エアロ化がトピックにCAAD13とスーパーシックスエヴォが目玉 キャノンデール2020年モデル新製品展示会

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 キャノンデールが7月15日、2020年モデルを一堂に集めた新製品発表会を開催した。今季は「スーパーシックスエヴォ」や、アルミシリーズの新作「CAAD13」、グラベルロードバイクの「トップストーンカーボン」といった話題作が登場。各モデルのディティールや、スーパーシックスエヴォのインプレッションをお届けする。

最新機種が一堂に集まったキャノンデール2020年新製品展示会 Photo: Shusaku MATSUO

新ロゴでデザイン一新

 キャノンデールは昨年の秋、ブランドロゴの刷新を発表した。シンプルなものとなり、それに準じて2020年モデルラインナップのデザインコンセプトも一変。カラフルでソリッドなカラーだった前年モデルと比べ、パステルに近い淡いカラーが増えた。ダウンチューブに大きくあしらわれていたロゴも、トップチューブに小さく用いられる程度に抑えられている。

 同ブランドのマーケティング担当、山本和弘さんは新コンセプトの狙いについて「車の場合、フロントグリルなどにロゴやメーカー名があしらわれていることはありますが、ドア横や目立つ場所にはあまり見かけません。製品としての本質を見ていただきたい願いがあります。シンプルになったことで幅広いユーザーにもリーチできると考えています」と話す。前年モデルからガラリと変えたデザインとともに、ロードバイクのメイン機種も性能を飛躍的に向上させてのデビューとなった。

エアロ化を果たした「シーパーシックスエヴォ」 Photo: Shusaku MATSUO

 軽量性と剛性を巧みに両立させていたスーパーシックスエヴォ。世界最軽量モデルを目指した初代モデルから時は流れ、3代目となる今作は完璧なバランスの中にエアロを取り入れての登場となった。フレーム形状は風洞実験専門の会社であるウィンドトンネル社の研究施設を用いて設計。流線形で涙型の後部をカットした最適な形状を導き出し、ヘッドチューブやダウンチューブ、シートステーといった各部に採用した。

ワイヤー類はハンドル、ステム、ヘッドチューブを通して内臓化 Photo: Shusaku MATSUO

 また、新型のSAVEハンドルは単体で約9Wの出力を削減するという。ワイヤー類はハンドルからステム、ヘッドチューブ内を通る完全な内蔵ルーティングとなり、空気抵抗を徹底して低減させる設計に。フロントフォークの肩の位置に合わせた高さのシートステーもエアロ効果を高めている。結果的に時速48kmで走行した際、30Wの出力を軽減させることに成功した。前作から剛性面、軽量性を犠牲にすることなくエアロ化を果たした結果となった。

 同時にコンフォート性能が大幅にアップした。シートステーがシートチューブの中ほどに接続され、路面からの衝撃でシートステーがシートチューブを押す格好に。押されたシートチューブは適度にしなることで、走行性能をそのままに振動吸収性能向上を向上させた。ディスクブレーキモデルに装着可能な最大タイヤ幅は30C(リムブレーキは28C)までで、エアボリュームを稼げるタイヤを選択できるようになったことも性能アップに寄与している。

小型のリアトライアングルが振動吸収性を高める Photo: Shusaku MATSUO

 新型のスーパーシックスエヴォを試したのは富士山の麓。緩急ある上りに加えて、直線的な下りにもチャレンジできるテストにうってつけのコースだ。試乗したバイクはデュラエースDi2が搭載されたハイエンドモデル。もちろん素材はHi-Modだ。乗り始めてペダルに足を乗せた瞬間から軽快に感じたし、上りに差し掛かるとさらにその特徴は強まった。全力のダンシングをすると、左右の足が次へ、次へとどんどん運ばれていく。さすがに疲れて腰を下ろしても、すぐに踏み直せてしまう瞬発力もある。剛性は高いが、質量的な硬さが少なく脚に疲労が溜まりづらいことも影響しているのだろう。

前作と変わらない登坂性能にエアロ化がプラスされ、更なる万能機となった Photo: Kazuhiro YAMAMOTO

 上りが終われば次は下りだ。緩斜面の下りに差し掛かると、詰まることなく速度が上がる。普段であれば肩に力が入る速度帯に入っても安定していたのはディスクブレーキの制動力と優れた剛性のスルーアクスルが効いているからだろうか。エアロ化で空気の壁の影響を最低限に、あっという間に下りを終えた。

 丸形のチューブを多く採用し、決して純エアロバイクではなかった前作だったが、一方の新作では、伝統的な形状の殻を破り、効率的でエアロ効果を追求した形状となった。しかし、スーパーシックスエヴォが持つ優れたバランスは崩れることなく、プラスオンでのエアロ化であったことを試乗を通して実感した。

上位モデルのコンセプトを受け継ぐ

 キャノンデール伝統のCAADシリーズも大幅な進化を果たしての登場となった。新モデルのCAAD13も上位モデルのスーパーシックスエヴォと同様に、エアロ効果を高めるチューブ形状を採用。基本的なコンセプトを共通のものとし、ジオメトリーもリーチとスタックのわずかな違いに留められた。

伝統のフルアルミフレームモデル「CAAD13」 Photo: Shusaku MATSUO

 金属フレームのデメリットとして、乗り心地が良くないことが一般的に挙げられるが、CAAD13は素材や設計、パーツアッセンブルを駆使して解消している。フレーム材料は乗り心地を考慮した結果、硬い材質の7000番台ではなく、6069番台のアルミ素材を採用。スーパーシックスエヴォと同様にシートステーがシートチューブを押すことで、縦方向の振動をいなしている。シートクランプはトップチューブ下に内蔵させたことで快適性の向上にも繋がっているという。

シートクランプはトップチューブ下に内蔵 Photo: Shusaku MATSUO
上位モデルを踏襲したエアロフレームと振動吸収性の高い設計が用いられている Photo: Shusaku MATSUO

 スパルタンな用途にも合うが、コンフォート性能をアップさせたCAAD13はさらに幅広いユーザーに支持される存在となってのデビューとなった。以前よりも淡い色合いのカラーラインナップが増えたが、よりコストをかけたという塗装の質は高く、シンプルなデザインにマッチして飽きを感じさせない。リムブレーキモデルでシマノ105を採用したモデルが税抜18万円と手が届きやすく、ロードバイクが初めてのユーザーにも最適だ。ベースとなるフレームはハイスペックなので、末永い付き合いができる1台だろう。

リアにサスペンション機構を搭載

 「下りのグラベルロードをかっ飛ばすために作られた」というユニークなコンセプトを持つトップストーン。最大の特徴はシートステーとシートチューブを繋ぐ位置に設けられた「キングピンサスペンション」だ。加速時のトラクションと衝撃に対するコンフォート性能を目的とした可動部品で、フレームのしなりを利用して最大30mmも動く。可動部にはベアリングも挿入されており、スムーズな動きをみせる。サイズごとに異なる大きさのリアトライアングルに際し、キングピンの位置を変更し、小さいサイズでも硬くならない乗り味に調整されている。

高速グラベルライドに最適な「トップストーンカーボン」 Photo: Shusaku MATSUO

 また、グラベルロードには珍しく極端に短いチェーンステー設計になっていることもポイントだ。通常、太いタイヤを履かせるグラベルロードは、クリアランスを稼ぐためにチェーンステーを長めに設計することが多い。しかし、キャノンデールはクランクをはじめとするドライブ周りを6mm外に張り出してクリアランスを確保。スプロケットも外側へ移動したことにより、リアホイールのスポークが同じ長さとなったことでトラクションのアップにも成功した。タイヤも37Cという太いタイヤが標準で装備されている。フレームだけでなく、クランクやホイールを開発するキャノンデールならではの技術だ。

シートチューブとシートステーに設けられたキングピンサスペンション Photo: Shusaku MATSUO

 フェンダーやキャリアの装着が可能となるマウントもフロントフォークに、リアは付属の別パーツを用いることで拡張性を確保。ハンドルは末広がりのフレアタイプで、ハンドル周りにバッグをつけても変速できるパーツアッセンブルとなっている。トップストーンカーボンにはグラベルロードバイク用コンポーネントのシマノ「アルテグラRX」が採用されたモデルもラインナップされている。

会場には最新モデルの試乗車が用意 Photo: Shusaku MATSUO
各モデルの特徴をライドを通して説明するキャノンデールジャパンの山本和弘さん Photo: Shusaku MATSUO

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