ツール・ド・フランス2019 コースプレビュー<第2週>ピレネー山脈で過ごす大会中盤戦 個人TTとトゥールマレー登坂で総合争いの形成見えるか

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 大会序盤から数々のドラマが生まれている今年のツール・ド・フランス。ベルギーの首都・ブリュッセルを出発したプロトンは、フランスへと入国し北部から東部へ、そして中央山塊までやってきた。続く第2週はピレネー山脈へ。数々の難所がプロトンを待ち受け、選手たちは果敢に挑む。各ステージの特徴と勝負のポイントを見ていこう。

ツール・ド・フランス2019第1週はベルギーを出発し、ヴォージュ山脈、中央山塊と巡った。第2週はいよいよピレネー山脈へと入っていく(写真は第8ステージ) Photo: Yuzuru SUNADA

●7月17日 第11ステージ アルビ~トゥールーズ 167km 平坦

ツール・ド・フランス2019 第11ステージプロフィール ©︎A.S.O.

 休息日をアルビで過ごしたプロトンは、いよいよピレネー山脈へと針路をとることになる。第2週の初日は、おおよそ南西へと進んでいく平坦ステージ。前半に丘陵地帯へ寄り道をするが、スプリンターを振り落とすような難しい上りではなく、スプリンターチームを中心にレースが構築されていくと見られる。休みが明けて手始めに迎える1日は、総合系ライダーにとってバッドデイや大崩れは避けられることだろう。

●7月18日 第12ステージ トゥールーズ~バニェール=ド=ビゴール 209.5km 山岳

ツール・ド・フランス2019 第12ステージプロフィール ©︎A.S.O.

 第2週で3回やってくる上級山岳ステージのうちの1つ目。130.5km地点に設けられる中間スプリントポイントまではおおむね平坦だが、これを過ぎるといよいよピレネーの山々へと突入していく。ツールではおなじみの1級山岳ペイスルード(登坂距離13.2km、平均勾配7%)を越え、約20kmのダウンヒルを経て迎える1級山岳ラ・ウルケット・ダンシザン(登坂距離9.9km、平均勾配7.5%)がこのステージのカギに。頂上にはボーナスポイントが設けられ、1位通過から順に8秒、5秒、2秒のボーナスタイムが付与される。総合系ライダーがこのポイントをめがけて動きを見せるようだと、その後に控えるフィニッシュまでの20.5kmのダウンヒルも利用してライバルからの逃げ切りを図る可能性がある。頂上フィニッシュではないため、タイムを失わないことが大前提のステージだが、見立てに反して攻撃的なレースとなるかもしれない。

●7月19日 第13ステージ ポー~ポー 27.2km個人タイムトライアル

ツール・ド・フランス2019 第13ステージプロフィール ©︎A.S.O.

 今大会唯一の個人タイムトライアルステージ。ステージレースにおいて個人タイムトライアルは総合成績を狙ううえで勝負を分けるポイントになるが、今回はどうか。総合系ライダーの中でも、このステージを機に上位浮上をもくろむ選手、その後の山岳を見据えてタイムを大きく失わないことを重視する選手、失ったタイムを取り戻すことを狙う選手、目的はさまざまになりそうだ。いずれにしても、このステージで総合争いの大勢が決することはないだろう。コースはポーの市街地を抜けて南進。その後折り返すようにしてポーへと戻ってくる。前半から中盤にかけてアップダウンがあるが、後半は平坦基調。そして、残り1kmを切って17%の急坂をこなしてフィニッシュへ。ペース配分が大きな要素を締めることになるだろう。

●7月20日 第14ステージ タルブ~トゥールマレー・バレージュ 117.5km 山岳

ツール・ド・フランス2019 第14ステージプロフィール ©︎A.S.O.

 近年は上級山岳ステージにおいてレース距離を短めに設定するのがトレンドとなりつつあるが、今年のツールでもレース展開の活性化を狙って短めながら難易度の高いステージが用意された。まず、レース中盤で上る1級山岳コル・ドゥ・スロール(登坂距離11.9km、平均勾配7.8%)が第1関門。ここで集団が自然と絞り込まれていき、その後のダウンヒルを終える頃には精鋭のみが残っていることだろう。そして、ピレネー山脈を代表する山岳、トゥールマレー峠で本格勝負。登坂距離19km、平均勾配7.4%の上りは、フィニッシュ前3kmから10%前後の起伏となり、総合系ライダーたちがさまざま攻撃を繰り出すはずだ。前日の個人タイムトライアルを受けて、マイヨジョーヌ候補たちが戦術を練りに練ってくるに違いない。レース距離は117.5km、全体的にハイスピードとなるか。チームによっては、アシストを前方に送り出して終盤のエース合流で勝負をかける「前待ち」を仕掛けてくることも考えられる。

●7月21日 第15ステージ リムー~フォア プラット・ダルビ 185km 山岳

ツール・ド・フランス2019 第15ステージプロフィール ©︎A.S.O.

 ピレネーステージの最終日は、1級から2級の山岳が4カ所登場。レース前半に2級コル・ド・モンセギュール(登坂距離6.8km、平均勾配6%)を越え、中間スプリントポイントを通過すると、その後は1級山岳が立て続けに3つ立ちはだかる。ポール・ド・レール(登坂距離11.4km、平均勾配7%)から集団が本格的に絞り込まれ、続くミュール・ド・ペゲール(登坂距離9.3km、平均勾配7.9%)にボーナスポイントが用意される。頂上手前約3kmから10%を超える急勾配となり、最大では18%の区間も。頂上にフィニッシュラインが敷かれるフォア プラット・ダルビは、登坂距離11.8km、平均勾配6.9%。フィニッシュに近づくにつれて勾配が緩くなっていき、最後は3%に。急坂を利用した攻撃ができない分、ライバルとの駆け引きをいかにモノにできるかとなってきそう。レース展開次第では、ミュール・ド・ペゲールでボーナスタイム獲得を狙った動きから、総合系ライダーたちの争いが活性化することもあり得る。

 このステージを終えると、大会は2回目の休息日を迎える。第3週は運命のアルプス決戦。フランス南東部のニームへ移動して、アルプスの山々に心身を備えていく。

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