ジロ・デ・イタリア2019 第11ステージユアンが大集団スプリントを制して今大会2勝目 コンティ首位のまま大会後半、山岳連戦へ

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 ジロ・デ・イタリア2019は5月22日、第11ステージが行われ、大集団スプリントをカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)が制して今大会2勝目を挙げた。総合首位のマリアローザは変わらずヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)がキープ。平坦中心だった大会前半を終え、翌日からは山岳ステージが連続する後半戦を迎える。初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)も区間144位で完走して翌日へと駒を進めた。

カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)が大集団スプリントを制して今大会2勝目 Photo: Yuzuru SUNADA

山岳なしの完全平坦ステージ

 この日はカルピ~ノからヴィ・リーグレに至る、221kmで実施された。前日同様、山岳ポイントが1カ所も設定されない完全平坦コースで、集団スプリントによるスプリンターの競演が予想された。ゴールとなるヴィ・リーグレは、イタリアの伝説的ロードレーサー、ファウスト・コッピが最後に住んでいた街として知られる場所。この日を終えるとスプリンター向けのコースは第18ステージが残されるのみとなり、ここまで勝利を得られていないスプリンターにとっては、是が非でも1勝を挙げておきたいステージだ。

今大会連日逃げを見せる3人による逃げがこの日も Photo: Yuzuru SUNADA

 レースはスタート直後から3人が逃げを形成した。ダミアーノ・チーマ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)、マルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア)、ミルコ・マエストリ(イタリア、バルディアーニ・CSF)という、今大会幾度も先行しているメンバーによる逃げ集団。フラッポルティは逃げの距離を競うフーガ賞で現在トップを走るほか、チーマは同2位とともに中間スプリント賞で現在首位に立っている。

スプリンターチームのコントロールで淡々と進むメイン集団 Photo: Yuzuru SUNADA

前日負傷のアッカーマンはポイント賞ピンチに

 メイン集団は早々に6分までタイム差を容認した後、有力スプリンターを抱えるドゥクーニンク・クイックステップ、ロット・スーダル、グルパマ・エフデジといったチームがアシスト選手を出し、集団のコントロールを行った。残り距離をにらみつつ、徐々にタイム差は詰められていった。

前日落車し右半身の広範囲に擦過傷を負ったアッカーマン Photo: Yuzuru SUNADA

 2カ所ある中間スプリントは、最初のポイントをチーマが先頭で通過し、中間スプリントポイントを積み重ねた。メイン集団による4番手争いはアルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ)が先頭を取り、この時点でポイント賞ランキングの首位をパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)から暫定で奪った。2つ目の中間スプリントはマエストリが先頭で通過した。

 ゴールまで残り30kmを切ったあたりでタイム差が1分を切ると、メイン集団は一気にスピードアップ。残り25kmで逃げの3人を吸収した。位置取りと危険回避から各チームが縦に隊列を組んで道幅一杯に並び、緊張感漂うレース終盤の時間帯が続く。このまま大集団スプリントかとけん制気味になった残り4kmで、クリスティアン・クネース(ドイツ、チーム イネオス)がアタックをして集団から抜け出しを計ったが、大きな差を付けるには至らずすぐに集団へと吸収された。

ユアンが鋭い加速で押し切る

 各チームが代わる代わる集団先頭をうかがう一方で、絶対的な主導権を得るチームは現れない。ゴール地点はやや風も吹き、混沌とした状況の中、レースは残り1kmを切ってゴールスプリントの最終局面となった。

 スプリントはポイント賞リーダージャージのマリアチクラミーノを着るアッカーマンが、アシストのリュディガー・ゼーリッヒ(ドイツ)に引き連れられて加速して先行。しかしアッカーマンの直後に付けたユアンがさらに鋭い加速を見せ、アッカーマンを抜き去る。ユアンはそのままの勢いで先頭を譲らず、今大会2度目のスプリント勝利を決めた。

鋭い加速を見せたユアンがデマールの追い込みをかわして優勝 Photo: Yuzuru SUNADA

 2位はデマール。前日の落車負傷が響いたかアッカーマンは伸びず3位で、1週間あまり着続けたマリアチクラミーノをデマールに譲ることになった。また今大会ここまで勝利がないエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)は迷いの見える位置取りから伸びず、4位とこの日も勝利は得られなかった。総合上位勢は問題なくメイン集団内でフィニッシュし、ポイント賞以外の各賞リーダージャージは変化なし。翌日からの山岳連戦を前に、平穏な一日となった。

ユアンは第8ステージに続く今大会2勝目を挙げた Photo: Yuzuru SUNADA
ポイント賞リーダージャージのマリアチクラミーノはデマールへと移った Photo: Yuzuru SUNADA

 翌第12ステージは、今大会最初の1級山岳が登場する。レース後半にそびえるモントソ峠は距離8.8kmで獲得標高838m、平均勾配9.5%、最大勾配14%という厳しい上りだ。頂上からゴールまで30kmあまりを要するため、総合上位勢のタイム差は付かないことも予想されるが、山岳での有力選手の調子がある程度計れるはず。ステージ勝利や山岳ポイントを狙った逃げを含め、前日までと違った局面を見られる一日となりそうだ。

第11ステージ結果
1 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) 5時間17分26秒
2 アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ) +0秒
3 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
4 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)
5 ダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエル サイクリングアカデミー)
6 シモーネ・コンソンニ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)
7 ライアン・ギボンズ(南アフリカ、ディメンションデータ)
8 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、ディメンションデータ)
9 ヤクブ・マレツェコ(イタリア、CCCチーム)
10 ショーン・ベネット(アメリカ、EFエデュケーションファースト)
144 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +1分30秒

個人総合(マリアローザ)
1 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAE・チームエミレーツ) 45時間2分5秒
2 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) +1分50秒
3 ナンズ・ピーターズ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +2分21秒
4 ホセ・ロハス(スペイン、モビスター チーム) +2分33秒
5 ファウスト・マスナダ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア) +2分36秒
6 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +2分39秒
7 アマーロ・アントゥネス(ポルトガル、CCCチーム) +3分5秒
8 ヴァランタン・マデュア(フランス、グルパマ・エフデジ) +3分27秒
9 ジョヴァンニ・カルボーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) +3分30秒
10 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ プロチーム) +3分32秒
162 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +1時間38分12秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ) 194 pts
2 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 183 pts
3 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) 159 pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ジューリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 32 pts
2 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 22 pts
3 ファウスト・マスナダ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア) 18 pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ナンズ・ピーターズ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) 45時間4分26秒
2 ヴァランタン・マデュア(フランス、グルパマ・エフデジ) +1分6秒
3 ジョヴァンニ・カルボーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) +1分9秒

チーム総合
1 モビスター チーム 135時間11分29秒
2 ドゥクーニンク・クイックステップ +6分53秒
3 アンドローニ・シデルメク・ボッテキア +8分4秒

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