クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2019 第2ステージ逃げ切った2人のスプリントを制しトゥーンスが優勝 8つの山越えで総合有力勢がバトル

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 フランスで開催の8日間のUCIワールドツアー「クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ」は6月10日、第2ステージが行われ、終盤に逃げた12人の集団から生き残った2人によるスプリントを制したディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ)が優勝し、個人総合成績でもトップに立った。後方メイン集団でも、総合有力選手らによる激しい攻防が繰り広げられた。

逃げ切った2人による僅差のスプリント争いに競り勝ったディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ)が2年ぶりの勝利 Photo: STIEHL / SUNADA

負傷明けのデュムランが逃げ

 第2ステージは180kmで行われた。スタートから10.5kmで最初の2級山岳を越えると、その後はゴールまで3級、3級、4級、3級、さらに3級、2級、2級という、合計8つのカテゴリー山岳を越える。この他にも山岳ポイントが付かない丘がいくつもあり、スタートからゴールまでほぼアップダウンという難コース。スタート時は小雨、その後もすっきりしない空模様となった。

リーダージャージのマイヨジョーヌを着てスタートするボアッソンハーゲン Photo: STIEHL / SUNADA

 レースは最初の峠を越えたところで10人強の逃げ集団が形成された。ここにはトム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)、ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)、ゴルカ・イサギレ(スペイン、アスタナ プロチーム)といった有力選手も含まれ、中でもアラフィリップは前半5つ目までの山岳ポイントを先頭通過し、この日ポイントを荒稼ぎした。メイン集団はチーム イネオスがコントロールし、タイム差は1分台に抑えられハイペースで進んでいった。

 逃げは最終的にデュムラン、イサギレ、エマヌエル・ブッフマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、ダヴィ・ゴデュ(フランス、グルパマ・エフデジ)の4人に絞られた。5月にジロ・デ・イタリアの大会序盤で負傷し戦線離脱していたデュムランは、コンディション調整のためにあえて、逃げて攻めの走りを選んでいる様子。しかしイネオスを中心としたメイン集団は、簡単に逃げ切りを容認しない。タイム差は徐々に縮められ、7つ目の山岳ポイントを通過したラスト35kmの緩やかな上りで、ついに逃げる4人を吸収した。

繰り下がりでポイント賞のマイヨヴェールを着たジルベール Photo: STIEHL / SUNADA

 すると一息つく暇もなく、すぐにカウンターアタックの動きが発生。アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ プロチーム)、ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・ゴベール)ら10人ほどが抜け出し、スプリントポイントを過ぎた下りでフィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)らも追い付いて12人の新たな逃げ集団となった。

ピノが積極的攻撃、バルデ、ポートらが遅れる

 逃げ集団はこの日最後、8つ目の2級山岳へ到達した。徐々に人数が絞られる中、最も勾配が厳しい区間でマルタンがアタック。これにトゥーンスのみが付き、2人の先頭グループが形成された。

 一方のメイン集団はイネオス勢がタイム差を先頭と20秒程度に抑え、虎視眈々と勝負どころをうかがう。そして先頭が動いた同じ2級山岳でティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)がアタック。これにマイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト)が付き、後ろからクリストファー・フルーム(イギリス、チーム イネオス)、ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)、アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)らが追うなど、各チームの総合エースたちが直接攻防する展開となった。

ピノ、フルーム、ウッズ、キンタナ、フルサングらが第2集団を形成 Photo: STIEHL / SUNADA

 この上りでは総合首位のマイヨジョーヌを着る、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)がメイン集団から脱落。また総合有力勢でもロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、ダニエル・マーティン(アイルランド、UAE・チームエミレーツ)、ステフェン・クライスヴァイク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)、リッチー・ポート(オーストラリア、トレック・セガフレード)らが若干遅れ、厳しい流れになった。

 先頭の2人は最後の山岳ポイントを通過し、ゴールまで約18kmの緩やかなアップダウンを、快調に逃げ続ける。ピノやフルームらのグループは9人の第2集団となり、協調態勢を取りながら20秒ほどの差で先頭を追う。そのさらに20秒ほど後ろで、バルデ、ポートらの第3集団が追いかける。

トゥーンスが2年ぶり勝利

 先頭を吸収するのは時間の問題かと思われたフルームら第2集団だが、ゴールまで残り5kmの緩い上りでピノがアタック。差を付けられてフルームが自ら追いかける場面も見られ、その後もしばらくアタック合戦となった。積極的なピノを中心とした第2集団での小競り合いは、逃げる先頭の2人にとっては追い風となった。ラスト1kmでも20秒弱の差を守り切った2人は逃げ切りが確定。スプリント争いは身体の大きなトゥーンスを前に出したマルタンが、最終コーナーから一気の加速で前に出て、僅差の勝負となったが、最後はトゥーンスが競り勝って優勝を飾った。

小柄なマルタンが最終コーナーから攻撃 Photo: STIEHL / SUNADA
2年ぶりの勝利を収めたトゥーンス Photo: STIEHL / SUNADA

 27歳のトゥーンスは2017年以来、約2年ぶりの勝利。旧BMCレーシングチームでワールドチーム入りし、2017年にはワールドツアーを含む8勝を挙げる大活躍を見せていたが、昨年1年間は勝利にあと一歩届いていなかった。旧BMCが実質消滅して移籍した新チームで、久々の栄冠を獲得、さらに個人総合時間でもトップに立ち、リーダージャージのマイヨジョーヌに袖を通した。

 この日は序盤の山岳からのハイペースの展開からか、ナセル・ブアニ(フランス、コフィディス ソルシオンクレディ)ら9人もの選手がレースを去った。翌第3ステージは177kmで行われる。前半に4級山岳1つ、中盤に4級山岳3つを越えた後は、ゴールまで50kmほぼフラットとなり、ピュアスプリンター勢が唯一活躍できるステージとなりそうだ。

個人総合でも首位に立ったトゥーンスがマイヨジョーヌを獲得 Photo: STIEHL / SUNADA

第2ステージ結果
1 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) 4時間12分41秒
2 ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・ゴベール) +0秒
3 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +13秒
4 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)
5 マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト)
6 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ プロチーム)
7 ペトル・ヴァコッチ(チェコ、ドゥクーニンク・クイックステップ)
8 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム)
9 ワウト・プールス(オランダ、チーム イネオス)
10 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)

個人総合
1 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) 7時間37分3秒
2 ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・ゴベール) +3秒
3 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム) +20秒
4 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ プロチーム) +21秒
5 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +24秒
6 マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト)
7 ワウト・プールス(オランダ、チーム イネオス)
8 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム イネオス)
9 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)
10 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)

ポイント賞
1 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ プロチーム) 34 pts
2 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) 29 pts
3 ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・ゴベール) 28 pts

山岳賞
1 カスパー・ピーダスン(デンマーク、チーム サンウェブ) 18 pts
2 マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ プロチーム) 13 pts
3 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 12 pts

新人賞
1 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) 7時間38分59秒
2 ニルス・ポリッツ(ドイツ、カチューシャ・アルペシン) +3秒
3 オドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、ワンティ・ゴベール)

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 22時間53分57秒
2 EFエデュケーションファースト +31秒
3 グルパマ・エフデジ

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