ジロ・デ・イタリア2019 第16ステージチッコーネがマッチスプリントを制して優勝 ニバリが総合2位に浮上

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 ジロ・デ・イタリア2019は5月28日、第16ステージが行われ、ジューリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)が優勝を飾った。レース序盤から逃げ、ヤン・ヒルト(チェコ、アスタナ プロチーム)とのマッチスプリントを制した。総合首位のマリアローザは、リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム)がキープ。ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)が総合2位に浮上している。また、初山翔(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)は、144位でフィニッシュした。

2016年以来のジロステージ優勝を手にしたチッコーネ Photo: Yuzuru SUNADA

悪天候によりコースを変更

 今年のジロもいよいよ3週目に突入、総合争いも佳境に入ってきた。休息日明けの第16ステージは、ロベレからポンテ・ディ・レーニョまでの194km。3日前、悪天候によりコース変更が発表された。距離は226kmから194kmに短縮、今大会のチーマ・コッピ(最高標高地点)ガヴィア峠が外され、チェーボ峠とアプリーカ峠が追加となった。ただ、150km過ぎに訪れるモルティローロ峠はそのまま。休息日明け、距離11.9km、平均勾配10.9%、最大勾配が18%に達する難関山岳が選手に襲い掛かる。最終週の各選手のコンディションがここで明らかになるだろう。

 レースはスタート直後、ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・メリダ)、ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ プロチーム)、ミケル・ニエベ(スペイン、ミッチェルトン・スコット)の3人が飛び出すがこの逃げは許されず。メイン集団から、複数の選手が飛び出し21人の大逃げが出来上がる。

逃げに乗った総合15位のドンブロウスキー Photo: Yuzuru SUNADA

 この逃げには、山岳賞狙いのチッコーネやアンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム)、クーン・ボウマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)、ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・メリダ)、アントニオ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ)、ミヒャエル・シュヴァルツマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)、ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ、EFエデュケーションファースト)、ヤン・ヒルト(チェコ、アスタナ プロチーム)ら、総合上位に名を連ねるチームのアシストや実力ある選手らが入っていた。一方メイン集団はモビスター チームがコントロール。タイム差は3分程度だった。

 21人の逃げとモビスターが率いるメイン集団のまま進むレース。タイム差は3分から5分、チェーボ峠とアプリーカ峠もこの形のまま通過する。やはり勝負はモルティローロ峠。誰が仕掛けてくだろうか。

勝負はモルティローロ峠へ

 モルティローロ峠の上り、集団は慌ただしくなり始め、21人いた逃げも徐々に削られていく。残り35kmでは、チッコーネ、カルーゾ、ヒルトの3人に。残りの逃げメンバーは後退していく。

 一方メイン集団でも動きがでる。ドメニコ・ポッツォヴィーヴォとヴィンチェンツォ・ニバリ(ともにイタリア、バーレーン・メリダ)が前に出て、直後にニバリがアタックを仕掛ける。この動きに、ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションファースト)が反応。さらに、逃げていたヴィンチェンツォの弟、アントニオ・ニバリがアシストの為合流し、3人のグループが出来上がった。

モルティローロ峠で先手を打ったニバリ Photo: Yuzuru SUNADA
ニバリの動きに反応したランダ、カラパス Photo: Yuzuru SUNADA

 こうなってくると、メイン集団の総合勢は動かざるを得ない状況に。マリアローザのカラパスと、ミケル・ランダ(スペイン)のモビスター勢、ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム)が追いかける。だが、プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)やサイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット)は反応できず。カラパスグループから遅れをとってしまう。

 残り30km地点、集団は大きく3つになる。先頭はチッコーネとヤン・ヒルト。第2グループは、ニバリとカーシーとそこに追いついたカラパス、ランダ、ロペス。

ログリッチェ、イェーツはニバリらから遅れてしまう Photo: Yuzuru SUNADA

 第3グループは、ログリッチェ、イェーツ、ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)、イルヌール・ザカリン(ロシア、カチューシャ・アルペシン)らとなっていた。

 また、モルティローロ峠の山頂に差し掛かろうとする頃、カラパスのいる追走集団に逃げから下がってきたアマドールがジョイン。マリアローザキープのため、モビスターが万全の体制を取る。

カラパス、ニバリ、ロペスが協調

 各チーム攻撃を仕掛け、息つく暇もないレース展開。次にアタックが仕掛けられたのはモルティローロ峠の山頂手前だった。総合10位のロペスがアタックし、逃げから下りてきたビルバオと合流。軽快に前を追い始める。

勝負はチッコーネとヒルトの一騎打ちに Photo: Yuzuru SUNADA

 先頭はチッコーネとヒルト、4分程後ろにロペスとビルバオ、そこから数十秒後ろにカラパス・ニバリグループ、さらに1分30秒程後ろにログリッチェグループ。アスタナはヒルトでステージ優勝を狙うことも、前待ち作戦でロペスの総合ジャンプアップも望める状況となっていた。

 残り10km、逃げはチッコーネとヒルトのまま。追走は3分30秒ほどの差がつき、ステージ優勝は2人のどちらかという状況となる。一方、後ろは抜け出したロペスグループに、カラパス・ニバリグループが追いつき総合争いは振り出しに戻っていた。

 ニバリが動きマリアローザを狙うか、カラパスが仕掛けリードを取るか、それともヒルトが下がりロペスを引き上げるか。さまざまな選択肢があった中、彼らが選んだのは協調体制を取ることだった。総合2位のログリッチェからタイムを稼ぐことをに狙いをスイッチ、ログリッチェグループを引き離しにかかる。今大会の最終日は、ログリッチェが得意とするタイムトライアル。カラパス、ロペス、ニバリはこのステージでログリッチェとのタイム差を縮めることを選択した。

最後はガッツポーズする余裕もみせたチッコーネ Photo: Yuzuru SUNADA

 残り1km、先頭2人と追走グループのタイム差は依然として3分半以上。ステージ優勝は、チッコーネとヒルトの一騎打ちとなる。最初に仕掛けたのはチッコーネ、スプリントを始める。ヒルトもその動きを見てスプリント始めるがチッコーネにはついていけず。最後は、チッコーネが大きくリードしゴールラインを通過した。

 一方、後ろの集団は1分41秒遅れでニバリ、カラパス、ランダらのグループ、2分3秒遅れでロペスがゴール。ログリッチェはそこから1分遅れでフィニッシュした。マリアローザはカラパスがキープ。ニバリは順位を上げ総合2位になり、ログリッチェは3位に後退した。また、ランダは4位、ロペスは7位に順位を上げている。

 明日の第17ステージは山頂フィニッシュの山岳ステージ。総合争いから目が離せない。

総合2位に浮上したニバリ Photo: Yuzuru SUNADA
タイムを失い、総合3位に後退したログリッチェ Photo: Yuzuru SUNADA

第16ステージ結果
1 ジューリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 5時間36分24秒
2 ヤン・ヒルト(チェコ、アスタナ プロチーム) +0秒
3 ファウスト・マスナダ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア) +1分20秒
4 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +1分41秒
5 ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションファースト)
6 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム)
7 ミケル・ランダ(スペイン、モビスター チーム)
8 ジョセフロイド・ドンブロウスキー(アメリカ、EFエデュケーションファースト)
9 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・メリダ) +1分49秒
10 マッティーア・カッタネオ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア) +2分3秒
144 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +43分41秒

個人総合(マリアローザ)
1 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム) 70時間2分5秒
2 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +1分47秒
3 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) +2分9秒
4 ミケル・ランダ(スペイン、モビスター チーム) +3分15秒
5 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +5分0秒
6 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) +5分40秒
7 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +6分17秒
8 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +6分46秒
9 パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チーム イネオス) +7分51秒
10 ヤン・ポランツェ(スロベニア、UAE・チームエミレーツ) +8分6秒
145 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +4時間32分07秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ) 200 pts
2 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 187 pts
3 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム) 83 pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ジューリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 229 pts
2 リチャル・カラパス(エクアドル、モビスター チーム) 66 pts
3 マッティーア・カッタネオ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア) 53 pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 70時間8分22秒
2 パヴェル・シヴァコフ(ロシア、チーム イネオス) +1分34秒
3 ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションファースト) +8分21秒

チーム総合
1 モビスター チーム 210時間28分38秒
2 アスタナ プロチーム +24分31秒
3 バーレーン・メリダ +28分32秒

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