ツール・ド・スイス2019 第6ステージトールクが今大会最初の山頂フィニッシュ制覇 ベルナルが総合首位浮上で完全復活示す

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 ツール・ド・スイス2019は現地時間6月20日、第6ステージが行われ、今大会最初の山頂フィニッシュをアントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が制した。レース前半に25人の先頭グループが形成され、そこから終盤に抜け出しての逃げ切り勝利だった。また、この日は総合成績で大シャッフルがあり、メイン集団からの猛追でステージ2位としたエガン・ベルナル(コロンビア、チーム イネオス)が個人総合で首位に浮上。けがからの復帰戦で完全復活をアピールしている。

ツール・ド・スイス第6ステージ、アントワン・トールクが単独逃げ切りで勝利を挙げた Photo: STIEHL / SUNADA

25選手が集団に対し最大約4分のリード

 この日は、前日にフィニッシュが設けられたアインジーデルンを出発し、スキーリゾート地であるフルームサーベルグを目指す120.2kmのステージが設けられた。レース距離は短めだが、最後に山頂フィニッシュを目指す1級山岳の上りが待ち受ける。その難易度からして、クライマー向きのコースレイアウト。今大会はここまで、スプリンターが大会を盛り上げてきたが、いよいよ総合成績を目指す選手たちへ主役の座が移ることとなりそうだ。

ラッパーズヴィル城を見ながら走るプロトン Photo: Tour de Suisse

 そんなレースは、まず序盤に25人と大規模の逃げが発生。やがて先頭グループとして固まり、メイン集団に対して4分以上のリードを得る。フィニッシュまで残り50kmを切ったところで、この日最初のカテゴリー山岳となる3級の上りをコリン・ジョイス(アメリカ、ラリー・UHCサイクリング)が1位通過をするが、ここでの動きをきっかけにマッテーオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット)、クラウディオ・インホフ(スイス、スイスナショナルチーム)、そしてジョイスと、3選手が先行を開始した。

 一時は第2グループに約40秒差をつけた3選手だったが、最後の上りを前に元のグループへと戻ることとなる。トレンティンとジョイスは残り22kmで、しばし単独で粘っていたインホフも残り15kmで吸収。当初の先頭グループの形に戻ると、その時点でのメイン集団とのタイム差は約2分30秒だった。

 この頃、メイン集団では各チームがトレインを組んでのポジション争いが活性化。こちらも最後の上りに向けて、着々と態勢を整えていった。

最後の上りでトールクが独走 猛追のベルナルは総合首位へ

 逃げ切りを目指す先頭グループは、上りに入った直後の残り7.5kmでトールクがアタック。ルイス・マス(スペイン、モビスター チーム)とパトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)がチェックし、先頭は3人に絞られる。

 しばし3人のまま進むが、残り3kmを切ろうかというタイミングでトールクが再度のアタック。これにはマスもベヴィンもつけず、さらに後方から追い上げてきた選手たちも振り切られる形に。フィニッシュを目指し、トールクの独走が始まった。

 その頃メイン集団では、チーム イネオスが主導権を確保して上りを開始した。すると、今大会ここまでリーダージャージを守ってきたペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)は集団のスピードには合わせず、自らのペースで上っていくことを選択。同時に、個人総合トップを明け渡すことが決定的となった。

メイン集団からの猛追でステージ2位を確保しエガン・ベルナル。個人総合で首位に浮上した Photo: STIEHL / SUNADA

 イネオス勢の牽引によって距離を追うごとに人数が絞られていくメイン集団。山岳最終アシストのケニー・エリッソンド(フランス)が猛然とスピードを上げると、これに続くことができたのはごくわずか。そして残り1km、このタイミングを図っていたかのごとくベルナルが飛び出した。

 ベルナルはレース前半から先行していた選手たちを次々とパスしていき、前に残っているのはトールクだけとした。この日一番の登坂力を見せつけた形だったが、それまでの貯金を守ったトールクに追いつくまでには至らず。

 最後はベルナルの勢いに追い込まれかけたトールクだったが、最後までしっかり踏み続け、プロ初勝利のフィニッシュへ。今大会最初の上級山岳ステージを制した。

ステージ優勝のアントワン・トールクの表彰 Photo: STIEHL / SUNADA

 トールクのフィニッシュから17秒後、ベルナルが2位でステージを完了。その後は、逃げていた選手とメイン集団から追い上げた選手とが入り乱れる形で続々とフィニッシュラインを通過した。

 このステージを終えて、総合成績は大きくシャッフル。好走のベルナルが前日までの個人総合12位から一気に首位まで浮上。第1ステージで勝利し上位戦線に位置するローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ)が12秒差で2位、パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)が29秒差の3位で続いている。トップに立ったベルナルといえば、出場を予定していたジロ・デ・イタリア開幕直前の落車負傷で戦線を離脱していたが、復帰レースである今大会で早くも復調をアピール。残るステージでの戦いぶりもさることながら、目標をスライドしたツール・ド・フランスへの期待も高まってきた。

 翌21日に行われる第7ステージで、ついに超級山岳が登場。レース前半に2級、中盤に1級の山々を越えたのち、約40kmのダウンヒル。そして最後はサン・ゴッタルドの超級山岳頂上に設けられるフィニッシュを目指して再びの登坂。フィニッシュ地点の標高は2091m。第6ステージで見えてきた総合争いの形成は、続く第7ステージでより明確になってくることだろう。

個人総合で首位に立ったエガン・ベルナル。けがからの完全復活をアピールしている Photo: STIEHL / SUNADA

第6ステージ結果
1 アントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) 2時間43分34秒
2 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム イネオス) +17秒
3 フランソワ・ビダール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +24秒
4 ヤン・ヒルト(チェコ、アスタナ プロチーム) +29秒
5 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) +31秒
6 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム) +38秒
7 ルイ・コスタ(ポルトガル、UAE・チームエミレーツ) +44秒
8 ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル)
9 パトリック・シェリング(スイス、スイスサイクリングチーム) +46秒
10 パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)

個人総合時間賞
1 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム イネオス) 18時間40分18秒
2 ローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ) +12秒
3 パトリック・コンラッド(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +29秒
4 ヤン・ヒルト(チェコ、アスタナ プロチーム) +35秒
5 ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル)
6 マルク・ソレル(スペイン、モビスター チーム) +41秒
7 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ) +50秒
8 フランソワ・ビダール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +58秒
9 ファビオ・アル(イタリア、UAE・チームエミレーツ) +1分7秒
10 ニコラス・ロッシュ(アイルランド、チーム サンウェブ)

ポイント賞
1 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 37 pts
2 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) 32 pts
3 マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) 22 pts

山岳賞
1 クラウディオ・インホフ(スイス、スイスサイクリングチーム) 25 pts
2 ギャビン・マニオン(アメリカ、ラリー・UHC) 19 pts
3 アントワン・トールク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) 12 pts

新人賞
1 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム イネオス) 18時間40分18秒
2 ティシュ・ベノート (ベルギー、ロット・スーダル) +35秒
3 エンリク・マス(スペイン、ドゥクーニンク・クイックステップ) +1分17秒

チーム総合
1 UAE・チームエミレーツ 56時間3分48秒
2 チーム サンウェブ +21秒
3 モビスター チーム +58秒

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