ギリシャとチェコを転戦MTB・フカヤレーシング 欧州レースでオリンピックにつながるポイントと経験値を獲得【動画あり】

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 「FUKAYA RACING」(フカヤレーシング)の竹内遼と松本佑太の両選手が、6月16日にチェコで開催されたマウンテンバイクレース「STRABAG CZECH MTB CUP」と、6月20日から4日間にわたってギリシャで開催された「Bike Odyssey South」に出場しました。チームとして2度目となるヨーロッパ遠征。ワールドカップ出場に必要なUCIポイントの獲得を狙っての出場ですが、一方で選手としても高い経験値を獲得。目標とするオリンピックの出場に向け、着々と準備を重ねている様子を、同チームの選手兼マネージャーの松本佑太のリポートで紹介します。

メカトラブルに見舞われても集中力を切らさずに、チェコでのレースを走りきった竹内遼(画像手前) Photo: Yuta MATSUMOTO

◇         ◇

 ギリシャで2週間滞在する予定を急遽変更し、1週間チェコ共和国でのレース、次の1週間をギリシャでのレースに参加することに決めた。出発2週間前にも関わらず、当チームのパートナーであるH.I.Sのおかげで急きょ航空券等を手配することができた。

 チェコはオリンピック金メダリストを輩出するようなMTB強豪国であり、毎年ワールドカップが開催されている。そのため、国内のライダーのレベルも高い。今後のワールドカップ挑戦に向けて強豪との手合わせをしておこうと、「STRABAG CZECH MTB CUP」の参加を決めた。

 また、この大会には我々が目標とする山本幸平選手(ドリームシーカーMTBレーシングチーム)も参加。ヨーロッパのレース事情など、様々なことを情報共有してもらった。海外の地で同じ国の選手と共に時間を過ごすのはとても不思議な感覚を覚える。この舞台でスタートを切るまでにすでに多くの壁を越えてきた者同士、皆が挑戦的で、野心的なオーラを放っていた。

メカトラでもベストを尽くした竹内

 チームとしてエースの竹内遼が最高の結果を残せるよう、今回はマネージャーの松本がピットに入る形で臨んだ。

竹内は2列目でのスタート Photo: Yuta MATSUMOTO

 竹内は2列目でのスタート。これまでに獲得してきたポイントのおかげで、かなり良い位置につけた。最初のスタートラップはスタート位置をキープ。この先頭集団には、この日優勝するオンドレク・チンク選手やオリンピック金メダリストのヤロスラフ・クルハヴィー選手も含まれていた。

スタート直後の集団 Photo: Yuta MATSUMOTO

 しかし、スタートループ終了後のテクニカルなセクションで、竹内はリアディレイラーを岩にヒットさせてしまい、変速がうまくできない状態となった。一旦ペースを落とす形になったが、その状態でベストを尽くすことに集中しようと気持ちを切り替え、ペースを立て直した。その後もディレイラーの不調を抱えながら走り続け、結果は37位となった。

 順位だけを見れば残念な結果に思えるかもしれないが、このレースで竹内は多くのものを得ることができた。竹内は「苦手意識のあったスタートはうまく決めることができたものの、メカトラブルを引き起こしてしまった。これも含め、いまの自分の実力」と冷静に受け止めている。体力的な成長も見られるが、何よりトップ選手たちの放つオーラに押し潰されなくなった精神面での変化が際立った。

テクニカルなセクションをこなす竹内 Photo: Yuta MATSUMOTO

 また、突発的に起きたメカトラブルにメンタルをやられずに走りきれたことも、竹内にとっては大きな成長といえる。多くの選手は、何らかの理由で自分の理想とする走りができなくなると集中力を切らしてしまい、リタイアを選択する選手も少なくない。だが、海外で常に理想の準備、理想の走りを求めることは不可能に近い。自分が置かれた状況を受け止め、その中でベストを尽くす走りをし、結果を出していかなければならない。今回、竹内はそれをやりきることができたように思う。

3位キープでUCIポイント獲得

 次の舞台はギリシャ。「Bike Odyssey South」はペアで走るステージレースで、コースは4日間で総距離は218km、獲得標高7042mというレイアウトだ。

現地の人とのコミュニケーション。リラックスした雰囲気の竹内遼 ©Bike Odyssey

 参加チームは全体で40チームほどで、その中でUCIエリートのクラスはギリシャのナショナルチーム2チームと我々の計3チームのみの参加となった。スタートリストではもっとチームがいたが、どうやら直前でキャンセルが出たようだ。

 1日目は短いタイムトライアル。コースのほとんどが上り坂のヒルクライムレースであった。町の広場でゴール。小さな町であるが、町の人が皆明るく迎え入れてくれた。レースは3位で終えた。

 2日目は92km/2800m。今レースのクイーンステージとなる。レース序盤は先頭パックで展開し、コース最初の大きな山の中腹で松本がドロップ。ここで竹内も松本のペースに合わせることになった。

レース序盤森林の中の橋を渡る ©Bike Odyssey

 最初の山を越え、長い下り坂と細かいアップダウンを繰り返し、この日最後の山に突入。15kmで800mを駆け上がる。上っていくと少し寒いほどに気温も下がってくる。ここで松本が脚を攣り、大幅にペースダウン。最後の10kmの下り坂を下り、3位でゴールした。

延々と続くダート道につい下を向く(画像中央が松本) ©Bike Odyssey
目印を頼りにシングルトラックに入る竹内 ©Bike Odyssey

 3日目は85km/1467mと2つの山岳を超え、その後はなだらかな下り基調が続くレイアウト。スタートから1つ目の山岳を先頭パックで通過し、2つ目の山岳でドロップ。この日の下り坂はほとんどがトレイル(一本道)となっており、非常にテクニカルだった。

先頭パックで最初のシングルトラックへ ©Bike Odyssey

 パンクに気を付けながらトレイル区間を終えると、標高が下がったために今度は灼熱が襲ってきた。日本の湿度の高い暑さとは違い、日差しが肌に刺さるような乾燥した暑さだった。フィードでの水分補給を欠かさずにこの日も3位でレースを終えた。

 4日目は56km/1091mのコース。コース中盤に800m級の山があり、その他は平坦区間が続く。上りまでの区間は先頭集団のペースをコントロールすることになるが、山の終盤でドロップ。その後の下り区間で差を詰め、前との差が1分まで縮まった。

ペースを合わせてレースを進めていく ©Bike Odyssey

 平坦区間を2人でローテーションしている際に伝達ミスで落車。その差が開くものの、プッシュし続け、残り5kmで先頭集団に追いつく。スプリントに向けて備えるが、先ほどの落車の影響でステムのボルトが緩んでいることに気づき、戦線離脱してのゴールとなった。

表彰式の様子 ©Bike Odyssey

 落車があったものの無事にゴールし、目的のUCIポイントを獲得。竹内のランキングも大幅に上がり、ワールドカップへの準備が整いつつある。

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 次戦は7月20、21日に秋田で開催される全日本選手権。新生フカヤレーシングとして日本一を決める戦いに臨みます。2人の挑戦はこれからも続きます。

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