ツアー・オブ・ジャパン2019 第2ステージ(京都)逃げ切った3人の勝負をトゥーベイが制して優勝、個人総合でも首位に 入部正太朗が2位

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
  • 一覧

 国内最大のステージレース「NTN presents 第22回ツアー・オブ・ジャパン」(TOJ)の第2ステージとなる京都ステージが5月20日、京都府の京田辺市と精華町にまたがる特設周回コースで開催され、序盤にできた逃げ集団が逃げ切り、最後は3人に絞られたゴールスプリント勝負を制したエイデン・トゥーベイ(オーストラリア、チーム ブリッジレーン)がステージ優勝した。トゥーベイは個人総合時間でも首位に立ち、総合リーダーの証であるグリーンジャージに袖を通した。

逃げ切った3人のゴールスプリントを制したエイデン・トゥーベイ(オーストラリア、チーム ブリッジレーン)がステージ優勝を飾り、個人総合時間でも首位に立った Photo: Nobumichi KOMORI

序盤から7人が逃げ

 前日の第1ステージで幕を開けたTOJは、この第2ステージから本格的なロードレースがスタート。第1ステージでは岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が日本人選手6年ぶりのステージ優勝。さらに1秒差の2位には窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)が入り、日本人選手の活躍が光ったことで大きな盛り上がりを見せた。同時に、戦力的には各チームの実力が拮抗していることが見て取れるような結果でもあり、この後のステージでまだまだ大きな動きが出るのは必至という状況だ。

前日の第1ステージで優勝し、リーダージャージを着る岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が笑顔で会場入り Photo: Nobumichi KOMORI
セレモニーランスタート前には同志社大学チアリーディング部からの激励も Photo: Nobumichi KOMORI

 第2ステージのコースはアップダウンに加えて下りもテクニカル。過去には集団スプリントと終盤の独走のどちらの展開でもレースが決まっていることもあり、展開が読みにくい中でスタートが切られることになった。

リーダージャージの岡篤志(宇都宮ブリッツェン)を中央に、ポイント賞2位の窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)と新人賞2位のオールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)がそれぞれ繰り下げで各賞のジャージを着用して整列 Photo: Nobumichi KOMORI

 普賢寺ふれあいの駅をスタートしたレースは5.5kmのセレモニーランの後、普賢寺小学校前で一旦停止。あらためて3.4kmのニュートラル走行の後に正式スタートが切られた。その直後から激しいアタック合戦となったが、リーダーチームの宇都宮ブリッツェンを中心に危険な選手のアタックを選別してチェックに入り、なかなか逃げが決まらない状態が続いた。

 しかし、しばらくするとフィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)のアタックに入部正太朗(シマノレーシングチーム)が反応したのをきっかけに数人の選手が次々に合流し、最終的にザッカンティ、入部、トゥーベイと、ヴィクトル・ポトチュキ(クロアチア、リュブリャナ・グスト・サンティック)、アドリアン・ギロネット(インタープロサイクリングアカデミー)、岡本隼(愛三工業レーシングチーム)、安原大貴(マトリックスパワータグ)という、7人の逃げ集団が形成されることになった。一方のメイン集団はリーダーチームの宇都宮ブリッツェンがコントロールを開始。日本ナショナルチームも協調し、2チームが選手を出し合って2分前後のタイム差を保ってレースを進める状態になった。

1回目の山岳ポイント。後方から一気に先頭に出たザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)が獲得 Photo: Nobumichi KOMORI
リーダーチームの宇都宮ブリッツェンがコントロールするメイン集団も山岳ポイントを通過していく Photo: Nobumichi KOMORI

 快調に逃げる逃げ集団では、しばらくすると岡本がドロップしたものの、後方から単独ブリッジを試みたアルチョム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌINC.TSGサイクリングチーム)とジョインして復帰。逃げ集団は一時8人になったが、そこから再び岡本が遅れて7人に。最初の中間スプリントポイントを安原、山岳ポイントをザッカンティ、2度目の中間スプリントポイントをトゥーベイ、山岳ポイントを再びザッカンティが獲得していく。レースも終盤に入ったことで、ゴールスプリントに持ち込みたいチーム勢がいよいよ動き出すかと思われた。

7人の逃げ集団が快調に逃げ続ける展開が続く Photo: Nobumichi KOMORI

メイン集団は逃げを追い切れず

 しかし、メイン集団ではずっとコントロールを続けるリーダーチームの宇都宮ブリッツェン、日本ナショナルチーム以外にアクションを起こそうとするチームは現れない。宇都宮ブリッツェンの清水裕輔監督がレース後に「チームカーでも国内コンチネンタルチームの監督たちにも軽く冗談で『そろそろ回しましょうか?』と投げかけてみたのですが、引かないよというチームばかりでした。我々に脚を使わせたかったということもあるかもしれませんが、今日はステージ優勝を狙っていなかったのでしょう」と語った通り、宇都宮ブリッツェンはリーダーの岡篤志と個人総合上位を狙う増田成幸を除くアシスト選手らが総出で逃げ集団とのタイム差を縮めていくことになった。

宇都宮ブリッツェンと日本ナショナルチームがコントロールするメイン集団は、逃げ集団とのタイム差を2分程度に保ちながら協調するチームが出るのを待つ Photo: Nobumichi KOMORI

 その後もメイン集団の宇都宮ブリッツェンがアシストをフル稼働させて逃げ集団とのタイム差を縮めようとするが、最終周に入る段階でその差は1分15秒と逃げ切りの可能性が高い状態になった。

逃げ切りが濃厚となった逃げ集団が最終周へと向かう Photo: Nobumichi KOMORI
リーダーチームの宇都宮ブリッツェンはアシスト1枚を残すのみとなり苦しい状況に Photo: Nobumichi KOMORI

 そうなると逃げ集団も勝利に向けた動きが活性化し、最終周に入った段階で5人にまで人数を減らしていた中からまず安原がドロップ。すると、今度は入部がアタックを仕掛け、それに反応したザッカンティと2人で先行する展開に。後方からはトゥーベイが先行する2人に合流し、3人で逃げ切りを目指す展開になった。積極的にローテーションを回す入部とザッカンティに対し、後から追いついてきたトゥーベイは付き位置で様子をうかがう状態のまま、3人がホームストレートに現れた。ザッカンティを先頭にスプリントを開始した3人の最後方から脚を溜めていたトゥーベイが一気に捲ってステージ優勝を飾った。

後方で脚を溜めて一気に捲ったエイデン・トゥーベイ(オーストラリア、チーム ブリッジレーン)が先頭におどり出る Photo: Nobumichi KOMORI

 この結果、個人総合時間でも首位に立ったトゥーベイがグリーンジャージ、ポイント賞、新人賞と3枚のジャージを獲得。この日から設定された山岳賞は2回とも先頭通過したザッカンティが獲得した。

 第3ステージは5月21日、三重県いなべ市の梅林公園を中心とした1周14.8kmのコースを8周に8.6kmを加えた127kmで開催される。

第2ステージ結果
1 エイデン・トゥーベイ(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) 2時間41分25秒
2 入部正太朗(シマノレーシングチーム) +0秒
3 フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +2秒
4 イメリオ・チーマ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +9秒
5 窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)
6 フェデリコ・ズルロ(イタリア、ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)
7 レイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO)
8 マルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)
9 フランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)
10 サム・クローム(オーストラリア、チームUKYO)

個人総合時間
1 エイデン・トゥーベイ(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) 2時間44分21秒
2 入部正太朗(シマノレーシングチーム) +8秒
3 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +19秒
4 フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)
5 窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング) +20秒
6 オールイス・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) +21秒
7 レイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO) +22秒
8 アダム・トーパリック(チェコ、ザワーランド・NRW・P/B SKSジャーマニー) +23秒
9 クリス・ハーパー(オーストラリア、チーム ブリッジレーン)
10 増田成幸(宇都宮ブリッツェン)

ポイント賞
1 エイデン・トゥーベイ(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) 33 pts
2 入部正太朗(シマノレーシングチーム) 21 pts
3 窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング) 21 pts

山岳賞
1 フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 10 pts
2 アドリアン・ギロネット(フランス、インタープロサイクリングアカデミー) 4 pts
3 安原大貴(マトリックスパワータグ) 4 pts

新人賞
1 エイデン・トゥーベイ(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) 2時間44分21秒
2 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +19秒
3 フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)

チーム総合
1 チーム ブリッジレーン 8時間14分4秒
2 チームUKYO +13秒
3 シマノレーシングチーム +15秒

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

UCIアジアツアー ツアー・オブ・ジャパン2019 ロードレース

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載