サイコンのスタンダード機が進化【解説動画付き】ガーミン「エッジ530」をレビュー スペック向上でストレスフリーなライド体験を

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 ガーミンのスタンダード機種である500シリーズがモデルチェンジ。GPS付きサイクルコンピューターの「エッジ530」が7月12日から発売を開始した。新型CPUや新機能を搭載し、目覚ましい進化を遂げた最新機種のレビューをお届けします。ガーミン・ジャパンの小林千元さんとCyclist編集部・松尾修作記者との解説動画もお届けします。

ガーミンの新型サイクルコンピューター「エッジ530」をレビュー Photo: Shusaku MATSUO

基本スペックが大幅に向上

 ガーミンの500シリーズは「エッジ500J」、「エッジ510J」、前作の「エッジ520J」に続いてエッジ530が4代目。デバイス本体には物理ボタンが配され、激しい運動中でも確実な操作を実現するため、トレーニング志向のアスリートに支持を受けてきたシリーズだ。シンプルで直感的なユーザーインターフェースと、スプリントやヒルクライムの最中でも操作しやすいハードウェア設計でプロレーサーからの信頼も厚い。

 一方で、GPSを搭載したサイクルコンピューターの先駆けとして一般ユーザーからも人気を博してきた。同ブランドが提供するサービス「ガーミンコネクト」や、トレーニング系SNS「STRAVA」(ストラバ)といったソフト面の普及とともに、デバイスに求められる性能を高い次元で実現したことが背景にある。

物理ボタンを側面に配置 Photo: Shusaku MATSUO

 トレーニングのログや、走行計画の共有をライダー間で行ううえで、正確な情報の記録、接続環境に適応する無線規格の拡充は欠かせない。エッジ500シリーズは各世代、時代に応じた進化を果たし、サイクリストたちのスタンダードとして支持されてきた。エッジ530も全ての機能をパワーアップ、また、さらにサイクリングを充実させる新機能を実装しての登場となった。

 比較し一回り大きくなったデバイス本体は先代と同じく、側面にボタンが計7個配置されている。ボタンの押し込みに力を必要とし、硬い印象があったエッジ520と比べ、エッジ530は軽いタッチで操作が可能で、クリック感も明瞭になった。例えるならゲームのコントローラーに近い操作感だろうか。ボタンの配置と役割は先代と全く一緒なので、エッジ520ユーザーだった筆者は新機種の操作に戸惑いは感じなかった。

ディスプレイの彩度が向上し、ライド中に必要な情報を確実にキャッチ Photo: Shusaku MATSUO
軽いタッチで操作可能。クリック感は明瞭だ Photo: Shusaku MATSUO

 左上のボタンを長押しし電源をオンにするとガーミンユーザーにお馴染みの「ピロリ」という起動音とともに立ち上がり始める。2.6インチと拡大したカラーディスプレイは色鮮やかで、細かい文字であってもライディング中に認識できるほどだ。彩度は49%も向上したという。

 特筆すべきはその動作速度だ。新型のCPUを採用したことで、タイムラグのない操作性を実現した。新機能が追加された分、トレーニングページ下のページを増やしてライドをしていたのだが、各ページ間の移動がボタンタッチの軽さとの相乗効果でストレスなくサクサクと移行できた。

シリーズ初の地図&ナビ機能を実装

 また、500シリーズ初となる地図データが採用されたこともトピックだ。全国の最新地図データ(昭文社)がインストールされており、ナビゲーション機能も実装。ガーコネクトなどで作成したGPX形式のデータをパソコン経由で転送し、地図画面から起動することができる。ナビは進路変更時に残り距離と矢印をビープ音とともに促し、コースから外れた際にも警告。迷わずに目的地へと導いてくれるとともに、地図にはコンビニやカフェといったスポットをアイコンで表示してくれるので、立ち寄りポイントに困ることもない。

 新機能「Climb Pro」(クライムプロ)も恩恵を受けるサイクリストは多いだろう。ナビゲーション機能を実行時、特定の上りや峠、山道に差し掛かると自動で起動。頂上までの平均斜度や距離をリアルタイムで表示するとともに、上りの断面図を斜度ごとに色分けして表示してくれる。

昭文社の地図を備え、ナビゲーション機能を実装
直感的な視覚情報で登坂情報を表示する新機能「クライムプロ」

 仲間とハイペースで山を攻めた際に使用したのだが、クライムプロのおかげで余裕を持って走ることができた。初めて走るコースだったが、予め先の勾配が分かるので、パワーの配分を前もって決めることができるうえ、頂上までの残り距離がリアルタイムで表示されているため、きっちりと100%の力を出し切れた。自分のペースで走るライドイベントはもちろん、他人と競うヒルクライムレースやロードレースにおいてもライバルと差をつける有効な機能だと大いに感じた。

 盗難の防止に効果を発揮するバイクアラーム機能も新たに追加された。アラーム機能をオンにした状態でバイクに振動が加わるとアラーム音が鳴り響き、デバイス上かスマホ上でパスワードを入力しないと解除することができない。アラームがオンになるとスマホにも通知が飛ぶため、コンビニやカフェなどでバイクから離れた際でも異常を知れる。

バイクから目を離した際でも安心なバイクアラーム機能 Photo: Shusaku MATSUO
バイクアラーム機能が作動すると、デバイスのアラームのほか、接続したスマホにも通知 Photo: Shusaku MATSUO

 実際に作動させてみると高音の電子アラームが鳴り響き、広範囲に届く音質と音量であると感じた。もし盗難を試みようとする人間が作動させた場合はその場からすぐにでも離れたくなる音だろう。100%安全とは言い切れないが、大事な愛車を守る一手になるのは確実だ。アラームの設定画面は電源ボタンから簡単に設定できるので手間がかからず、バイクから降りた一連の動作でさっとオンにできる。

 他にも、摂取カロリーや消費カロリーをトレーニング毎に記録し、パフォーマンスを相対的に評価するトラッキング機能が追加された。記録したデータはガーミンコネクト上で確認することができる。自分がどれだけの水分を消費し、補給したのかを数値として把握し体調管理にも役立てるのでビギナーにおすすめの機能だ。蓄積したデータからパフォーマンスを客観的に比較できるので、シリアスアスリートにも効果的だろう。

 また、心拍/パワーセンサーを用いたアクティビティデータをもとに算出したトレーニング負荷のバランスを指標として表示する機能も内蔵している。

ガーミンコネクト上で消費・摂取カロリーと水分を表示することが可能に
ライド中に摂取した水分やカロリーを記録
別売りの拡張バッテリーと併せて最大で40時間の実働が可能に Photo: Shusaku MATSUO

 これだけの機能が追加されながら、バッテリーは最大20時間稼働へと強化された。ナビ機能を使いながらでも100kmほどのライドでバッテリー残量は80%ほどであった。デバイスの裏には端子を備え、別売りに拡張バッテリーにも対応。最大40時間の稼働も可能になった。ナビ機能と併せてのロングライフ化で、ロングライド派のサイクリストにとっても恩恵を受ける進化となった。

 目覚ましい発展を遂げたエッジ530は間違いなくマストバイな商品だ。初めてのサイクルコンピューターとしても選んでもいいだろう。親しみやすいインターフェースと、ストレスの無い操作感が多岐にわたる機能を引き出してくれるはず。もちろん現行のガーミンユーザーにとっても同じことが言える。すでに各センサー類を持っていれば、本体のみの設定もあり、導入コストを抑えられる。ぜひ、実機を手に取って性能の進化を体感してほしい。

■ガーミン「エッジ530」
価格:37,800円(本体のみ)、47,800円(セット)
重量:75.8g
サイズ:50×82×20mm
ディスプレイ:2.6インチカラー
稼働時間:最大20時間
防水:IPX7
接続機能:ANT+、Bluetooth、Wi-Fi
衛星測位:GPS、GLONASS、GALILEO、みちびき(補完信号)
センサー:気圧高度計、環境光センサー、Gセンサー、心拍センサー、パワーセンサー、スピード/ケイデンスセンサ
その他機能:トレーニングプランとワークアウト、VO2Max/トレーニング効果/トレーニングステータス、MTBダイナミクス、Stravaライブセグメント、ClimbPro、ナビゲーション機能(コースナビゲーションのみ)、通知機能※1、天候アラート※1、LiveTrack※1、GroupTrack※1、ライダー間メッセージ※1、事故検出機能※1、ConnectIQデータフィールドカスタマイズ、Varia対応、ANT+インドアトレーナー対応、電動シフト(Shimano Di2/SRAM RED eTap/Campagnolo EPS)対応、パワーカーブ、自動ラップ
※1 Bluetooth対応スマートフォンとの接続が必要

松尾修作松尾修作

サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。

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