ジロ・デ・イタリア2019 第8ステージユアンが集団スプリントを制して優勝 コンティが総合首位堅守で第1週ラストの個人TTへ

by 米山一輝 / Ikki YONEYAMA
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 ジロ・デ・イタリア2019は5月18日、第8ステージが今大会最長の239kmで行われ、集団スプリントを制したカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)が区間優勝した。総合各賞の変動はなく、ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)が首位のマリアローザを守った。初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)は区間155位で完走している。

集団スプリントを鋭い加速で制したカレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)がステージ優勝 Photo: Yuzuru SUNADA

NIPPOが連日の逃げでアピール

 トルトレード・リドからペーザロに至るこの日のコースは、アドリア海沿いにイタリア半島の“ブーツのふくらはぎ”を北上するルート。終盤は内陸のアップダウンとなり、3級山岳と4級山岳2つを越えて、残り5kmからテクニカルな下りをこなしてフィニッシュに至る。スプリントだけでなく、上りでのアタック、はたまた下りでの抜け出しまで、さまざまな展開が想定される油断できないコース設定だ。

マリアローザでの出走2日目となるコンティにはこの日、マリアローザカラーのロードバイクが用意された Photo: Yuzuru SUNADA

 レースはスタートと同時にプロコンチネンタルチーム勢の2人がアタックして抜け出した。逃げたのはダミアーノ・チーマ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)、マルコ・フラッポルティ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア)で、両者とも今大会まだ1週目にして、実に3度目の逃げとなる。ほぼ毎日逃げにメンバーを送り込んでるNIPPOは、3年ぶり出場のジロで連日アピールする走りだ。

200kmに渡る逃げを敢行した2人 Photo: Yuzuru SUNADA

 今大会最長のステージとあって、メイン集団はスプリンターを擁するチームが、それぞれアシスト選手を早い段階で供出してコントロールを行った。タイム差はおおよそ5分台で進行し、残り100km付近から徐々に縮められていく。残り70km地点の3級山岳は2分50秒差でフラッポルティが先頭で通過。続く残り35km地点の4級山岳への上りでは、ついにメイン集団が逃げの2人を視界に捉えた。

単独で粘り続けるフラッポルティ Photo: Yuzuru SUNADA

 スタートから200kmを逃げ続けた2人だが、チーマが後退しフラッポルティが単独で粘る。するとメイン集団からは、山岳賞リーダージャージを着るジューリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)がアタックしてフラッポルティに合流。チッコーネは4級山岳の頂上を先頭通過して、山岳ポイントを積み重ねた。その後もしばらく逃げ続けた両者だったが、残り31kmで集団へと完全に飲み込まれ、レースは終盤にして振り出しに戻った。

終盤の攻防も最後はスプリントへ

 続く4級山岳の上りではルイス・フェルファーク(ベルギー、チーム サンウェブ)がアタック。これに再度チッコーネが追随し、さらにフランソワ・ビダール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)が合流して3人の先頭集団となった。山岳ポイントは再びチッコーネが先頭で通過。3人はその後も集団に対しての攻撃を続け、テクニカルな下りを経てメイン集団に40秒以上の差を付けた。

山岳リーダージャージのチッコーネら3人の逃げ Photo: Yuzuru SUNADA

 時折小雨が混じる路面状況も相まってあわや逃げ切りかとも思われたが、メイン集団は落ち着いて残り6kmで3人を吸収。アップダウンで70人ほどに絞られたメイン集団は、スプリントでの区間優勝争いとなった。残り250mの最終コーナーでボーラ・ハンスグローエのアシストが、エーススプリンターのパスカル・アッカーマン(ドイツ)を引き連れて先頭へ。その直後にはピタリとユアンが付けた。

 最終コーナーを抜けてすぐ加速するアッカーマン。しかし背後から“ポケット・ロケット”ことユアンが鋭い加速を見せてアッカーマンを追い抜き先頭へ。ユアンは直後に付けたエリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)を横に並ばせないスピードでそのままゴールラインまで踏み抜き、2017年第7ステージ以来となるジロ通算2勝目を飾った。今大会はここまでスプリントで2位、3位、4位が1回ずつ。今季移籍した新チームでの、待望のグランツール初勝利となった。

2年ぶりのジロ勝利を挙げたユアン Photo: Yuzuru SUNADA
初山翔は先頭から11分53秒遅れでゴール Photo: Yuzuru SUNADA
マリアローザをキープしたコンティ Photo: Yuzuru SUNADA

 翌第9ステージは、休息日を前に34.8kmの個人タイムトライアル(TT)が行われる。3週間の個人総合優勝を狙う各有力選手にとって、その力が本格的に問われる最初のステージ。レイアウトは第1ステージのTT同様、後半が上りとなり、平坦のスピードだけでなく、登坂力も問われるレイアウトだ。現在マリアローザを着るコンティにとっても、その座を今後長く保てるかを占う重要な一日となる。

第8ステージ結果
1 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) 5時間43分32秒
2 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) +0秒
3 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
4 ファビオ・サバティーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ)
5 マヌエル・ベレッティ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア)
6 アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ)
7 ダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエル サイクリングアカデミー)
8 マルコ・カノラ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)
9 ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、ディメンションデータ)
10 リュディガー・ゼーリッヒ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
155 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +11分53秒

個人総合(マリアローザ)
1 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAE・チームエミレーツ) 35時間13分6秒
2 ホセ・ロハス(スペイン、モビスター チーム) +1分32秒
3 ジョヴァンニ・カルボーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) +1分41秒
4 ナンズ・ピーターズ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +2分9秒
5 ヴァランタン・マデュア(フランス、グルパマ・エフデジ) +2分17秒
6 アマーロ・アントゥネス(ポルトガル、CCCチーム) +2分45秒
7 ファウスト・マスナダ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア) +3分14秒
8 ピーター・セリー(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) +3分25秒
9 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +3分27秒
10 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ) +4分57秒
163 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +1時間26分59秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 150 pts
2 アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ) 98 pts
3 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) 91 pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ジューリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 32 pts
2 ファウスト・マスナダ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア) 18 pts
3 アントニオ・ペドレロ(スペイン、モビスター チーム) 18 pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ジョヴァンニ・カルボーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) 35時間14分47秒
2 ナンズ・ピーターズ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +28秒
3 ヴァランタン・マデュア(フランス、グルパマ・エフデジ) +36秒

チーム総合
1 モビスター チーム 105時間47分30秒
2 ドゥクーニンク・クイックステップ +5分55秒
3 アンドローニ・シデルメク・ボッテキア +6分29秒

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