ロンドン五輪 日本代表3大会連続“神風”吹く! 中野浩一・JCF選手強化委員長に聞く

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 自転車の日本は、ロンドン五輪で3大会連続のメダル獲得を目指す。世界選手権のプロスプリントで前人未到の10連覇(1977-86年)を達成した中野浩一氏(56)が、日本自転車競技連盟(JCF)の選手強化委員長に就任して1年あまり。“世界のナカノ”は日本勢の進化を語り、目標に「最低でも1個のメダル」を掲げた。

ロンドンでの「メダル獲得!!」を誓う日本自転車競技連盟の中野浩一・選手強化委員長(撮影・財満朝則)ロンドンでの「メダル獲得!!」を誓う日本自転車競技連盟の中野浩一・選手強化委員長(撮影・財満朝則)

 --ロンドン五輪は総勢8人で臨む
「選手強化委員長に就任してまだ1年ちょっと。もう1年あれば、女子オムニウムなどであと4、5人は出場させられたという思いがある」
--成果は出てきた?
「男子トラックの3人(中川、渡辺、新田)はプロで、比較的強化が進んでいた種目。私が120%の信頼を寄せる松本整総監督の下にスタッフを厳選し、今年になってチームスプリントと個人スプリントで日本記録を更新できた。上り調子ですよ」
--中川は個人スプリントで9秒979をマークし、日本人で初めて10秒の壁を破った
「9秒台の選手は世界に何人もいる。10秒が壁だと思うから壁になっていたんだろう。それ以上に、一気に0.2秒も縮めたことが大きい」
--0.2秒でも?
「200メートルを約10秒で走るので、0.2秒は単純に距離にして4メートル縮めた計算になる。持ちタイムが速いからといって必ず勝てるわけじゃないのが自転車のおもしろいところだけど、0.5秒の差があったら間違いなく勝てない。世界のトップと争えるレベルに達して、勝つ確率も上がったということ」
--強化委員長として最も期待している種目は
「日本発祥の種目ケイリン。チームスプリントがほぼ純粋なタイム競走なのに対し、6人が一斉に走るケイリンは速さだけでなく、番手争いなどでうまさが生かせる」
--日本発祥なのに、これまで五輪の金メダルには縁がない
「約30年前から欧州でも行われ、日本の競輪(公営競技)をベースにしながら、欧州なりに進化を遂げてきた。日本では(地域別などで駆け引きがある)ライン戦となっているけど、欧州は個と個の戦い。仕掛けるタイミングなど、より思い切りが必要になる」
--日本の競輪選手は“ケイリン”に対応できるようになったのか
「4月の世界選手権(豪州)では渡辺も新田も1位で予選通過を果たし、決勝で渡辺が5位。かつてない積極性を頼もしく感じたし、力をつけたことで選手の意識にも変化が出てきた。現在競い合っているチームスプリントの3人の中から、7月のドイツ遠征で個人スプリントとケイリンに出場する選手を決める」
--トラック以外では 「男子ロードの新城は30日からツール・ド・フランスに出場した後に五輪。ロードは有力選手に顔が知られていた方が結果を残しやすいので良い流れだと思う。北京に続いて2度目の五輪となるMTBの山本も海外を拠点に力を付けており、入賞を目標に掲げている」
--ズバリ、ロンドンでのメダルの色と数は
「何色でもいいからメダルを1つ取りたい。過去5回、解説者として現地で見てきて、五輪は特別な場所だと思う。アテネ五輪のチームスプリントでは、これまで出したことのないタイムで日本が銀メダルを獲得するなど“神風”が吹いた。今回も努力と準備さえ万全にしておけば、きっと吹くと思うよ」 (構成・サンケイスポーツ 櫃間訓)

渡辺の秘めた思い…福島・警戒区域の地元へ

 男子チームスプリントの渡辺と新田は福島県出身。中でも渡辺は福島第1原発事故で警戒区域に指定されている双葉町の出身で「皆さん、避難でつらい思いをしていると思う。メダルを持って帰り、祝勝会を開けるようにしたい」と秘めた思いがある。中野選手強化委員長も「いろんな人の思いをプレッシャーではなく、力に変えることができればメダル圏内に入る」と2度目の五輪に挑む実力者に期待した。

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