クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2019 第8ステージファンバーレが最終日を制してイネオス2連勝 フルサングが2度目の総合優勝

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2019は6月16日、最終第8ステージが行われ、序盤から逃げに乗ったディラン・ファンバーレ(オランダ、チーム イネオス)が優勝を飾った。最後は、ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)との一騎打ちを制した。個人総合優勝は、首位でスタートしたヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム)がタイム差を守り、2年ぶりのマイヨジョーヌ獲得となった。

最終日のステージをディラン・ファンバーレ(オランダ、チーム イネオス)が逃げ切って優勝 Photo: STIEHL / SUNADA

113.5kmの短くも熱い戦い

 8日間に渡って行われたドーフィネもクライマックス。最終日はクリューズからシャンペリーまでの113.5kmで争われた。近年、流行りのショートステージだが、距離の短さがレースの容易さに比例するわけではない。100km強の中に詰め込まれた山岳は6つ。ハードなレース展開が予想された。

 スタート後しばらく集団は1つにまとまっていたが、10km地点を過ぎたあたりで動きがでる。12人がアタックし、それが逃げ集団となる。この中には、ファンバーレ、山岳賞ジャージを着るジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)や、ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア、ボーラ・ハンスグローエ)、ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック)といったメンバーが含まれていた。

山岳賞ジャージのアラフィリップが逃げで山岳ポイントを重ねて、山岳賞リーダーの座を守った Photo: STIEHL / SUNADA

 山岳賞を確実なものにしたいアラフィリップは、約22kmまでに3つ組み込まれている山岳ポイントを全てトップで通過。山岳賞ジャージを確実なものにしていく。一方、メイン集団からはニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン)が単独追走。無事、先頭に追いつき、逃げは13人になった。

 80kmでのタイム差は約3分、レースは落ち着いて進んでいく。この頃、メイン集団は、アスタナ プロチームがコントロールしていた。

 レース後半になっても逃げのメンバーは変動なし。49km地点の1級山岳もアラフィリップがトップで通過し、ツールでの活躍を期待させる走りをみせた。一方、メイン集団は4分程のタイム差でレースをコントロールしていた。

繰り返される上りをこなしていくメイン集団 Photo: STIEHL / SUNADA

イェーツがまさかのリタイア

 落ち着いて進むレースの一方で、ショッキングなニュースが入ってくる。総合2位のアダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)がリタイアしたのだ。原因は、この日の朝からの高熱。ミッチェルトン・スコットの助監督ラウレンツォ・ラパージュが大会側に電話で伝えたコメントが、大会公式ホームページにも掲載された。また、総合勢9位につけていたクライスヴァイクも遅れ、総合優勝争いから脱落。その後リタイアとなった。雨の中で行われた前日の過酷なレースの影響が出た形となった。

チームメートに守られて走る、総合首位のフルサング Photo: STIEHL / SUNADA

 ゴールが近づくにつれ、メイン集団にも緊張が走る。残り40kmで4分、30kmで2分半、20kmで2分、イアン・スタナード(イギリス、チーム イネオス)がけん引するメイン集団が、徐々にタイム差を詰めていく。28秒差で総合5位につけるプールスのジャンプアップを狙うイネオスとしては、ここで動くしかない。

 残り20km、逃げ集団にも動きがでる。バルギルとカールフレドリク・ハーゲン(ノルウェー、ロット・スーダル)がステージ優勝を目指し抜け出した。しかし、その動きは容認されず。各選手によるアタックで結局、ファンバーレ、ヘイグ、セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)、カールフレドリク・ハーゲン(ノルウェー、ロット・スーダル)が先頭に躍り出る。ステージ優勝は先頭で、総合争いはメイン集団で繰り広げられることが濃厚となる。

ファンバーレ対ヘイグ

 次に大きくレースが動いたのはラスト15km。ヘイグがアタックし、そこにファンバーレのみがつき先頭は2人になる。ヘイグは、イェーツのリタイアによりステージ優勝、ファンバーレもステージ優勝、もしくは後ろからプールスが追いついてきたときの前待ち作戦の仕事が求められていた。

 残り5kmになっても先頭は2人。メイン集団は総合争いをするイネオスとアスタナがけん引していたが、追いつきそうにないタイム差。やはり、ステージ優勝は先頭、総合争いはメイン集団という状況となった。

 ステージ優勝はヘイグとファンバーレの一騎打ち。残り1km、ファンバーレは冷静にヘイグのツキイチとなり仕掛けどころをうかがう。そのファンバーレが動いたのは、200m。ダンシングでスプリントを開始する。ヘイグは反応が僅かに遅れ、ファンバーレが大きく先行。最後はファンバーレがガッツポーズでゴールラインを通過し、ステージ優勝を手に入れた。

最終日のステージを制したファンバーレ。フルームの落車リタイアという大誤算はあったものの、チームのメンバーはツールに向け仕上がり上々だ Photo: STIEHL / SUNADA

 一方の総合争い。メイン集団のフルサング、プールス、エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)はトップから1分59秒遅れでゴール。フルサングがマイヨジョーヌを守り切った。また、アスタナはこのステージで21位以内に4人の選手を送り込む層の厚さも示した。

 ツール前哨戦といわれるドーフィネ。昨年はゲラント・トーマス(イギリス、チーム イネオス)が優勝し、そのままツールも制した。今年のツールにクリストファー・フルーム(イギリス、チーム イネオス)はいない。その中で、どの選手がマイヨジョーヌに袖を通すのか。約3週間後から始まる熱き戦いから目が離せない。

フルサング(中央)が2年ぶり2度目のドーフィネ総合優勝。2位はヴァンガーデレン(左)、3位はブッフマン(右) Photo: STIEHL / SUNADA
ステージ2勝で総合ポイント賞も獲得したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) Photo: STIEHL / SUNADA
アスタナはチーム総合優勝も獲得。チーム力の高さを示した Photo: STIEHL / SUNADA

第8ステージ結果
1 ディラン・ファンバーレ(オランダ、チーム イネオス) 3時間5分48秒
2 ジャック・ヘイグ(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +0秒
3 カールフレドリク・ハーゲン(ノルウェー、ロット・スーダル) +50秒
4 ワレン・バルギル(フランス、アルケア・サムシック) +1分12秒
5 セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ)
6 セバスティアン・ライヒェンバッハ(スイス、グルパマ・エフデジ)
7 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) +1分16秒
8 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ プロチーム) +1分59秒
9 クサンドロ・ムーリッセ(ベルギー、ワンティ・ゴベール)
10 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)

個人総合
1 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) 30時間44分27秒
2 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーションファースト) +20秒
3 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +21秒
4 ワウト・プールス(オランダ、チーム イネオス) +28秒
5 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) +33秒
6 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) +1分11秒
7 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ プロチーム) +1分12秒
8 ダニエル・マーティン(アイルランド、UAE・チームエミレーツ) +1分21秒
9 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +1分24秒
10 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +1分38秒

ポイント賞
1 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) 82 pts
2 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) 53 pts
3 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 49 pts

山岳賞
1 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 75 pts
2 マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ プロチーム) 25 pts
3 ワウト・プールス(オランダ、チーム イネオス) 15 pts

新人賞
1 ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル) 30時間47分44秒
2 ニールソン・ポーレス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) +11分42秒
3 セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) +16分2秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 92時間19分24秒
2 チーム イネオス +12分58秒
3 グルパマ・エフデジ +13分22秒

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