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日本人がまだ知らない「e-BIKEの世界」<4>e-BIKEへの関心は日本でも徐々に高まりつつある

by 難波賢ニ / Kenji NANBA
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 2017年の秋にボッシュが国内市場への参入を発表し、2018年に入るとシマノSTEPSの日本仕様を搭載したバイクが発売され、ヤマハも大容量バッテリータイプのYPJシリーズを発売したことから2018年は日本における「e-BIKE元年」と言われてきました。徐々に日本国内においてe-BIKEへの関心が高まりつつあります。

e-BIKE元年と呼ばれた2018年はシマノがSTEPSの日本仕様を搭載したバイクを発売 Photo: Kenji NANBA

e-BIKEへの当初の反応

 人間の力で走りきるから面白いと思われていた自転車に、突然ヨーロッパで大流行している「電動アシスト付きスポーツバイク」と言われてもピンと来なかった人は多いようで、国内での初期の既存ユーザーの反応は散々たるものでした。

 しかし、それはヨーロッパでも最初は同じ。メーカー各社が積極的に試乗の機会を作ることで、1年経った今では数万人の人がe-BIKEを体験し、ほとんどの場合はその反応は「面白い」に変わってきたのが事実です。とはいえe-BIKEを面白いとわかった人は試乗体験をしてみた人だけで、乗っていない人との間では反応に壁があるのも現実です。

メーカー各社もe-BIKE試乗会を多数開催した Photo: Kenta SAWANO

 具体的な数字で見ていくと、わずか1年で爆発的にe-BIKEの普及が進んだとは言えない状況です。試乗やレンタルでの体験は増えているものの、約20万円が平均のスポーツサイクルと比べて値段が高いこともあり出荷は限られます。2018年の国内のスポーツサイクルのマーケットの中で、コンポーネントメーカーの調査ではe-BIKEは約3%のシェア。国内スポーツサイクル市場が約40万台ですから1万台と少しが売れた計算となります。

 一方で、この一年でe-BIKEが常設された試乗体験施設は増えてきました。昨年5月に日本で最初のe-BIKEに特化した「第一回 伊豆E-BIKEフェスティバル」が開催された、静岡県函南町の道の駅、伊豆ゲートウェイ函南ではe-BIKEのレンタルが常設されていますし、東京五輪のMTBコースができる日本サイクルスポーツセンターから程近いMERIDA X BASEには20台程のレンタル用e-BIKEが常設されています。ちなみにここでは筆者が監修したe-BIKEに適したルートを走れるガイドツアーも予約することで随時開催されています。

X BASEではe-MTBをレンタルすることも可能 Photo: Masahiro OSAWA

 しまなみ海道もe-BIKEの普及には積極的で、GIANTが大規模なe-BIKEのレンタルを開始しています。e-MTBに乗ってみたいという人には、静岡県御殿場市に出来た常設マウンテンバイクコース「御殿場MTBパークFUTAGO」に行けば、こちらもレンタル用e-BIKEを常設していますし、他にも日本中に多くのe-BIKE体験スポットが出来たのが昨年でした。また、伊豆半島地域には広域のe-BIKEの充電ネットワークが出来るなど、インフラの面でも普及が始まっています。

2019年こそe-BIKE元年!?

 2019年のe-BIKEのトレンドを考えると、まもなく発表され始める2020モデルでしょう。トレックは既にフルカーボンのフルサスペンションe-MTBとアルミフレームのハードテイルe-MTBを日本市場に投入することを発表していますし、筆者が小耳に挟んでいる段階では他社も大幅にラインナップを増やしてくるメーカーがある模様です。また2020モデルの後半には日本市場に新規に参入してくるブランドも複数ある模様で、実は令和元年こそe-BIKE元年なのかもしれません。

 国内で昨年e-BIKEに飛びついたユーザーを紐解いて見ると、まずシニアのサイクリスト、それからテクノロジー大好きなガジェットおじさんというのが筆者の実体験として2大ユーザー層で、今まで10年来スポーツサイクルを乗ってきたような人達はまだまったくe-BIKEに振り向いていないというのが実態です。

 一方で、既存のMTBのユーザーはe-MTBには興味があるけれど購入まで至った人は少数。ところが、パナソニックのフルサスペンションバイクもメリダのフルサスペンションバイクも出荷は極めて好調と聞くので、フルサスペンションの登場を待っていた人が多いのかもしれません。e-MTBはフルサスペンションで決まりというのは筆者も同意見です。

パナソニックサイクルテックが100台限定で発売したフルサスe-MTBの「XM-D2」 Photo: Kenta SAWANO

 あと、ここに来てヨーロッパでそうだったように夫婦でe-BIKEに乗る、もしくは旦那さんはロードバイク、奥様はe-BIKEというコンビネーションが出始めているように感じますし、先程紹介したMERIDA X BASEで常設しているガイドツアーにも実際にそういったご夫婦が大勢来ているようで新しい動きが見られるのも事実です。

 また、山岳地帯の観光地などを擁する自治体はe-BIKEに興味を持ち始めた所は多いようです。先日もパナソニックが白馬村でのe-BIKE展開を発表しましたが、それ以外の自治体、もしくは観光施設からの引き合いの声も聞かれます。今年の後半には多くの観光地でe-BIKEのレンタルやガイドツアーが始まっているのかもしれません。

難波賢二
難波賢二(なんば・けんじ)

自転車ジャーナリスト。1979年生まれ。国立大学在学中より自転車専門誌などに寄稿。e-BIKEの黎明期よりその動向を取材してきたジャーナリストとして知られ、日本で最初のe-BIKEオーナーとして知られる。MTBの始祖ゲイリー・フィッシャーの結婚式にアジアから唯一招待された人物として知られるなど、世界の自転車業界に強いコネクションを持っている。

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