別府史之、新城幸也が参戦全日本自転車競技選手権が富士SWで開幕 注目選手や見どころをプレビュー

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 日本一の座をかけて争われる全日本自転車競技選手権大会が6月27日からの4日間、静岡県小山町の富士スピードウェイで開催される。来年に迫る東京五輪を見据え、UCI(国際自転車競技連合)ワールドチームに所属する別府史之(トレック・セガフレード)や新城幸也(バーレーン・メリダ)、女子では與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ)らの強豪が集結。注目の選手や見どころをプレビューする。

全日本選手権ロードレースの注目選手をプレビューする

海外勢が一堂に集結

 各国で開催されるナショナル選手権では、優勝者に国旗があしらわれたナショナルチャンピオンジャージが授与され、1年間はその栄誉を纏って国内外のレースに出場できる。選手は頂点を目指して切磋琢磨しレースに挑むが、男子エリートと女子エリートに至ってはことし、意識しているのは表彰台の頂点だけではないはずだ。翌年、自国開催である五輪出場への枠獲得へ向け、激しい展開になること必至だろう。

 舞台となるコースは富士スピードウェイの周回と外周路を組み合わせたもの。27日に開催される個人タイムトライアル(TT)は1周14km、28日からのロードレースは1周10.8kmに設定されている。

ツアー・オブ・スロベニアからレース復帰した新城幸也。強行スケジュールの中、成績を残せるか Photo: Yuzuru SUNADA
日本人選手としてロードーレースの最前線で活躍する別府史之。2011年振りに王者となるか=2018年11月 Photo: Yuzuru SUNADA

 ロードレース男子エリートに出場する選手は、国内外で活動する主要メンバーはほぼ出揃った。ともに3月に落車による怪我で戦線離脱を余儀なくされた新城と別府だったが、新城は今月のツアー・オブ・スロベニアから、別府は4月からレースに復帰しコンディションを上げてきた。日本のロードレースシーンを牽引するベテランだけに、若手選手の脅威になることは間違いない。

ツアー・オブ・ターキー2019で総合22位になった伊藤雅和 Photo: STIEHL/SUNADA

 海外を拠点にする選手は他にもおり、同レースへ向けて一時帰国している。NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ勢は西村大輝、伊藤雅和、中根英登、吉田隼人がエントリー。ジロ・デ・イタリアを沸かせた初山翔は不出場で、中根は6月19日に起きたトレーニング中の事故の影響で出場を見送る予定だ。伊藤はこれまでに安定した走りとリザルトでポイントを重ねており、チームの柱となるだろう。UCIプロコンチネンタルチームとしての実力を発揮できるか、期待がかかる。

 単身、海外籍のチームで経験を積む選手にも注目したい。昨年、「ツアー・オブ・ジャパン」(TOJ)でステージ勝利を飾り、今季はリュブリャナ・グストで活動する雨澤毅明や、2016年全日本ロードU23王者で、今年のTOJを日本人個人総合2位で終えた小林海(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)ら若手も出場。個人参加のため、チーム戦に持ち込まれると不利な面がある一方、サバイバルレースで力を示せるか。

個人参戦となる雨澤毅明。TOJでは途中リタイアとなったが、全日本ではどう動くのか注目だ=2018年5月、宇都宮ブリッツェン所属時 Photo: Ikki YONEYAMA
TOJで日本人個人総合2位になった小林海。過去にU23ロード、TTでタイトルを獲得している Photo: Shusaku MATSUO

 国内チームは数の利を生かした戦術が取れるだろう。ディフェンディングチャンピオンの山本元喜を擁するキナンサイクリングチームからは9人がエントリーしている。山本の実力はさることながら、昨年は新城雄大がチーム戦を仕掛け、チームは1位と3位に入る好リザルトを獲得。アジアツアーで鍛えられたチーム力が発揮されれば、苦戦するチームは多いだろう。

2018年に優勝した山本元喜は今年も連覇なるか=2018年6月 Photo: Shusaku MATSUO
TOJ東京ステージで優勝した窪木一茂。トラックで培ったスピード力を発揮できるか Photo: Shusaku MATSUO

 トラック競技でも活躍する選手を集めたチーム ブリヂストンサイクリングは今季、ロードレースでも頭角を現し、勝利を重ねている。その筆頭は窪木一茂だ。厳しい展開でも遅れず、ゴール前では持ち前のスプリント力を発揮。TOJ東京ステージでも優勝を飾った。本格的な上りがない富士スピードウェイでは、窪木をふるいにかけるのは至難の業だろう。また、チームは窪木のほかに、TOJ日本人個人総合1位の石橋学を含む8人の強力な布陣を揃えてきた。

調子を上げている内間康平=2018年8月、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニ所属時 Photo: Kenta SAWANO
国内でも屈指のスプリント力を誇る小野寺玲 Photo: Shusaku MATSUO

 チームUKYOもコンディションを上げている。先日幕を閉じたツール・ド・フィリピンには日本人4選手で臨み、チーム総合優勝を果たした。内間康平は逃げに乗りステージ2位に入る活躍をみせた。強豪揃うなか、2017年の全日本ロードを独走勝利で制した畑中勇介の復活も望まれている。

 宇都宮ブリッツェンの増田成幸はTOJを落車の影響で大きく成績を落として終えたが、実力は国内トップクラスであることは確か。チームは岡篤志、鈴木龍、小野寺玲などタレント揃いの強力なメンバーで悲願の日本一を狙う。

ホビーレーサーだが、2018年の全日本では11位という成績を残した高岡亮寛 Photo: Shusaku MATSUO

 全日本選手権に出場するのはプロ選手だけではない。規定の大会で厳しい出場資格を満たす成績を上げられればホビーレーサーもスタートラインに立つことができる。昨年は井上亮(Magellan Systems Japan)が8位に、高岡亮寛(Roppongi Express)が11位と健闘。紺野元汰(SBC Vertex Racing Team)や岡泰誠(イナーメ信濃山形)もJプロツアーで活躍しており、彼らがプロ相手にどう立ち回るかも見所のひとつだ。

 ロードレース男子エリートは6月30日の9時から、コースを21周する計227kmで争われる。

與那嶺が4連覇達成なるか

 ロードレース女子エリートの優勝候補筆頭は間違いなく與那嶺だ。過去3年連続で全日本女王となり、他を寄せ付けない展開で勝利を重ねてきた。同じく海外を拠点に活動する萩原麻由子はブログで欠場を表明。與那嶺が5回目のナショナルチャンピオンジャージに袖を通す可能性はさらに高まったと言えるだろう。

4連覇の期待がかかる與那嶺恵理(アレ・チポッリーニ) Photo: Kyosuke TAKEI

 東京五輪に目を向けると、女子エリートは海外のUCIレースが選考基準の中心ではあるものの、海外レースを走らない選手にとっては今回の全日本ロードが最も出場に近づけるチャンスでもある。優先順位が9番目ではあるものの、今大会で2位の選手にも枠が与えられる可能性があるため、優勝以外の争いも熾烈を極めること間違いない。昨年2位の金子広美(イナーメ信濃山形)、3位の牧瀬翼(IKECHI EXIT)、唐見実世子(弱虫ペダルサイクリングチーム)らが有力選手だ。

 女子エリートは6月29日1時15分から、コースを13周する計140kmで争われる予定だ。

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