ジロ・デ・イタリア2019 第10ステージ初山翔が2度目の逃げ スプリント争いを制したデマールが今シーズン初優勝

by 平井久美子 / Kumiko HIRAI
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 ジロ・デ・イタリア2019は5月21日、第10ステージが行われ、スプリント争いを制したアルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ)が優勝し今シーズン初勝利をあげた。総合首位のヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)はトップとタイム差なしの61位でゴール、マリアローザをキープしている。また、日本の初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)は第3ステージに続き逃げに乗って活躍、区間149位で完走した。

ライバルのスプリンターを抑え、見事優勝したデマール Photo: Yuzuru SUNADA

逃げる初山翔

 第10ステージはラベンナからモデナまでの145km。まっ平なスプリントステージだ。残り2.2km地点で右に曲がった後はゴールまで一直線。道幅も広く、スプリンターの競演が期待された。

今大会2度目の逃げを見せた初山翔 Photo: Yuzuru SUNADA

 スタートアタックを仕掛けたのは、ルカ・コヴィリ(イタリア、バルディアーニ・CSF)。ここに初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)が反応し2人の逃げが形成される。後ろの集団はこの逃げを容認。10km程過ぎたところで既に3分以上のタイム差がついていた。

 逃げた2人は、イタリアのプロコンチネンタルチームに所属するイタリア人のコヴィリとイタリア語が堪能な初山。スポンサーアピールなど両者の狙いは一致し、上手くコミュニケーションも取れるはず。息の合ったローテーションで終盤まで逃げることが予想された。

 この頃、メイン集団はエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)で今ジロ初勝利を狙うドゥクーニンク・クイックステップやアルノー・デマール(フランス)擁するグルパマ・エフデジがコントロール。序盤から、モチベーションの高さをうかがわせる。

2人での逃げが続く Photo: Yuzuru SUNADA

 残り60kmを切ってもタイム差は約2分。集団は逃げを泳がせる。この頃になると、ドゥクーニンク・クイックステップとグルパマ・エフデジに加え、絶好調の若手スプリンター、パスカル・アッカーマン(ドイツ)擁するボーラ・ハンスグローエも集団コントロールを始めていた。

沿道で日の丸を振って初山を応援するファン Photo: Yuzuru SUNADA

 メイン集団に動きが出始めたのは、スプリントポイントに差し掛かる頃。ここをきっかけに徐々にタイム差が縮まる。メイン集団が108kmのスプリントポイントを通過する頃、タイム差は約30秒となっていた。緊張感が漂い始めたメイン集団。笑顔は消え、終盤に向け真剣な表情でチームメートと話し合う姿も見られた。

 残り29km、メイン集団はここまで果敢に逃げ続けたコヴィリと初山を吸収。ゴールスプリント争いに向け戦いのゴングが鳴った。

 ドゥクーニンク・クイックステップやグルパマ・エフデジ、ロット・スーダル、バーレーン・メリダ、カチューシャ・アルペシンなどがトレインを形成。総合争いをするチームも危険回避の為前に上がって来ていた。

アッカーマンが痛恨の落車

 残り20km、各チームトレインを組む体形は変わらず。風もなく、広い道幅のおかげで、トラブルに巻き込まれるスプリンターはおらず、どの選手が勝利を手にしてもおかしくない状況だった。10km過ぎのラウンドアバウト、道幅が狭くなった個所も無事クリア。一度、隊列は崩れたものの再びまとまりスプリントに備える。

道幅一杯に各チームの隊列が並行。緊張した時間が続く Photo: Yuzuru SUNADA

 最終盤に向け緊張感が高まる集団。残り5km、集団の前方にいたのはミッチェルトン・スコット、ディメンションデータ。ユンボ・ヴィスマ、ボーラ・ハンスグローエ、ロット・スーダルはその後ろで息を潜めていた。

 このままスプリント争いに持ち込まれるかと思われた残り3km、CCCチームのフランシスコホセ・ベントソ(スペイン)がアタックを仕掛ける。意表を突いたアタックに集団からは誰も反応できず。ベントソは僅かな可能性の逃げ切り勝利を狙い踏み続ける。集団はそのベントソを捕まえスプリント争いに持ち込もうと必死にペースアップ。その動きも手伝ってか、残り約1kmでアクシデントが発生する。この日の優勝候補の一人、アッカーマンが落車。優勝争いから脱落してしまう。

デマールが伸びのあるスプリント

 ベントソ対集団という構図だったが、約700mというところで集団はベントソを吸収。ロット・ソーダル、グルパマ・エフデジ、ディメンションデータ、ドゥクーニンク・クイックステップが前方に固まる。

デマールが加速。力勝負のスプリントで勝利をもぎ取った Photo: Yuzuru SUNADA

 残り500m地点の先頭はロット・スーダルトレイン。しかし、そこにグルパマ・エフデジが広い道幅を利用し左から上がり、先頭に躍り出る。デマールとユアンはほぼ同時に発射、また、ヴィヴィアーニはユアンの後ろにつき、優勝を狙った。最終的には伸びのあるスプリントでデマールが勝利。スプリンターによる力勝負はデマールのガッツポーズで幕を閉じた。

 明日の第11ステージも平坦ステージ。同じくスプリント争いになるだろう。初山の逃げにも期待したい。

今シーズン初勝利となったデマール Photo: Yuzuru SUNADA
マリアローザを守ったコンティ。表彰台も板についてきた Photo: Yuzuru SUNADA

第10ステージ結果
1 アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ) 3時間36分7秒
2 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) +0秒
3 リュディガー・ゼーリッヒ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
4 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)
5 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、ディメンションデータ)
6 ダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエル サイクリングアカデミー)
7 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア)
8 ジョヴァンニ・ロナルディ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)
9 ジャスパー・デブイスト(ベルギー、ロット・スーダル)
10 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア、グルパマ・エフデジ)
149 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +3分36秒

個人総合(マリアローザ)
1 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAE・チームエミレーツ) 39時間44分39秒
2 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) +1分50秒
3 ナンズ・ピーターズ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +2分21秒
4 ホセ・ロハス(スペイン、モビスター チーム) +2分33秒
5 ファウスト・マスナダ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア) +2分36秒
6 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +2分39秒
7 アマーロ・アントゥネス(ポルトガル、CCCチーム) +3分5秒
8 ヴァランタン・マデュア(フランス、グルパマ・エフデジ) +3分27秒
9 ジョヴァンニ・カルボーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) +3分30秒
10 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ プロチーム) +3分32秒
163 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +1時間36分42秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 155 pts
2 アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ) 154 pts
3 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) 109 pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ジューリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 32 pts
2 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 22 pts
3 ファウスト・マスナダ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア) 18 pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ナンズ・ピーターズ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) 39時間47分0秒
2 ヴァランタン・マデュア(フランス、グルパマ・エフデジ) +1分6秒
3 ジョヴァンニ・カルボーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) +1分9秒

チーム総合
1 モビスター チーム 119時間19分11秒
2 ドゥクーニンク・クイックステップ +6分53秒
3 アンドローニ・シデルメク・ボッテキア +8分4秒

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