ジロ・デ・イタリア2019 第15ステージ34歳カタルドが逃げ切ってジロ初勝利 ログリッチェがメカトラと落車でタイム失う

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 ジロ・デ・イタリアは5月26日、第15ステージが開催され、序盤から逃げ続けたダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ プロチーム)がジロ初勝利を飾った。総合首位のリチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム)はステージ5位にまとめマリアローザをキープしたが、同2位のプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)は相次ぐトラブルによりタイムを失った。初山翔(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)は、37分8秒遅れのステージ140位でフィニッシュした。

逃げ切ってジロ初勝利を飾ったダリオ・カタルド Photo: Yuzuru SUNADA

カタルド、カッタネオの2人旅

 第15ステージはイヴレアからコモへの232kmで争われた。コモへフィニッシュする長距離レースといえば、イル・ロンバルディアが思い起こされるがそれもそのはず。今回のステージの後半部分は、昨年のイル・ロンバルディアのコースをそのまま使用しているからだ。正確にはイル・ロンバルディアの一番最後の上り区間がカットされているものの、名所である「マドンナ・デル・ギザッロ教会」への上りや、ソルマーノの壁、チヴィリオの上りなどイル・ロンバルディアの勝負どころが満載である難コースだ。ワンデーレースと違ってステージレースとなると、逃げ切りも可能性も十分考えられるレイアウトだった。

 しかし、レースがスタートすると、逃げを試みたのはわずかに2人。カタルドとマッティーア・カッタネオ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア)のみだった。長距離ステージということもあり、メイン集団とのタイム差は最大16分まで広がると、リーダーチームのモビスターチームに加えて、ミッチェルトン・スコットも集団けん引に協力し、逃げ集団との差を少しずつ縮めながらレースは展開していった。

ギザッロの上りを走るカタルドとカッタネオ Photo: Yuzuru SUNADA

 逃げの2人は集団に対して8分のリードを持って、マドンナ・デル・ギザッロ教会の上りに入った。途中、カッタネオがメカトラでストップする場面も見られたが、すぐに自転車を交換して再スタート。カタルドに追いつき、2人での逃げは続行していった。

 集団が上りに到達すると、ミッチェルトン・スコット、モビスター、バーレーン・メリダがペースアップ。この動きにより、集団は大きく人数を減らしていく。

ギザッロの上りを走るメイン集団 Photo: Yuzuru SUNADA

 山頂を越え、下ってすぐに始まるソルマーノの壁の上りに入ると、サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)がアタック。カラパス、ミケル・ランダ(スペイン、モビスターチーム)、ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)が反応し、プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)は遅れながらも余裕を持って追いついてきた。

 一旦、ペースが緩み、遅れた選手たちが次々に復帰し、集団が20人程度に膨れ上がったところで、イェーツが2度目のアタック。今度は誰も反応せず、単独で抜け出した。

逃げを試みるイェーツ Photo: Yuzuru SUNADA

 メイン集団はダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・メリダ)が先頭でけん引開始。イェーツとの差をじりじりと詰め、山頂をまたずに吸収。すると、カウンターでミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナプロチーム)がアタック。カルーゾがチェックに入って、山頂を通過したものの、下り区間に入るとロペスは集団に吸収された。

ログリッチェがメカトラで遅れる

 逃げ集団とメイン集団のタイム差は4分まで縮まってきた。ソルマーノの下り、そしてコモ湖畔の平坦路が続くなか、メイン集団は様子見しながら一定ペースで走行。逃げとのタイム差は4分程度にキープされていた。

 すると、ログリッチェにトラブル発生。バイク交換の必要が生じ、沿道で立ち往生していたところに、遅れていたアシストのアントワン・トルホーク(オランダ)が通りかかった。ログリッチェはトルホークのバイクを受け取って再スタート。チヴィリオの上りが始まる前に、何とか集団に復帰することができたものの、体力を消耗する結果に。

チヴィリオの上りを走るカッタネオとカタルド Photo: Yuzuru SUNADA

 そうして、逃げ集団は3分のリードを持ってチヴィリオの上り区間に到達。2人の協調体制は保たれたまま、上りをこなしていく。

 モビスターがコントロールするメイン集団が上りに入ると、ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションファースト)がアタック。続いてイェーツがこの日3度目のアタックを仕掛ける。

 さらに、ニバリがアタック。カラパスがチェックに入り、2人は一気にイェーツに追いついた。一呼吸置いて、ニバリが再びアタック。カラパスは反応したものの、イェーツはついていけなかった。先行していたカーシーを吸収し、3人が先行する展開に。

 一連の動きで、集団は崩壊。ペース走行で前を追うログリッチェにランダ、ロペスが追従。その他の総合勢のほとんどが遅れている状況だった。

 先頭を走るカタルドとカッタネオが山頂に到達。その1分後にニバリ、カラパス、カーシー。少し遅れて単独でイェーツ。もう少し間が開いてログリッチェ、ランダ、ロペスという状況でダウンヒルへと入っていった。

逃げ切り成功し、カタルドが勝利

 イル・ロンバルディア2勝の実績を持つニバリは、チヴィリオの下りを非常に得意としており、カラパスとカーシーを引き離す走りを見せていた。一方でイェーツはカラパス、カーシーに追いついた。

 ダウンヒルに定評のあるログリッチェだったが、コーナーを曲がりきれずにガードレールに激突。幸いなことにすぐにスタートを切れたため、遅れを最小限に留めることはできたものの、胸からガードレールに突っ込む形で落車したため、身体への影響が心配される。

 先頭2人は下りきったところで、けん制状態に陥る。カッタネオが前を引かなくなり、カタルドは先頭を引かされる状況に陥る。後続が迫るなか、慌てずに自分のペースを保ち続けたカタルドは、ラスト1kmのアーチをくぐり、ラスト200mとなる最終コーナーの立ち上がりからスプリントを開始。カッタネオは前に出ることができず、カタルドが先着して勝利。自身ジロ初勝利となり、グランツールでは2012年ブエルタ・ア・エスパーニャ以来、7年ぶりのステージ優勝を飾った。

カッタネオとのマッチスプリントを制したダリオ・カタルド Photo: Yuzuru SUNADA

 下りでリードを築いたニバリだったが、ラスト2kmを切ったところでカラパス、カーシー、イェーツの3人に追いつかれた。ログリッチェが遅れている状況であるため、マリアローザのカラパスが積極的に前でペースを上げて、フィニッシュを目指していった。

ログリッチェからタイム差を奪ってゴールするカラパスとニバリ Photo: Yuzuru SUNADA

 4人はカタルドから11秒遅れでフィニッシュ。ログリッチェはさらに40秒遅れてフィニッシュに到着。総合成績では大きな順位変動こそ無かったものの、カラパスはリードを拡大、ニバリはログリッチェとのタイム差を縮小することに成功した。

 ジロ・デ・イタリアは週周目の戦いを終え、休息日を挟んで最大の勝負どころとなる3週目を迎える。第16ステージは、チーマ・コッピ(最高標高地点)のガヴィア峠を含む獲得標高5700mの強烈な難コースの予定だったが、ガヴィア峠の積雪状況・雪崩の危険性などを考慮して回避することが大会主催者より発表された。

変更された第16ステージのコースプロフィール ©RCS

 代わりにアプリカ峠が組み込まれ、全体の距離も226kmから194kmに短縮。それでもなお、獲得標高は4800mに達し、終盤のモルティローロ峠は登坂距離11.9km、平均勾配10.9%と今大会屈指の難関山岳であり、クイーンステージ級の重要ステージとなりそうだ。

第15ステージ結果
1 ダリオ・カタルド(イタリア、アスタナ プロチーム) 5時間48分15秒
2 マッティーア・カッタネオ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア) +0秒
3 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +11秒
4 ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションファースト)
5 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム)
6 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)
7 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +36秒
8 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ)
9 ドメニコ・ポッツォヴィーヴォ(イタリア、バーレーン・メリダ)
10 ミケル・ランダ(スペイン、モビスター チーム)
140 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +37分8秒

個人総合(マリアローザ)
1 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム) 64時間24分0秒
2 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) +47秒
3 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +1分47秒
4 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) +2分35秒
5 ミケル・ランダ(スペイン、モビスター チーム) +3分15秒
6 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +3分38秒
7 ヤン・ポランツェ(スロベニア、UAE・チームエミレーツ) +4分12秒
8 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +5分24秒
9 パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チーム イネオス) +5分48秒
10 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +5分55秒
148 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +3時間51分58秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ) 200 pts
2 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 187 pts
3 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム) 78 pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ジューリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 171 pts
2 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム) 66 pts
3 マッティーア・カッタネオ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア) 43 pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チーム イネオス) 64時間29分48秒
2 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +7秒
3 ヴァランタン・マデュア(フランス、グルパマ・エフデジ) +8分39秒

チーム総合
1 モビスター チーム 193時間29分48秒
2 アスタナ プロチーム +26分31秒
3 チーム イネオス +30分16秒

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