ツール・ド・スイス2019 第3ステージサガンが圧巻の上りスプリントでスイス通算17勝目 個人総合でも首位に

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 ツール・ド・スイス2019は6月18日、第3ステージのレースが行われ、大集団のゴールスプリントをペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)が制して、同大会通算17勝目を挙げた。サガンはボーナスタイムにより個人総合でも首位に立ち、イエローのリーダージャージに袖を通した。

スロバキアチャンピオンのペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がツール・ド・スイス通算17勝目 Photo: Yuzuru SUNADA

湖畔の町でのスピードバトル

 第3ステージはフラマットからムルテンに至る162.3kmで行われた。前半と後半に3級山岳が1つずつあるものの、その後は下りと平坦基調。最後は残り26.1km地点でフィニッシュラインを一度通過し、ムルテン湖を一周してゴールとなる。フィニッシュ前200mの最終コーナーを曲がると、最後は石畳の上りが待ち受ける。

 レースは序盤から4人の逃げが形成された。ベアトヤン・リンデマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)、ウィレム・スミット(南アフリカ、カチューシャ・アルペシン)、ライアン・アンダーソン(カナダ、ラリー・UHC)、シモン・ペロー(スイス、スイスサイクリングチーム)からなる逃げは、最大4分強の差をメイン集団から得て、協調態勢を築いてレースをリード。途中2つの山岳ポイントは、地元代表のペローが先頭で通過した。

イタリアチャンピオンジャージを着るエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) Photo: Yuzuru SUNADA

 一方のメイン集団は、スプリンターチームがコントロール。サガンを抱えるボーラ・ハンスグローエ、そしてリーダーチームでかつエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)を抱えるドゥクーニンク・クイックステップが、終盤に向けて徐々に先頭とのタイム差を削っていった。

 フィニッシュラインを一度通過する残り26.1km地点では、タイム差は1分少々。完全に射程圏内に捉えられた逃げの4人は、やや苦笑をしながら残り15.4kmの中間スプリントをそれぞれ争い、先頭を取ったリンデマンはそのまま後退してメイン集団へと戻った。残る3人は最終的にペローが単独で粘り続けたが、ゴールまで残り6kmでメイン集団へと吸収された。

サガンが圧倒の勝負強さ

スイスチャンピオンジャージで走るスティーヴ・モラビト(スイス、グルパマ・エフデジ)。最終局面でメイン集団の先頭に立っての加速をみせた Photo: Yuzuru SUNADA

 逃げを吸収してからのメイン集団は、各チームが列車を組んで一気にスピードアップ。湖畔の美しい景色の中、激しい位置取り争いが繰り広げられた。最終盤は市街地の1.5車線を右に左にカーブし最終コーナーへと向かう。ラスト1kmで集団の10番手付近に付けたサガン、ヴィヴィアーニはここからポジションを上げ、残り500mでヴィヴィアーニが3番手、その後ろにサガンが付けた。

 ここで横から上がってきたのがトレック・セガフレード。ジャスパー・ストゥイヴェン(ベルギー)がエーススプリンターのジョン・デゲンコルプ(ドイツ)を引き連れて、ラスト400mで一気に集団先頭へと躍り出た。ところがここでサガンが、デゲンコルプとの並びで競り合い、ストゥイヴェンの後ろの2番手を奪い取ることに成功。サガンの後ろにデゲンコルプ、その後ろにヴィヴィアーニが付けた状態で、ラスト200mの左直角コーナーへと突入した。

ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)がスプリントで圧倒し、ツール・ド・スイス通算17勝目を飾った Photo: Yuzuru SUNADA

 最終コーナーを抜けるとサガンは加速して先頭へ。デゲンコルプはこのスピードに付いていけない。ヴィヴィアーニも追うのが精一杯で並びかけることもできない。サガンはそのまま後続を引き離した状態でフィニッシュしてガッツポーズ。今大会初勝利、ツール・ド・スイス通算では2011年から9年連続となる17勝目を挙げた。サガンはフィニッシュ1位で10秒のボーナスタイムを獲得。個人総合で首位に立つとともに、ポイント賞ジャージも獲得した。

 翌第4ステージは163.9kmで行われる。中間地点を過ぎてから2級山岳と、終盤の3級山岳を含む、アップダウン基調の後半となる。ラスト8.9km地点の3級山岳で集団をまとめきればスプリンター勢にもチャンスがあるが、ステージを狙いたい選手が攻撃を仕掛けるだろう。リーダージャージを着た“上れるスプリンター”のサガンの動きにも、もちろん注目したい。

個人総合時間賞でも首位に立ったサガン Photo: Yuzuru SUNADA
サガンはポイント賞ジャージも獲得 Photo: Yuzuru SUNADA
個人総合首位からは後退したものの、引き続き新人賞ジャージを確保したカスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) Photo: Yuzuru SUNADA

第3ステージ結果
1 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 3時間39分25秒
2 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) +0秒
3 ジョン・デゲンコルプ(ドイツ、トレック・セガフレード)
4 イバン・ガルシア(スペイン、バーレーン・メリダ)
5 ベン・スウィフト(イギリス、チーム イネオス)
6 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)
7 レイナルト・ヤンセファンレンズバーグ(南アフリカ、ディメンションデータ)
8 ファビアン・リーンハルト(スイス、スイスサイクリングチーム)
9 トマ・ブダ(フランス、トタル ディレクトエネルジー)
10 ダニエル・ホールゴール(ノルウェー、グルパマ・エフデジ)

個人総合時間賞
1 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 7時間51分31秒
2 カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) +10秒
3 ローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ) +11秒
4 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)
5 ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト) +16秒
6 シュテファン・キュング(スイス、グルパマ・エフデジ) +20秒
7 マッテオ・トレンティン(イタリア、ミッチェルトン・スコット) +27秒
8 ゲラント・トーマス(イギリス、チーム イネオス) +28秒
9 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) +29秒
10 ウィネル・アナコナ(コロンビア、モビスター チーム)

ポイント賞
1 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) 22 pts
2 ローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ) 12 pts
3 ルイスレオン・サンチェス(スペイン、アスタナ プロチーム) 12 pts

山岳賞
1 クラウディオ・インホフ(スイス、スイスサイクリングチーム) 21 pts
2 ギャビン・マニオン(アメリカ、ラリー・UHC) 12 pts
3 ファビアン・グルリエ(フランス、トタル ディレクトエネルジー) 9 pts

新人賞
1 カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) 7時間51分41秒
2 エガン・ベルナル(コロンビア、チーム イネオス) +24秒
3 ケヴィン・ジェニツ(ルクセンブルク、グルパマ・エフデジ) +26秒

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