フランスのグラン・デパール(開幕地)として決定しており、自転車好きの間では憧れの旅行目的地にもなっている。

コート・ダジュールの碧い海 Photo: Yoko AOKI

 ニースからモナコにかけては有名プロも多く住んでいるため、練習中の彼らと峠ですれ違うことも珍しくないとか。

村の中を「パリ~ニース」のプロトンが通過したときに撮影したもの Photo: Yoko AOKI

 ヴィラ・ゾラも、有名なヴァンス峠やロマン・バルデ選手(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)が「KOM」を持つゴルドン・セグメントのすぐそばの、見晴らしの良い斜面に位置している。アパートは最大6人まで宿泊でき、大きな専用キッチン、バスルームも2つあり、仲間を募ってグループで宿泊すればプロ気分で強化合宿も楽しめそうな環境だ。

大きな専用キッチンのあるダイニングルーム。食材を購入し、自分たちで食事を作ることができる Photo: Yoko AOKI
一部屋2ベッドで、計3部屋。最大6人で宿泊可能 Photo: Yoko AOKI
自転車の保管庫に、もちろん自転車ツールも一式完備 Photo: Yoko AOKI

 アパート内には自転車の保管庫(無料)、フロアポンプはもちろんメンテナンススタンドやトルクレンチ、ホイールの振れ取り台など自転車ツールが一式揃ったワークスペースもある。サイクリストに不慣れなホテルなどでは自転車を部屋に持ち込むのに嫌な顔をされることがしばしばあるので、これはとても心強い設備だ。

 また、「言葉に自信がない、自転車を持っての海外旅行はハードルが高いと感じる人でも安心して旅を満喫できるように、空港でのピックアップから、有名峠や観光名所を見られるライドのプランニングやガイドなどを盛り込んだパッケージステイも企画しています」という青木さん。すでに日本の女性サイクリストグループの宿としても使われたそうで、秋にもいくつか日本からのサイクリストのためのパッケージステイが予定されているという。

日本から訪れた女性サイクリストグループと Photo: Emiko Hishida

 希望があればコースの案内も行なっており、参加者の希望次第では、ニースやカンヌ、モナコなどを走る“まったり観光ライド”を紹介したり、はたまたマドン峠、エズ峠、チュリニ峠などの名だたる峠攻めも紹介可能。さらには、かなりキツいコースになるが、ツール最高標高地点であるボネット峠にも挑戦できるのだそう。

このあたりには「鷲ノ巣村」と呼ばれる中世からの村がいくつも残っており、自転車で訪ねて回るのも楽しい Photo: Yoko AOKI
ツール・ド・フランスのコースにも採用されたチュリニ峠を走る Photo: Yoko AOKI
マドン峠へも容易にアクセス Photo: Yoko AOKI

「ヨーロッパ自転車旅の拠点に」

 また、ヴィラ・ゾラではレンタルバイクの手配も可能だ。費用の目安は為替レートにもよるが、例としてカーボンフレームにアルテグラのコンポのバイクが5日で3万3000円程度。地元レンタルショップとの交渉もお願いできる。自身のバイクを持ち込む場合でも、自転車手荷物の預け入れに別途料金がかからない航空会社の選び方や、ケースの選び方などのさまざまなノウハウについても、「飛行機輪行ベテラン」を自称する青木さんがアドバイス、サポートしてくれる。

庭を使って広々と輪行を解く宿泊客 Photo: Yoko AOKI

 フランスやスペインを中心とするヨーロッパは自転車で走りやすく、日本では見られない雄大な山岳の景色や歴史ある街並み、そして数々の歴戦の舞台となった名所を走る高揚感は一度走ったらやみつきになる魅力を持っている。とくに南仏は食事が美味しい上に気候も良く、自転車ファンにとってはいわば「自転車旅の天国」ともいえる。

青木陽子さん(右)と、かつて全英チャンプという経歴を持つパートナーのドミニクさん Photo: Yoko AOKI

 ヴィラ・ゾラの滞在期間は最短3日~としているが、「日本人は直接問い合わせてくれれば3泊未満でも受け付けています」(青木さん)とのこと。利用料金は季節によって異なるが、1泊およそ2〜3万円程度。6人で割るとハイシーズンを迎える夏のニースでも1人5000円程度で宿泊できる。「6人1グループの自転車旅で、ヴィラ・ゾラをヨーロッパ旅の拠点として活用してほしい」という青木さん。ぜひ仲間と自転車旅を計画して訪れてみてはいかがだろう。

 なお、ヴィラ・ゾラに関する問い合わせはinfo@villazola.ccまで。

青木陽子青木陽子(あおき・ようこ)

フリー編集者・ジャーナリスト。自動車専門誌「NAVI」、女性ファッション誌などを経て独立起業、日本の女性サイトの草分けである「cafeglobe.com」を創設し、編集長をつとめた。拠点とするロンドンで、「運転好きだけれど気候変動が心配」という動機から1999年に自転車通勤以来のスポーツ自転車をスタート。現在11台の自転車を所有する。ブログ「yokoaoki.com」を更新中。

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