ツール・ド・フランス2019 コースプレビュー<第1週>61年ぶりのブリュッセル開幕 ヴォージュ山脈を抜け、中央山塊を目指す大会前半戦

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 世界最大の自転車ロードレース、ツール・ド・フランス2019が7月6日にレーススタートを迎える。グランデパール(開幕地)となるのは、隣国ベルギーの首都・ブリュッセル。1958年以来、61年ぶりにツール全体のスタート地点となる。ここから、3週間・総距離3480.3kmの戦いが始まる。開幕を前に、大会第1週のルートを紹介。各ステージの特徴や勝負のポイントを押さえていこう。

ツール・ド・フランス2019ルートマップ ©︎A.S.O.

●7月6日 第1ステージ ブリュッセル~ブリュッセル 194.5km 平坦

ツール・ド・フランス2019 第1ステージプロフィール ©︎A.S.O.

 ツール・ド・フランス第106回大会は、ベルギー・ブリュッセルからスタート。同国が誇る伝説のレーサー、エディ・メルクスのツール初制覇から50年、マイヨジョーヌが採用されてから100年という節目の大会はまず、ブリュッセルを発着点に反時計回りを描くように走る。北のクラシックでおなじみの「ミュール・ド・グラモン」が今大会最初のカテゴリー山岳(3級)。続く4級山岳も含めて、マイヨアポワ(山岳賞)を狙ったアタックがレース前半は続きそう。レース中盤にはパヴェ(石畳)区間も登場。ブリュッセル市内を抜けて迎えるフィニッシュは、緩やかな上りが続くが、スプリンターによる争いが有力視されている。このステージを制した選手が、今大会最初のマイヨジョーヌ着用の栄誉にあずかる。

●7月7日 第2ステージ ブリュッセル王宮~ブリュッセル・アトミウム 27.6kmチームタイムトライアル

ツール・ド・フランス2019 第2ステージプロフィール ©︎A.S.O.

 ブリュッセル中心部に近い王宮をスタートし、前日のフィニッシュ地点近くのアトミウムまで、チーム力が試されるステージ。幹線道路を使ってのレースとあり、ハイスピードで27.6km先のフィニッシュ地点まで進んでいくことになりそうだ。各チーム4番目にフィニッシュした選手のタイムが反映され、脱落した選手は遅れた分のタイムが加算される。フィニッシュタイムは約30分と予想されているが、総合での上位進出を目指す選手にとっては、数秒の遅れでも避けたいのが本音。そのためには、チームメートの粘りも必要となってくる。

●7月8日 第3ステージ バンシュ~エペルネー 215km 中級山岳

ツール・ド・フランス2019 第3ステージプロフィール ©︎A.S.O.

 ブリュッセルを離れ、ワロン地域の街・バンシュをスタートしたプロトンは、スタートから12kmでフランスに入国。いよいよ、本来の舞台での戦いが始まる。走行ルートはほぼ南に一直線といった趣きだが、フィニッシュまで50kmを切ったあたりからカテゴリー山岳が連続する。残り16kmで通過する3級コート・ド・ミュティニーは、900mと短いながら最大勾配12.6%の急坂。その後も山岳にカテゴライズされない上下動が続き、最後もフィニッシュ前500mが8%の上り。スピード、登坂力ともに求められるステージとなりそう。なお、昨年試験的に導入されていた「ボーナスポイント」は、今年から重要ステージの山岳ポイントに設定され、上位通過3人に8秒、5秒、2秒のボーナスタイムが与えられる。コート・ド・ミュティニーの頂上が、今大会最初のポイントとなる。

●7月9日 第4ステージ ランス~ナンシー 213.5km 平坦

ツール・ド・フランス2019 第4ステージプロフィール ©︎A.S.O.

 第1ステージ以来となるスプリントステージが予想される。東を進行するプロトンは、中盤と終盤に1カ所ずつ4級山岳をクリアする。特に2つ目の4級山岳はフィニッシュ手前15kmに待ち受けるが、難易度からしてスプリントに向けた動きをかく乱するものにはならないと見られる。今大会のスプリンターの脚色を確かめるにはピッタリの1日となるはず。

●7月10日 第5ステージ サン=ディエ=デ=ヴォージュ~コルマール 175.5km 中級山岳

ツール・ド・フランス2019 第5ステージプロフィール ©︎A.S.O.

 ヴォージュ山脈の外側をなぞるようにして、いくつかの山々をめぐっていく。2級から3級の山岳を4つ越えるが、そのうち3つがレース後半に集中。特に、2級山岳コート・ド・トロワエピ(登坂距離4.9km、平均勾配6.8%)、3級山岳コート・ド・サンク・シャトー(登坂距離4.6km、平均勾配6.1%)は、上りもさることながら頂上からのダウンヒルもテクニカル。最後の19.5kmは下りと平坦で、逃げを狙う選手と追撃を図る集団との構図が見られるかもしれない。フィニッシュ地・コルマールはドイツ国境が近く、同国の文化を感じられる街並みや建築物が特徴的だ。

●7月11日 第6ステージ ミュルーズ~ラ・プロンシュ・デ・ベル・フィーユ 160.5km 山岳

ツール・ド・フランス2019 第6ステージプロフィール ©︎A.S.O.

 今大会最初の上級山岳ステージ。160.5kmの中に7カ所ものカテゴリー山岳が詰め込まれた。スタートして早々から1級山岳を目指す上りが始まり、それからは上っては下り、上っては下りの繰り返し。レース後半の2級山岳、コル・ド・シュヴレールにボーナスポイントが設けられ、これを通過するといよいよ最後の難所であるラ・プロンシュ・デ・ベル・フィーユだ。フィニッシュへ向かう距離7km、平均勾配8.7%の上りは、これまでのツール登場機会と比べて約1km延伸されており、それにともない急坂区間が2カ所追加される形に。フィニッシュ手前約1.5kmのポイントから20%、そして最後は24%の激坂を上ることになる。このステージがマイヨジョーヌ争いに何らかの影響を及ぼすことは間違いない。

●7月12日 第7ステージ ベルフォール~シャロン=シュル=ソーヌ 230km 平坦

ツール・ド・フランス2019 第7ステージプロフィール ©︎A.S.O.

 難所続きのヴォージュ山脈に別れを告げ、中央山塊へと近づく1日。レース前半は少しばかり上りがあるが、中間地点を過ぎて以降はほぼ平坦。セオリー通りレースが運べばスプリント勝負となる。この日のレース距離は230km。これが今大会で最も長いステージに。


●7月13日 第8ステージ マコン~サンテティエンヌ 200km 中級山岳

ツール・ド・フランス2019 第8ステージプロフィール ©︎A.S.O.

 プロトンは中央山塊へと入っていく。2級と3級の山岳が7カ所設定され、ひたすらアップダウンをこなすルートは、獲得標高にして3800mを超える。コースレイアウト的には逃げやパンチャーに有利だが、カギを握るのはフィニッシュ前12.5kmの3級山岳コート・ド・ラ・ジャイレール。登坂距離は1.9kmと短いが、頂上にボーナスポイントが設けられており、これを目指して総合系ライダーがアクションを起こしても不思議ではない。そうした動きから、集団が割れて思いがけないレース展開となることも想定しておきたい。

●7月14日 第9ステージ サンテティエンヌ~ブリウド 170.5km 中級山岳

ツール・ド・フランス2019 第9ステージプロフィール ©︎A.S.O.

 この日はフランス革命記念日。もはやフランス人ライダーがひと暴れをもくろむ1日として観る者にすっかりおなじみになった。この日も逃げ向きのレイアウトではあるが、実際のレース展開は果たして。フィニッシュ前13kmに位置する3級山岳コート・ド・サンジュストを過ぎると、あとは下り基調。ボーナスポイントと合わせ、レースの流れを左右する要素となるか。

●7月15日 第10ステージ サン=フルール~アルビ 217.5km 平坦

ツール・ド・フランス2019 第10ステージプロフィール ©︎A.S.O.

 第1週の最終日は、200km超えの平坦ステージ。といいつつも、主催者は平坦とカテゴライズするが、実際は細かなアップダウンの連続。特にレース序盤は、スプリンターにとって我慢の局面が数々ありそうだ。このステージを終えると、大会1回目の休息日。昨年までは第9ステージ後の月曜日が休息日にあてられていたが、今回は第10ステージまでを走り、火曜日が休みとなる。

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