ツール・ド・スイス2019 第1ステージ初日TTは現世界王者のデニスが優勝 前年ツール覇者のトーマスは13位で発進

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 9日間で行われるUCIワールドツアー、ツール・ド・スイスが6月15日に開幕した。ツール・ド・フランス前哨戦の1つとして知られる同レースの初日は、個人タイムトライアル(TT)が行われ、現世界チャンピオンのローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ)。アルカンシエルに相応しい走りで、勝利を手にした。ツール前年覇者のゲラント・トーマス(イギリス、チーム イネオス)は、17秒遅れの13位でまとめた。

現在、個人TTでは圧倒的な力を発揮するローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ)が、世界チャンピオンの実力を見せて優勝 Photo: STIEHL / SUNADA

ツールを見据えた戦い

 1933年に始まり、今年で83回目を迎えるツール・ド・スイス。今年も全9ステージで争われ、山岳ステージも多く組み込まれている。同時期に開催されているのクリテリウム・ドゥ・ドーフィネと同様、ツール・ド・フランス前哨戦としてもお馴染みだ。ツール出場が決まっている選手にとっては言わずもがなの重要なレース。トーマスやペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)もスイスに出場する。同時に、ツール出場の当落線上にいる選手は、ここで結果を残すことがツール出場への道になる。

4位に入ったクラーウアナスンは新人賞ジャージを獲得 Photo: STIEHL / SUNADA

 今年の第1ステージは、9.5kmのタイムトライアル。コースはほぼ平坦でコーナーはたった3つ、純粋なが速さが問われるコースだ。

 序盤に好タイムを記録したのは、6番目出走のパトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム)。11分を切る10分58秒でゴールをする。

 だが、その記録は早々に塗り替えられる。現ポーランド個人TTチャンピオンのマチェイ・ボドナル(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)が、10分50秒38でフィニッシュ。ベヴィンのタイムを8秒上回る圧巻の走りをみせる。

現個人TT世界チャンピオンが登場

 32番目に登場したのは、個人TT世界チャンピオンのデニス。世界チャンピオンの証であるアルカンシエルに身をつつみスタートする。美しいフォームで走るデニスだったが、中間計測では5分20秒01でトップタイムではなかった。だが、ここからが世界チャンピオンの脚の見せどころだった。後半、スピードを上げ10分50秒23でゴール。ボドナルをコンマ差でかわしホットシートに座った。

 デニスの後には、優勝候補に挙げられる、現スイス個人TTチャンピオンのシュテファン・キュング(スイス、グルパマ・エフデジ)やマイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ)、セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、チーム サンウェブ)といった有力選手もスタートしたが、デニスには及ばず。キュングに関しては、中間計測で5分15秒54とデニスを大きく上回ったものの、ゴールタイムでは敗れた。

昨年大会のTTでは圧倒的強さを見せたキュングだが、デニスには及ばず Photo: STIEHL / SUNADA

イネオス勢の走り

 ツール前年覇者のトーマスは、59番目に出走。17秒遅れの13位とまずまずの成績となる。またチームメートでツール出場予定の、現スペイン個人TTチャンピオンのヨナタン・カストロビエホ(スペイン、チーム イネオス)は18秒遅れの14位、エガン・ベルナル(コロンビア、チーム イネオス)は23秒遅れの26位でゴール。トップ10にこそ選手を送り込むことはできなかったが、各選手安定した走りをみせた。

 また、同じくツール出場予定のペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ)は、7秒遅れの7位でゴールした。

 今大会の出場人数は147人。100人以上がレースを終えても、デニスのタイムを上回る選手は現れず。それどころか、この頃になると雨が降り始め、ラスト40人程は好タイムが望めない状況になる。この雨は、最終出走者のミケル・モルコフ(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)の番になっても止まず。結局、デニスのタイムが塗り替えられることはなかった。

総合首位のリーダージャージに袖を通したデニス。スイスの元名選手、カンチェラーラ氏が表彰台で祝福 Photo: STIEHL / SUNADA

 個人TT世界チャンピオンに相応しい走りをみせたデニス。もちろんリーダージャージも手に入れた。

 翌第2ステージは早くも山岳ステージ。ラングナウ・イム・エメンタールを発着点とする159.6kmで争われる。総合勢の走りにも注目していきたい。

第1ステージ結果
1 ローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ) 10分50秒
2 マチェイ・ボドナル(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) +0秒
3 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ) +1秒
4 セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、チーム サンウェブ) +2秒
5 カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)
6 ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト) +5秒
7 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) +7秒
8 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム) +8秒
9 シュテファン・キュング(スイス、グルパマ・エフデジ) +9秒
10 トーマス・スクーリー(ニュージーランド、EFエデュケーションファースト) +11秒

個人総合時間賞
1 ローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ) 10分50秒
2 マチェイ・ボドナル(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) +0秒
3 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ) +1秒
4 セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、チーム サンウェブ) +2秒
5 カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ)
6 ローソン・クラドック(アメリカ、EFエデュケーションファースト) +5秒
7 ペテル・サガン(スロバキア、ボーラ・ハンスグローエ) +7秒
8 パトリック・ベヴィン(ニュージーランド、CCCチーム) +8秒
9 シュテファン・キュング(スイス、グルパマ・エフデジ) +9秒
10 トーマス・スクーリー(ニュージーランド、EFエデュケーションファースト) +11秒

ポイント賞
1 ローハン・デニス(オーストラリア、バーレーン・メリダ) 12 pts
2 マチェイ・ボドナル(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) 8 pts
3 マイケル・マシューズ(オーストラリア、チーム サンウェブ) 6 pts

新人賞
1 セーアン・クラーウアナスン(デンマーク、チーム サンウェブ) 10時間52分47秒
2 カスパー・アスグリーン(デンマーク、ドゥクーニンク・クイックステップ) +0秒
3 トム・ボーリ(スイス、UAE・チームエミレーツ) +13秒

チーム総合
1 ボーラ・ハンスグローエ 32分56秒
2 チーム サンウェブ +0秒
3 EFエデュケーションファースト +15秒

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