『Cyclist』女性記者が試乗インプレッション走る好奇心を止めない リブの新型‟無敵”ロードバイク「AVAIL ADVANCED」シリーズ

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 ジャイアントが手がける女性ブランド「Liv」(リブ)が世界各国の自転車メディアの女性記者を集め、エンデュランスにフォーカスした新型ロードバイク「AVAIL ADVANCED」(アヴェイル アドバンスド)シリーズの発表・試乗会を開催した。招集場所はフランス・プロヴァンス。自然豊かで丘陵地帯が広がる長閑なエリアだが、サイクリング的には小高いヒルクライムやグラベルが随所にミックスされたバラエティに富む地形だ。そのプロヴァンスの小さな街、リュベロンで『Cyclist』を含む9人の女性記者たちが上位モデルの「アヴェイル アドバンスド プロ」をたっぷりと試した。

フランス・プロヴァンスで開催された「アヴェイル アドバンスド プロ」の試乗会 ©Liv

平地・未舗装路・坂にも強い万能設計

 リブが発足して間もなく誕生した、ブランドを代表する「アヴェイル」シリーズ。長らくエンデュランスカテゴリーをけん引してきた同シリーズのカーボンフレームモデルが5年ぶりにモデルチェンジを果たした。新しく生まれ変わったモデルは、一言でいうならば、快適かつ多用途に「なんでもできる」ロードバイク。軽量、かつ女性の脚力に最適化された剛性をもつアドバンスド・グレードのカーボンフレームとフォークを採用したモデルで、エントリーユーザーから走り慣れたサイクリストまで、走る場所を選ばずにそれぞれのレベルに応じた楽しみ方ができるようになった。

試乗したのは「アヴェイル アドバンスド プロ1」。エンデュランス用に設計されたジオメトリのコンパクトロードで、上体が起きた乗車姿勢がサイクリングでの快適性を生み出す。艶のあるクールでシックなフレームは、ポイントの色使いでオーナーの個性やセンスを引き立たせてくれそう ©Liv

 その理由の1つはタイヤのサイズの変化。以前のモデルは25cを標準装備していたが、新型アヴェイルでは新たに開発された32cのタイヤを採用することで路面状況の悪い道路はもちろん、未舗装路などのハードコンディションに遭遇した場合でも安心して走行することができる。

最大32cのタイヤまで対応可能なクリアランス Photo: Kyoko GOTO

 また、身体が接するパーツには“しなり”を生み出す同社独自の「D-Fuse」(ディーフューズ)テクノロジーを採用。D型の断面がサスペンションの役割を果たすことで路面から伝わる振動を軽減し、長時間のライディングでも快適に保つ技術で、前モデルではカーボンシートピラーのみに採用していたが、新モデルではハンドルバーの角度を変えることで剛性と振動吸収性を調整できる「D-FUSEハンドル」も採用した。さらに制動力の高い油圧ディスクブレーキを搭載したことで、雨などの悪天候下でのダウンヒルでも正確なステアリングを可能にする。

しなりを生み出す同社独自の「D-Fuse」テクノロジーを用いたシートピラー ©Liv
高い制動力をもつ油圧ディスクブレーキを搭載 ©Liv

 スペックだけをみると、平地の快適走行、未舗装路での走破性、そして登坂力という3要素が揃った、まさに“何でもできる”ロードバイク。「本当にそんな無敵なバイクなのか?」という疑問を確かめるために、「アヴェイル アドバンスド プロ」でリュベロンの街へと走り出した。

ときどきグラベルロード、ときどきMTB

 リュベロンは南仏プロヴァンスに位置する自然公園地帯。サイクリストにとってプロヴァンスというと、ツール・ド・フランスなど数々の歴戦の舞台となった独立峰「モン・ヴァントゥ」をイメージする人も多いかもしれないが、ここはブドウ畑やオリーブ畑、ラベンダー畑などが広がる長閑なエリアだ。力強くヒルクライムするような急峻な山はないが、波打つような丘陵地帯に加え、小道に入ると舗装が行き届かない“素朴”な道や荒っぽいグラベルが顔を出す。なるほど、新型アヴェイルを試すにはうってつけのコースプロファイルというわけだ。

平地と丘陵地帯が程よく入り交じる南仏の村、リュベロン ©Liv

 今回の新作発表会に集まったのは8カ国9人の女性記者で、地元フランスの記者を除く8人はこの地を走るのは初めてとのこと。知らない土地を走る高揚感と好奇心に応えるように、「アヴェイル アドバンスド プロ」は女性サイクリストたちを乗せて走り出した。

初めて訪れる地でアドベンチャースタート! ©Liv

 気になる漕ぎ出しは「32cのわりに意外と軽い」というのが第一印象。見た目のタイヤの太さやアップライトなポジション、ボリュームがあるヘッド、ハンドル周りに無意識に“重さ”を感じていたのだろうか。実際にまたがってみると低めの重心と足回りの軽さが奏効し、見た目の重量よりさらに軽いペダリングを感じた。エンデュランスロードは軽さと快適性のバランスが天秤にかけられ、比較的重量が増すモデルが多い。しかし、この新型アヴェイルは軽い乗り心地で、32cのタイヤによる路面の抵抗もそれほど感じなかった。

どんな道も快適に走行できると、心からライドを楽しめる ©Liv

 真価が現れたのはやはり悪路だ。舗装路であっても路肩は状態が悪い個所が多く、サイクリストたちは当初ハンドサインを頻繁に送りながら互いに注意を促していたが、25cのタイヤと違って楽々と走破できることがわかると、次第に多少の凸凹ではサインを送らなくなっていった。些細なことではあるが、路肩の凸凹によるストレスが解消されることは、それだけでとても解放的な気分になる。

 普段ならパンクの不安から諦めてしまうグラベルも、大げさでなく“戦車ばり”に走破。加えて秀逸な振動吸収性がグラベルロードを思わせる安定した走行感を生み出す。

突如現れるグラベルの坂も臆することなく走破 Photo: Kyoko GOTO

 「基本ロード、ときどきグラベルロード」という印象を感じたそのとき、今度は目の前にグラベルのまま斜度10%超の激坂が出現。思わず「ダメだっ、脚をつく!」と思った瞬間、あらかじめインナーローに入れてくるくる回していたギアが、「よいしょっ」と言わんばかりに足元から押し上げてくれた。そう、インナーローのギア比が嬉しいことに1:1だったのだ。

 「かっ、軽い…。1:1のギアってこういうこと?」。さらに32cのタイヤが路面をがっちりとらえているため、トルクをかけて空転するハラハラ感もない。自転車メディアの女性記者たちは乗り慣れているということもあるが、誰一人脚をつくことなくグラベル坂を走破。さきほどの印象に「ときどきMTB」の一言が加わった。

どんな坂も快適に上れるうれしいギア構成 ©Liv

 さらにこのモデルの総合力は下りでも発揮された。32cのタイヤががっちりと路面をとらえる安定感が足元から伝わるので、「攻める」というよりはリラックスしてコーナーに入ることができる。加えて油圧ディスクブレーキの強力な制動力が、わずかな握力でしっかりとスピードを制御。良い意味でスピードが出過ぎず、またブレーキを握りしめ過ぎずに速度をコントロールできる点は、「ダウンヒルが苦手」というサイクリストには嬉しい好バランスだと感じた。

ビギナーのデビューにも最適

 「アヴェイル アドバンスド プロ」の総合力を体感すると、「何でもできるロードバイク」というのは、なるほど、大げさではない。切れ味やスピードを求めるレース仕様の乗り心地も、タイヤのサイズを変えて試してみたいところではあるが、それよりもやはり32cというタイヤを搭載したこのモデルだからこそ広がる可能性を評価したい。より遠く、より快適に、好奇心の赴くままに─そんな楽しみ方をしたい人にとっては最適な相棒になるだろう。

透明度が高く、水中の水草がまぶしいほどの青さを放っていた「フォンテーヌ・ド・ヴォークリューズ」 Photo: Kyoko GOTO
絶景を楽しむ女性サイクリストたち Photo: Kyoko GOTO

 この試乗サイクリングでも、事前にコースプロファイルは一切知らされず、記者たちは突如行く手に現れる坂やグラベルなどの“課題”を克服。そしてさまざまなコンディションの道を走り抜けた先に、サイクリストたちの心を奪う絶景が待ち構えていた。「アドベンチャーへの好奇心を遮らない」─今回の「アヴェイル アドバンスド プロ」の試乗からはそんなメッセージが伝わってきた。

坂を上った先に現れた「ゴルド」という村。崖にへばりつくように広がる家々が遠方から見るとまるで宙に浮いているような様は別名「鷲の巣村」とも呼ばれる Photo: Kyoko GOTO
途中で見つけたさくらんぼの木で、急きょ「Cherry time」! Photo: Kyoko GOTO
「アドベンチャーに食料は不可欠よね!」と少女のようにはしゃぐサイクリストたち Photo: Kyoko GOTO

 最後には仕事を忘れ、純粋にサイクリングを楽しんでいた女性記者たち。「このバイクでなら、バイクパッキングスタイルで荷物を積載してツーリングにも行けるね」などと、早くも遊び方を想像して盛り上がっていた。もちろんベテランサイクリストだけでなく、ビギナーに対しても、始めたばかりの頃に感じがちな恐怖や不安、苦手要素を、このバイクは優しくサポートしてくれるはずだ。

 それぞれのレベルで、それぞれの新しい世界へ。「なんでもできる」ロードバイクはつまり、乗り手の世界を広げるアドベンチャーバイクなのだ。

ライドをともにした女性サイクリストたち。おそろいのリブの新作ジャージを着て ©Liv

 なお、国内で販売するシリーズモデルは「アドバンスド プロ2」と「アドバンスド2」の2モデルをラインナップ。8月頃の入荷を予定している。

アヴェイル アドバンスド プロ2(カメレオンブルー) ©Liv
アヴェイル アドバンスド2(ブラック) ©Liv

■AVAIL ADVANCED PRO 2
メインコンポーネント:シマノ アルテグラ(34/50T、11-34T)
タイヤ:GIANT GAVIA FONDO 1 700x32C Tubeless Ready
サイズ:XXS(145-160)、XS(155-170)、S(165-175)、
カラー:カメレオンブルー
税込価格:未定

■AVAIL ADVANCED 2
メインコンポーネント:シマノ 105(34/50T、11-34T)
タイヤ:GIANT GAVIA FONDO 1 700x32C Tubeless Ready
サイズ:XXS(145-160)、XS(155-170)、S(165-175)、
カラー:ブラック
税込価格:未定

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