クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2019 第7ステージプールスがクイーンステージで勝利 マイヨジョーヌはアダム・イェーツからフルサングへ

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2019は6月15日、第7ステージが行われ、ワウト・プールス(オランダ、チーム イネオス)が優勝を飾った。最終盤で単独アタックに成功、先頭にいた2人をかわしフィニッシュラインを通過した。総合首位のマイヨジョーヌは、アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)からステージ2位に入ったヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム)に移動。翌日の最終ステージに向かう。

イネオスのプールスがステージ優勝。エースのフルームを落車負傷で失ったチームに希望をもたらした Photo: STIEHL / SUNADA

総合を占う山頂フィニッシュ

 第7ステージは、カテゴリー山岳が4つ組み込まれた133.5km。約36km地点から1級山岳が3連続で登場、最後に距離19km・平均勾配6.9%の超級山岳を上りきってゴールとなる。総合順位の大変動が予想された。

 また、このステージを前にトム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)、アンドレ・グライペル(ドイツ、アルケア・サムシック)、ダヴィデ・バレリーニ(イタリア、アスタナ プロチーム)、カチューシャ・アルペシンのイェンス・デブシェール(ベルギーン)、マス・ヴーツ・スミト(デンマーク)が未出走で大会を去った。

 スタート後、複数の選手が飛び出し先行する場面もあったが、決定的な逃げとはならず。集団は1つのまま進んでいく。大きな動きが出たのは、約20km地点。前日優勝したジュリアン・アラフィリップ(フランス)ら、複数の有力選手を含む22人の大きな逃げ集団が形成された。

 強力な逃げということもあって、レースは落ち着かない展開に。後方では、カウンターアタックがかかり何人かの選手が逃げへのジョインに成功する。また、50km地点を過ぎて2つ目の1級山岳に向かう上りでは、アラフィリップとレナード・ホフステッド(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が先行。2人の逃げ、約25人の追走、メイン集団という構図になる。

1級山岳3つ+超級山岳山頂ゴールという、厳しいコースでのレース Photo: STIEHL / SUNADA

 しばらくは3つの集団で展開されたレースだったが、先頭でアクシデントが起こる。ホフステッドが落車、さらに山岳賞ジャージを着るアラフィリップも、2つ目の山岳ポイントを取った後は後ろに戻り、再び大きな先頭集団となる。

 次に動きがでたのは3つ目の1級山岳、先頭集団からマイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト)、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ プロチーム)が飛び出した。降りしきる雨の中、先頭交代を繰り返しゴールを目指す2人。一方、2人がいた20人以上の集団は分断。2人の逃げ、分断した2つのグループ、さらに後ろにミッチェルトン・スコットがけん引するメイン集団が続く形になっていた。

逃げを追い詰めるメイン集団

 しばらく2人で粘るかと思われた先頭だったがウッズが後退。逃げはルツェンコのみとなる。しかしラストの超級山岳の上りに入ったところで、追走がルツェンコに追い付くことに成功。復帰したウッズや、ジャンニ・モスコン(イタリア、チーム イネオス)も含めて8人の先頭集団となり、山頂のゴールを目指す。

ステージ6位に入ったアダム・イェーツだが、総合2位に後退 Photo: STIEHL / SUNADA

 一方この頃、約2分後ろにいたメイン集団はモビスターがコントロールしていた。ペースアップしたメイン集団は、逃げ集団から遅れた選手を続々と吸収。先頭からのタイム差を約1分にまで縮めてきた。

 残り11km、そのメイン集団で動きがでる。チームからのアシストを受けたナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)が満を持してアタックする。だが、ここにはミカル・クウィアトコウスキー(ポーランド、チーム イネオス)が反応。さらにフルサング擁するアスタナ プロチームもすかさず動く。結局、アスタナは2人を吸収、メイン集団の動きを振り出しに戻した。

 だが、ここでさらに動いたのがクウィアトコウスキー。今度は単独で先頭を追い始めた。クウィアトコウスキーが快調なペダリングで走行する一方、先頭では次々と選手が脱落していた。ラスト7km地点でクウィアトコウスキー先頭に追い付いたとき、残っていたのはウッズとルツェンコのみ。クウィアトコウスキーを加え先頭3人となった。

プールスが最後に鋭いアタック

 実力ある3人の逃げ。この中から優勝者が出てもおかしくない状況だったが、この日はクイーンステージ。総合を争うメイン集団の選手が黙っているわけはない。終盤になって、レースはこの日一番ともいえる程に活性化する。ラスト3.7kmでフルサングが、3.2kmではロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、2.5kmではエマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、そのほかにも有力選手が最後の力を振り絞って攻撃を仕掛ける。逃げを飲み込み、集団が大シャッフルされる中で先頭に残れたのはフルサングとブッフマン。ラスト1kmのフラムルージュもこの2人で通過した。

 しかし、そこに待ったをかけたのがプールス。残り800mで単独アタックを仕掛け、250mで先頭に追い付きフルサングとブッフマンをかわす。2人はその動きについていくことはできず、プールスがフィニッシュラインを1番に通過し、ステージを制した。

 絶対的エース、クリストファー・フルーム(イギリス)を失ったチーム イネオス。しかし、彼らは勝利を諦めたわけではない。逃げに乗ったモスコンやディラン・ファンバーレ(オランダ)、力強いアタックを仕掛けたクウィアトコウスキー、そして優勝したプールス。チーム全員が自らの仕事を果たし、勝利を手にした。

 最終日の第8ステージは、113.5kmのショートステージ。100km強の中に7つもの山岳が詰め込まれている。総合成績は7位までが1分以内の僅差となっており、最後まで総合優勝をかけた激しいレース展開が予想される。

一昨年の総合優勝者、フルサングが最終日を前に首位に立った Photo: STIEHL / SUNADA

第7ステージ結果
1 ワウト・プールス(オランダ、チーム イネオス) 4時間1分34秒
2 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +1秒
3 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
4 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) +10秒
5 ダニエル・マーティン(アイルランド、UAE・チームエミレーツ)
6 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)
7 ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +13秒
8 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーションファースト) +16秒
9 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) +30秒
10 ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル) +34秒

個人総合
1 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) 27時間36分40秒
2 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +8秒
3 ティージェイ・ヴァンガーデレン(アメリカ、EFエデュケーションファースト) +20秒
4 エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) +21秒
5 ワウト・プールス(オランダ、チーム イネオス) +28秒
6 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) +32秒
7 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ) +33秒
8 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ プロチーム) +1分12秒
9 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) +1分20秒
10 ダニエル・マーティン(アイルランド、UAE・チームエミレーツ) +1分21秒

ポイント賞
1 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) 82 pts
2 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) 53 pts
3 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 47 pts

山岳賞
1 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 52 pts
2 マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ プロチーム) 25 pts
3 カスパー・ピーダスン(デンマーク、チーム サンウェブ) 18 pts

新人賞
1 ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル) 27時間39分57秒
2 ニールソン・ポーレス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) +11分3秒
3 セップ・クス(アメリカ、ユンボ・ヴィスマ) +16分49秒

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 82時間55分58秒
2 ユンボ・ヴィスマ +4分49秒
3 EFエデュケーションファースト +11分13秒

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