クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2019 第6ステージ超接戦のゴール争いを制したアラフィリップが勝利 総合勢は動きなくクイーンステージへ

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 クリテリウム・ドゥ・ドーフィネは6月14日、第6ステージが開催され、逃げ切ったジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)がグレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)とのマッチスプリントを制して、ステージ優勝を飾った。総合勢は特に大きな動きなく一つの集団でフィニッシュしたため、タイム差はつかず。マイヨジョーヌはアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)がキープしている。

アラフィリップ(右)が写真判定のゴールスプリントを制して優勝 Photo: STIEHL / SUNADA

アラフィリップが山岳ポイント荒稼ぎ

 第6ステージはサン=ヴルバからサン=ミッシェル=ド=モリエンヌまでの229kmで争われた。今大会最長のロングステージで、道中にカテゴリー山岳が8カ所登場。ラスト8km地点に山頂がある2級山岳コル・ド・ボーヌから下ってフィニッシュするコースレイアウトだった。最後の山岳で総合勢が動くステージと見られていた。

 スタート直後しばらくは、集団がひとかたまりのままレースが進行。さらに、雨も降ってきた。10kmほど走った後、アラフィリップが集団から飛び出した。そこへミュールベルガーと、アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム)が合流。3人の逃げ集団が形成された。逃げメンバーのなかで最も総合成績が良いのは、アラフィリップで16分遅れだったため、リーダーチームのミッチェルトン・スコットは逃げを完全に容認。タイム差は徐々に広がっていった。

山に囲まれたドーフィネ地方を進むメイン集団 Photo: STIEHL / SUNADA

 逃げ集団ではアラフィリップが、山岳ポイントを荒稼ぎ。この日だけで20ポイントを加算して、山岳賞ランキングでトップに立った。メイン集団とのタイム差を12分以上に広げ、この日最後の上りとなる2級山岳コル・ド・ボーヌの麓に到達。ほぼ逃げ切りが確定した状況で、ステージ優勝を巡る争いが始まった。

写真判定にもつれこむ接戦のスプリント

 残り13km地点、山頂まで5kmを残した地点でアラフィリップが様子見のペースアップ。デマルキ、ミュールベルガーは問題なく対処。すると、アラフィリップが再びアタック。やはり2人を突き放すことはできなかった。

 その後、アラフィリップは後ろのチームカーを呼び、ボトルを要求したように見えたが、フィニッシュ間際の補給禁止区間に入っているため、アラフィリップはボトルを受け取ることはできなかった。

アラフィリップは山岳賞ジャージも獲得 Photo: STIEHL / SUNADA

 3人団子状態のまま、山頂まで2.2kmの地点で、今度はデマルキがアタック。この動きも不発に終わったものの、すかさずミュールベルガーがカウンターアタック。アラフィリップは追従できたが、デマルキは一旦離されてしまう。

 デマルキは1kmほど追走し、山頂まで残り1kmを切ったところで2人に追いついた。その脚でデマルキが加速してアタックを仕掛けた。アラフィリップ、ミュールベルガーの順に反応し、これも不発に終わる。デマルキが踏みをやめたところで、ミュールベルガーがアタック。再三のカウンターアタックに、ついにデマルキは大きく離されてしまった。

 アラフィリップはミュールベルガーの背後をピタリとマークし、ミュールベルガー、アラフィリップの順で山頂を通過。ミュールベルガーが先頭固定、アラフィリップが2番手のままダウンヒルをこなしていく。コーナーの立ち上がりをダンシングで加速することはなく、両者ともに最後のスプリントに備えて脚を貯めている様子だった。

 ミュールベルガーが先頭のまま、ラスト1kmのアーチを通過。残り300mを切って、最終コーナーの手前からミュールベルガーがスプリントを開始。コーナーを立ち上がって、アラフィリップもスパートをかけて徐々にミュールベルガーに迫っていく。アラフィリップがミュールベルガーの真横に並んだまま、ほぼ2人同時にフィニッシュ。両者ともにどちらが勝ったか分からないといった様子だった。

 写真判定の末、ホイール4分の1個ほどの僅差で、アラフィリップの勝利が確定。すんでのところでハンドルを投げ出した技術の差が、勝敗を分けた。

ステージ優勝のアラフィリップ Photo: STIEHL / SUNADA

総合勢に目立った動きのなかった一日

 一方、メイン集団は最後の2級山岳に向けて、チーム イネオス、ユンボ・ヴィスマが集団前方を押さえてペースアップ。位置取り争いが激化していた。

イネオス、アスタナ、ユンボ・ヴィスマといった総合有力勢が集団先頭を押さえる Photo: STIEHL / SUNADA

 上り区間に入ってからはイネオスが終始コントロール。ジャンニ・モスコン(イタリア)、ディラン・ファンバーレ(オランダ)、ミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド)らが先頭でけん引。前日まで総合5位のワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が上りで脱落したものの、主要な総合上位勢にほとんど動きがないまま、山頂を通過した。

 クウィアトコウスキーが集団先頭を率いたままダウンヒルをこなして、フィニッシュ地点に到達。最後は集団スプリントのような展開になったものの、集団が中切れすることなく一団でゴールした。総合上位勢にタイム変動はなく、ほとんど順位変動のない結果となった。ファンアールトは新人賞ジャージを失ったが、引き続きポイント賞ジャージを着る。

新人賞ジャージはランブレヒトが獲得 Photo: STIEHL / SUNADA
ポイント賞ジャージは引き続きキープしたファンアールト Photo: STIEHL / SUNADA

 翌第7ステージは、今大会のクイーンステージに位置づけられる超難関山岳ステージとなっている。1級山岳が3つ立て続けに登場し、ラストは超級山岳ル・セット・ローの山頂へとフィニッシュする。今度こそ、総合勢による山岳バトルが繰り広げられることだろう。

アダム・イェーツがマイヨジョーヌを守ってクイーンステージへと進む Photo: STIEHL / SUNADA

第6ステージ結果
1 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 6時間0分54秒
2 グレゴール・ミュールベルガー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ) +0秒
3 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム) +22秒
4 ワウト・プールス(オランダ、チーム イネオス) +6分10秒
5 ゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ プロチーム)
6 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム)
7 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)
8 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
9 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)
10 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ プロチーム)

個人総合
1 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) 23時間35分4秒
2 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) +4秒
3 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーションファースト) +6秒
4 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +7秒
5 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) +24秒
6 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) +25秒
7 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +26秒
8 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ プロチーム) +30秒
9 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +40秒
10 ワウト・プールス(オランダ、チーム イネオス)

ポイント賞
1 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) 82 pts
2 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) 53 pts
3 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 47 pts

山岳賞
1 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 32 pts
2 カスパー・ピーダスン(デンマーク、チーム サンウェブ) 18 pts
3 アレッサンドロ・デマルキ(イタリア、CCCチーム) 14 pts

新人賞
1 ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル) 23時間37分49秒
2 ステフ・クラス(ベルギー、カチューシャ・アルペシン) +1分29秒
3 ニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) +4分1秒

チーム総合
1 EFエデュケーションファースト 70時間48分30秒
2 アスタナ プロチーム +14秒
3 グルパマ・エフデジ +1分49秒

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