ツアー・オブ・ジャパン2019 第4ステージ(美濃)今大会初となる集団スプリント レイモンド・クレダーが混戦制する

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 国内最大のステージレース「NTN presents 第22回ツアー・オブ・ジャパン」(TOJ)の第4ステージが5月22日、岐阜県美濃市で行われた。139.4kmで争われたレースは、今大会最初の集団スプリントとなり、混戦から抜け出したレイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO)がステージ優勝を果たした。主要なライダーたちはいずれもメイン集団でフィニッシュしており、この日からリーダージャージを着用するベンジャミン・ヒル(オーストラリア、リュブリャナ・グスト・サンティック)は問題なくその座をキープしている。

今大会初となった集団スプリント。レイモンド・クレダー(右端)が第4ステージ優勝を飾った Photo: 2019TOJ

3人の逃げを容認し淡々と進行

 大会は中盤戦へ突入。通称「美濃ステージ」は、山岳ポイント(KOM)が設定される半道坂を上る以外は平坦基調のコースレイアウト。美濃市の観光名所である「うだつの上がる町並み」からパレードスタートし、やがて1周21.3kmの周回コースへ。ここを6周する、レース距離139.4km。

美濃市の観光名所「うだつの上がる町並み」をスタート Photo: Nobumichi KOMORI / Porte au Village

 例年はスプリンターが主役となる美濃でのレース。この後のステージは丘陵地帯や富士山のヒルクライムなどが控えていることから、スピードマンにとっては数少ない勝負のチャンスとなる。

 そうして始まったレースは、周回コースに入ってからの下り区間でホアン・ボウ(スペイン、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)、フローリアン・オードリー(フランス、インタープロサイクリングアカデミー)、デニスマリアン・バルカン(ルーマニア、ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)がメイン集団からリードを奪うことに成功。ヒル擁するリュブリャナ・グスト・サンティックがしばらく早いペースでメイン集団をコントロールしたことから、先頭3人との差は1分台で推移したが、2周目に入る頃にはレース全体が落ち着き始め、その差は徐々に広がっていった。

最大で約3分30秒差までリードを広げた逃げの3選手 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 一時はメイン集団がサイクリングペースにまでスピードを落としたこともあり、先頭の3人は最大で約3分30秒のリードを得る。リュブリャナ・グスト・サンティックに加え、チームUKYOやチーム ブリッジレーンなどが数人ずつアシストを出して集団牽引に加わった4周目に入ると、タイム差は2分台に。この頃からメイン集団には追撃のムードが高まっていく。この間、2周目と4周目に設定された山岳ポイントは、ともにボウが獲得している。

最短ラインを抜けたクレダーが混戦を制する

 5周目を迎えると、いよいよメイン集団の勢いが明白となる。タイム差は一気に縮まり、1分を切る。スプリントを狙うチームがアシストを送り込んで、勝負への意思を示しながら、先頭の3選手を追いかける。

レース後半に入り、メイン集団の追撃ムードが高まる。集団を牽引するのは内間康平 Photo: Syunsuke FUKUMITSU

 30秒ほどのタイム差のまま、レースは最終周回へ。フィニッシュまで残り距離15kmとなったところで、ついに逃げ3人を吸収。これに呼応するように、集団前方にはスプリントを狙うチーム ブリヂストンサイクリングやチーム ブリッジレーンのほか、総合系ライダーを抱える宇都宮ブリッツェンやキナンサイクリングチームも危険回避をねらいにポジションを上げていく。最後の半道坂はトマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)の牽引で頂上を通過。この先の下り区間を過ぎると、いよいよフィニッシュに向かって平坦路を突き進んでいく。

大混戦のスプリント。有力スプリンターたちが数少ないチャンスに賭けた Photo: 2019TOJ

 鋭角コーナーを右折すると、残りは1km。多くの入り乱れてフィニッシュを目指す混沌とした最終局面。この日のホームチームである愛三工業レーシングのトレインが勢いよく前方へ現れ、岡本隼を発射。残り200mで先頭に出るが、その両サイドから次々とスプリンターたちが加速。フィニッシュ前100mからは緩やかに左カーブとなっているが、最短距離を進んだクレダーが逆サイドから伸びた選手たちをわずかにかわしてフィニッシュラインを通過。会心のステージ優勝に両手を広げて喜んだ。

 クレダーにタイヤ半分ほどの差届かなかったポイント賞トップの窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)が2位、オールイス・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)が3位に続いた。また、アウラールと4位フィニッシュのイメリオ・チーマ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)の接触に端を発したクラッシュがフィニッシュライン上で発生したが、総合上位陣やその他有力ライダーはいずれも回避している。

ステージ優勝を果たしたレイモンド・クレダーの表彰 Photo: 2019TOJ

 これらの結果から、第4ステージを終えた時点での総合成績で、ヒルが個人総合のグリーンジャージをキープ。エイデン・トゥーベイ(オーストラリア、チーム ブリッジレーン)が1秒差、アダム・トーパリック(チェコ、チーム ザワーランド・NRW)が2秒差で続く構図は変わらない。ポイント賞では窪木が得点を伸ばしたほか、山岳賞ではフィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)がそれぞれ首位を守っている。

個人総合でトップを守ったベンジャミン・ヒル Photo: 2019TOJ
ポイント賞で首位に立つ窪木一茂 Photo: 2019TOJ

 大会は折り返し地点を過ぎる。続く第5ステージは、長野県飯田市での「南信州ステージ」。厳しい上りとテクニカルな下りが連続するサバイバルコース。名所「TOJコーナー」や、フィニッシュに向かう1.6kmの平坦路など、見どころ十分の注目ステージだ。

第4ステージ結果
1 レイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO) 3時間14分20秒
2 窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング) +0秒
3 オールイス・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)
4 イメリオ・チーマ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)
5 フェデリコ・ズルロ(イタリア、ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)
6 リカルド・スタキオッティ(イタリア、ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)
7 黒枝咲哉(シマノレーシング)
8 鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)
9 岡本隼(愛三工業レーシングチーム)
10 吉田隼人(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)

個人総合時間
1 ベンジャミン・ヒル(オーストラリア、リュブリャナ・グスト・サンティック) 9時間17分30秒
2 エイデン・トゥーベイ(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) +1秒
3 アダム・トーパリック(チェコ、ザワーランド・NRW・P/B SKSジャーマニー) +2秒
4 入部正太朗(シマノレーシングチーム) +9秒
5 オールイス・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) +11秒
6 窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング) +12秒
7 レイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO) +13秒
8 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +20秒
9 クリス・ハーパー(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) +24秒
10 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)

ポイント賞
1 窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング) 55 pts
2 レイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO) 47 pts
3 オールイス・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) 42 pts

山岳賞
1 フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 16 pts
2 ホアン・ボウ(スペイン、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 10 pts
3 アドリアン・ギロネット(フランス、インタープロサイクリングアカデミー) 7 pts

新人賞
1 エイデン・トゥーベイ(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) 9時間17分31秒
2 アダム・トーパリック(チェコ、ザワーランド・NRW・P/B SKSジャーマニー) +1秒
3 オールイス・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) +10秒

チーム総合
1 チーム ブリッジレーン 27時間53分34秒
2 リュブリャナ・グスト・サンティック +3秒
3 チームUKYO +10秒

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