バイクインプレッション2019小径車らしからぬ走りが光る個性派シティバイク ステインサイクルズ「ペグ」

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 ベルギー発のstijncycles(ステインサイクルズ)が放つ意欲作「Peg」(ペグ)を試した。20インチホイールを採用したミニベロながら、ロードバイク用コンポーネントを組み込んだ本格的な走行性能が特徴。外見の想像をはるか上の走りに思わず笑みがこぼれる1台であった。

ステインサイクルズ「ペグ」 Photo: Masami SATOU

元選手が設計した“走る”ジオメトリー

 ステインサイクルズはベルギーの元選手、ステイン・デフェルム氏によって2007年に創業したブランド。ロードレースやシクロクロス、マウンバイクなど数々の競技に勤しみ、ダウンヒルではベルギーチャンピオンとしてワールドカップを転戦した過去を持つ。その後、多くの自転車設計に携わり、自ら満足するものを作りたいという思いからペグを開発した。

160mmの機械式ディスクブレーキを備えている Photo: Masami SATOU

 ペグはロード仕様とシングルスピード仕様の2車種がラインナップ。ロード仕様は完成車のほか、フレームセット+ホイールがセットになったものが用意されている。完成車はシマノのロードバイク向けコンポーネントのR5800系「105」で組まれているほか、前後160mmの機械式ディスクブレーキを備えている。

 編集部に届いた試乗車を組み上げ、サドル高を筆者に合わせて調整し、跨ってみるとポジションはロードバイクそのままだ。サドル、ペダル、ブラケットの3点の位置関係が揃えば当たり前ではあるが、見た目とのギャップが新鮮であった。その印象は実走でも変わらない。

ワイヤー類はフレームへ内蔵 Photo: Masami SATOU
ダウンチューブはエアロダイナミクスを意識した造りに Photo: Masami SATOU

カスタムのベース車両にいかが?

 まず踏み出しが軽い。ホイールサイズが小さいせいか、足元の軽やかさが目立つ。ダンシングで緩い坂を上ってみると、レーススペックのロードバイクと遜色ない伸びやかな走りが気持ちよかった。一般的にミニベロはロードバイクと比べると剛性が劣っている。フォークのコラムが伸びるほか、フレームとフレームの接合部に距離を取れないためだ。ペグも例外ではなく、やはりダンシングで力の限り捩ったり、スプリントをかけると捻じれは表面化する。

 しかし、一般的なミニベロと比べて群を抜いた剛性とスタビリティは備えている。105で組まれているため、変速関連やクランク周りの信頼性は高い。構造上の理由でフレームやコラムが捩れても「なるほど、ここから捻じれるのか」と限界が伝わり、挙動を把握しやすい。あくまでパワーをかけた場合であり、平地を流したり、自重をかけたくらいのダンシングであればネガティブなイメージはない。むしろ、ミニベロだと忘れてしまうくらいの安定性がある。乗ってて実際に忘れてしまいUターンの際、700Cとは違う挙動に足元を取られて転びそうになってしまったほどだ。コーナーではひどくシビアなコントロールを求められるかと思いきや、それほどでもなかったことも印象的であった。

ミニベロだと忘れてしまう安定性と巡航性能が特徴的 Photo: Masami SATOU

 さすが元選手が設計しただけあり、走りは期待以上であった。重量を8kg以下に抑えたコンパクトな車体には十分な剛性がある。もしフォールディング機能を備えて折り畳みのヒンジを設けていたら重量増や剛性の低下につながるため、走りは光らなかっただろう。

 フレームがロードバイク用のコンポーネント向けに設計されているので、カスタマイズのベース車両としても適しているだろう。完成車からコツコツ部品を変えていくのも良し、フレーム+ホイールセットを購入して最初から好きなコンポーネントで組み上げるのも良し。専用の輪行カバーも付属しているので、電車や車の移動にも適している。サドルを下げ、クランプ部のエクステンションを外せばコンパクトにまとめることができる。個性的なキャラクターながら幅広いニーズに応えてくれるロードバイクキラーなシティバイクだ。

■ステインサイクルズ「ペグ」
税抜価格:250,000円(完成車)
カラー:ペトロールグレー、メタリックフレークホワイト
サイズ:身長140cm~200cmまで対応
重量:7.9kg

松尾修作松尾修作

サイクリスト編集部員。10代からスイスのUCIコンチネンタルチームに所属し、アジアや欧州のレースを転戦。帰国後はJプロツアーにも参戦し、現在は社会人チーム「Roppongi Express」で趣味のレースを楽しむ。JBCFのカテゴリーはE1。数多くのバイクやパーツを試してきた経験を生かし、インプレッション記事を主に担当している。

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