好調のアウラールを封じる5人が逃げ切りでシマノ中井唯晶が初優勝 Jプロツアー第7戦「那須塩原クリテリウム」

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 国内最高峰のロードレースツアー、Jプロツアーの第7戦「第3回JBCF那須塩原クリテリウム」が6月8日、栃木県那須塩原市のJR那須塩原駅西口に設定された1周2.1kmのコースを27周する56.7kmで争われ、レース中盤に形成された逃げ集団で逃げ切った中井唯晶(シマノレーシング)が三つ巴のゴールスプリント勝負を制してJプロツアー初優勝を飾った。

最後に伸びのあるスプリントを見せた中井唯晶(シマノレーシング)がうれしいJプロツアー初優勝を飾った Photo: Nobumichi KOMORI

“駅すぐ”で開催

 5月11、12日に行われた宇都宮ラウンドからおよそ1カ月の中断を経て開催となったJプロツアー。再開戦となる栃木ラウンドは、栃木県那須塩原市で開催される那須塩原クリテリウムと同矢板市で開催されるやいた片岡ロードレースの2連戦。どちらのレースも鉄道駅を降りてすぐが会場になっていて、「駅近、駅すぐ、駅サイティング」というキャッチフレーズで事前告知も積極的に行われていた。

「駅近、駅すぐ、エキサイティング」のキャッチフレーズ通り、JR那須塩原駅西口を出てすぐがレース会場 Photo: Nobumichi KOMORI
レース前には渡辺美知太郎・那須塩原市長と那須塩原市立東那須野中学校の生徒会長がパレードランを行った Photo: Nobumichi KOMORI
宇都宮ブリッツェンら栃木県内の3チームとチーム ブリヂストンサイクリングがレース前にプレゼンテーションに参加 Photo: Nobumichi KOMORI
雨予報にもかかわらずに多くの観戦客が訪れ、選手たちに声援をおくった Photo: Nobumichi KOMORI

 初戦となる那須塩原クリテリウムは、JR那須塩原駅西口に設定された1周2.1kmのコースが舞台。3回目の開催となる今年はT字型のコースレイアウトは昨年までと変わらないが、東西のストレートが延伸されてT字の向きも変更になったことで昨年までから200mコースが短くなった。また、クリテリウム形式のレースではあるが、180度コーナーが3カ所あることで絶えずストップ&ゴーが繰り返され、過去2大会は完走率が30%前後とサバイバルな展開になる厳しいコースとしても知られている。

6人の逃げが決まる

ランキング上位選手を先頭に選手たちがスタートラインに整列する Photo: Nobumichi KOMORI

 数日前から雨予報が出ていたにもかかわらず、直前に雨が上がった中でスタートしたレースは、集団内のストップ&ゴーで無駄脚を使いたくない選手たちがほとんどということもあり、激しいアタック合戦に。集団前方でアタック&チェックが繰り返されてペースが上がり、後方では早くも千切れ始める選手が出る状況になった。その後、しばらくはアタック&チェックの出入りの激しい展開が続いたが、中盤に入るとUCIコンチネンタルチームを中心とする12人の逃げ集団が形成される展開になった。

スタート直後から、レースは激しいアタック合戦に Photo: Nobumichi KOMORI
集団前方をキープしたいチームが多く落ち着かない時間帯が続く Photo: Nobumichi KOMORI
数人の選手が先行しては集団が吸収する展開がしばらく続く Photo: Nobumichi KOMORI
有力選手を含む12人の逃げ集団が形成される Photo: Nobumichi KOMORI

 マトリックスパワータグ3人、宇都宮ブリッツェン4人、チーム ブリヂストンサイクリング2人、シマノレーシング2人、那須ブラーゼン1人と有力チームの選手がまんべんなく入った逃げ集団だったが、チーム ブリヂストンサイクリングは窪木一茂や黒枝士揮などスプリント力のある選手を送り込めなかったこともあってか、逃げを吸収してレースを振り出しに戻そうとメイン集団のペースアップを開始し、逃げ集団とのタイム差を縮めていった。すると、この状況を受けて逃げ集団内では集団に戻ろうとする動きとそのまま逃げ続けようとする動きが出たことでふたつに分断され、6人の選手がそのまま逃げ続ける展開になった。

メイン集団はチーム ブリヂストンサイクリングがペースアップを試みるも続かず Photo: Nobumichi KOMORI
12人の逃げ集団からさらに飛び出した6人の選手が逃げ続ける展開になる Photo: Nobumichi KOMORI

 オールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)、阿部嵩之と鈴木龍(ともに宇都宮ブリッツェン)、中井、木村圭佑(シマノレーシング)、今村駿介(チーム ブリヂストンサイクリング)という6人の逃げ集団は協調しながらメイン集団から逃げ続ける。一方のメイン集団はチーム ブリヂストンサイクリングがなおも吸収を目指してペースを上げ続けたが、なかなかタイムは縮まらずに崩壊。後を受けたマトリックスパワータグが抑え気味のペースでコントロールをしたことで、最大で50秒弱のタイム差がつくまでに差が開いた。

コース中に3カ所ある180度コーナーが選手たちを苦しめる Photo: Nobumichi KOMORI

シマノ、ブリッツェンが揺さぶり

 結局、メイン集団のペースアップをしなければいけない脚のあるチームがなかったこともあって、残り5周を切ってもタイム差は30秒ほどと、逃げ集団の逃げ切りが濃厚な状況に。この時点で逃げ集団からは今村が遅れており、勝負は5人の選手に絞られることになった。

木村圭佑(シマノレーシング)がアタックを仕掛け、オールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)の脚を削りにかかる Photo: Nobumichi KOMORI

 逃げ集団内で一番スプリント力があるアウラールに対し、数的有利の宇都宮ブリッツェンは阿部、シマノレーシングは木村が揺さぶりをかけてアウラールの脚を削っていき、レースは最後のスプリント勝負になった。

 ゴールスプリントはアウラールの動きに注意を払い、アウラールが加速したタイミングでその番手からスプリントを開始ししようとした鈴木龍の後方から、一瞬早いタイミングで中井がスプリントを開始。抜群の伸びを見せた中井はアウラールと鈴木龍の2人を置き去りにするかのように先行してそのままフィニッシュ。自身にとって初となると同時に、チームにとっても今季Jプロツアー初勝利となる優勝を飾った。

中井唯晶(シマノレーシング)が鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)とオールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)をかわして先頭におどり出る Photo: Nobumichi KOMORI

 この結果、ツアーリーダーの証であるプロリーダージャージは岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が、23歳未満のランキングトップの選手が着用するネクストリーダージャージは今村がそれぞれ堅守している。しかし、岡と2位のアウラールのポイント差はごくわずかで、翌日の第8戦の結果次第では順位が入れ替わる可能性がある。

 次戦は翌6月9日に「やいた片岡ロードレース」が、矢板市で開催される。

表彰式。左から2位の鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)、優勝の中井唯晶(シマノレーシング)、3位のオールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) Photo: Nobumichi KOMORI
プロリーダージャージは岡篤志(宇都宮ブリッツェン)、ネクストリーダージャージは今村駿介(チーム ブリヂストンサイクリング)がそれぞれキープした Photo: Nobumichi KOMORI
5周、10周に設定されたスプリント賞を橋本英也(チーム ブリヂストンサイクリング)、15周に設定されたスプリント賞をオールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)が獲得 Photo: Nobumichi KOMORI

那須塩原クリテリウム結果
1 中井唯晶(シマノレーシング) 1時間19分59秒
2 鈴木龍(宇都宮ブリッツェン) +0秒
3 オールイスアルベルト・アウラール(マトリックスパワータグ)
4 木村圭佑(シマノレーシング) +4秒
5 阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン) +9秒
6 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +44秒
7 窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)
8 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) +45秒
9 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) +46秒
10 横山航太(シマノレーシング)

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