クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2019 第3ステージベネットが大集団スプリントを制して優勝 トゥーンスが総合首位キープで翌日のTTへ

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ2019は6月11日、第3ステージが行われ、サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が大集団スプリントを制し優勝を飾った。他を寄せ付けない力強いスプリント、ガッツポーズでフィニッシュラインを通過した。また総合首位のマイヨジョーヌは、ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ)がキープしている。

サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ)が大集団スプリントを制し優勝 Photo: STIEHL / SUNADA

スプリンターの見せ場

 第3ステージは、ル・ピュイ・アン・ヴレからリオンまでの177km。今大会最初の平坦ステージだ。4級山岳が4つ登場するものの、スプリンターでも十分にクリアできる上り。ゴールラインでのスプリンターの競演が予想された。

今大会ここまで好調な様子のピノ Photo: STIEHL / SUNADA

 スタート後、逃げたのはナトナエル・ベルハネ(エリトリア、コフィディス ソルシオンクレディ)とカンタン・パシェ(フランス、ヴィタルコンセプト・B&Bホテルス)。後ろはこの動きを早々に容認し、逃げ2人の長い旅が始まった。一方メイン集団はボーラ・ハンスグローエ、バーレーン・メリダ、アルケア・サムシックがコントロール。それぞれ、サム・ベネット、ソンニ・コルブレッリ(イタリア)、アンドレ・グライペル(ドイツ)のスプリンターで勝利を狙う。

静かに進むレース

 メイン集団は時速30kmを下回る場面もあったが徐々にペースアップ。3つ目の4級山岳頂上付近の残り60kmでは、タイム差は1分半に縮まっていた。メイン集団はチェザーレ・ベネデッティ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)やルカ・ピベルニク(スロベニア、バーレーン・メリダ)が先頭で牽引。スプリンターチームは前で積極的に、総合系チームは後ろで息を潜めていた。

 ゴールまで約40km地点、タイム差は1分を切る。ベネデッティ、ピベルニクに加えフィリップ・ジルベール(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ)も先頭交代に加わり、前の動きをうかがっていた。また、この頃になると雨も止み、上着を脱ぐ選手も多くみられた。

古城のそばを進むプロトン Photo: STIEHL / SUNADA

 徐々にタイム差は縮まり、メイン集団はいつでも2人を捕まえられる状態。ゴールまで約15km地点のスプリントポイントを過ぎたところでは、目と鼻の先だった。そして、ラスト12kmでとうとう吸収。勝負のゴングが鳴らされた。前は、チーム イネオス、バーレーン・メリダ、EFエデュケーションファーストなど複数のチーム。そのほかの選手もチームごとにまとまっていた。

 残り5km、集団に緊張感が増す。前方には、CCCチーム、グルパマ・エフデジ、モビスター チーム、アージェードゥーゼール ラモンディアールが位置。ボーラ・ハンスグローエやドゥクーニンク・クイックステップは後ろで息を潜めていた。

ベネットが圧勝

 残り2km、アルケア・サムシック、ユンボ・ヴィスマ、カチューシャ・アルペシンなど、さまざまなチームが入り乱れるが決定的な動きとはならず。この時点では、どのチームにも勝負権がある状態だった。動きが出たのは、残り1km。ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ)が中央からアタックする。そこにカチューシャとアスタナが反応、アラフィリップに続く。だが、スプリンターのアルバロホセ・オデーグ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)に勝負を託したのか、アラフィリップはペダルを踏み止める。アラフィリップの後ろにいた選手はそれにつられてかペースダウン。その隙に抜け出したのが、シェーン・アーチボルド(ニュージーランド、ボーラ・ハンスグローエ)だった。猛烈な引きで、ベネットを引き上げる。

 ゴール直前、アーチボルドは先頭に躍り出てベネットを発射。絶好のタイミングでスプリントを開始したベネットはゴール前に勝利を確信し、ガッツポーズでフィニッシュラインを通過した。今年のワールドツアーで6勝目をあげたベネット。名スプリンターに相応しい勝利となった。また、2017年までボーラに在籍し、今シーズン途中にチームに復帰したアーチボルドの仕事ぶりも見逃せない。パスカル・アッカーマン(ドイツ)やペテル・サガン(スロバキア)擁するボーラにとって、彼のような発射台は重要な戦力。今後、どんな活躍をみせてくれるか楽しみだ。

今大会唯一のスプリンターステージを制したベネット Photo: STIEHL / SUNADA

 明日の第4ステージは26.1kmの個人タイムトライアル(TT)。総合争いに動きが出るだろう。また、ツールで総合を狙うクリストファー・フルーム(イギリス、チーム イネオス)、アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)、ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)、ロマン・バルデ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム)といったエース級選手のコンディションにも注目したい。

区間2位に入りポイント賞ジャージも獲得したファンアールト。引き続き新人賞ジャージもキープ Photo: STIEHL / SUNADA
マイヨジョーヌを守って個人タイムトライアルへと進むトゥーンス Photo: STIEHL / SUNADA

第3ステージ結果
1 サム・ベネット(アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ) 4時間15分25秒
2 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) +0秒
3 ダヴィデ・バレリーニ(イタリア、アスタナ プロチーム)
4 クレマン・ヴァントゥリーニ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)
5 エドワード・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード)
6 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ)
7 アルバロホセ・オデーグ(コロンビア、ドゥクーニンク・クイックステップ)
8 イェンス・デブシェール(ベルギー、カチューシャ・アルペシン)
9 ルカ・メズゲッツ(スロベニア、ミッチェルトン・スコット)
10 ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル)

個人総合
1 ディラン・トゥーンス(ベルギー、バーレーン・メリダ) 11時間52分28秒
2 ギヨーム・マルタン(フランス、ワンティ・ゴベール) +3秒
3 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ プロチーム) +20秒
4 ヤコブ・フルサング(デンマーク、アスタナ プロチーム)
5 ナイロ・キンタナ(コロンビア、モビスター チーム) +24秒
6 ティボー・ピノ(フランス、グルパマ・エフデジ)
7 マイケル・ウッズ(カナダ、EFエデュケーションファースト)
8 クリストファー・フルーム(イギリス、チーム イネオス)
9 ワウト・プールス(オランダ、チーム イネオス)
10 アダム・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)

ポイント賞
1 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) 42 pts
2 エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、ディメンションデータ) 39 pts
3 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ プロチーム) 38 pts

山岳賞
1 カスパー・ピーダスン(デンマーク、チーム サンウェブ) 18 pts
2 マグナス・コルトニールセン(デンマーク、アスタナ プロチーム) 13 pts
3 ジュリアン・アラフィリップ(フランス、ドゥクーニンク・クイックステップ) 12 pts

新人賞
1 ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) 11時間54分18秒
2 ビョルグ・ランブレヒト(ベルギー、ロット・スーダル) +9秒
3 オドクリスティアン・エイキング(ノルウェー、ワンティ・ゴベール)

チーム総合
1 アスタナ プロチーム 35時間40分12秒
2 EFエデュケーションファースト +31秒
3 グルパマ・エフデジ

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