ジロ・デ・イタリア2019 第7ステージ連日の逃げ切りは終盤にアタック成功のビルバオが勝利 コンティはマリアローザ堅守

by 福光俊介 / Syunsuke FUKUMITSU
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 ジロ・デ・イタリア2019は5月17日に第7ステージとして、ヴァストからラクイラまでの185kmで争われた。レース中盤に形成された逃げグループから、精鋭6選手によるステージ優勝争いへ。残り1.5kmでアタックを成功させたペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ プロチーム)が独走に持ち込んでステージを制した。連日の逃げ切りとなったが、メイン集団は終盤にペースを上げてタイム差を調整。個人総合首位のマリアローザを着用するヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAE・チームエミレーツ)ら、4賞ライダーに変動は起きなかった。

ジロ・デ・イタリア2019第7ステージ、残り1.5kmでのアタックで逃げ切り勝利を決めたぺリョ・ビルバオ Photo: Yuzuru SUNADA

ハイスピードのレース前半 80km過ぎにようやく逃げが決まる

 アドリア海の海岸線に近いヴァストを出発し、しばし海沿いを走行したのち、プロトンは内陸部へと入っていく。各所にアップダウンが控えるルートにあって、特に重要なのはレース後半。この日唯一のカテゴリー山岳となる2級の上りをこなすと、その後も細かな上下を繰り返しながらフィニッシュを目指す。ラスト1kmからフィニッシュラインまでは、平均勾配7.6%で、最大勾配11%。緩やかに上りながら、このステージのフィナーレを迎える。

4賞ライダーがスタートラインに勢揃い Photo: Yuzuru SUNADA

 フィニッシュ地点周辺は、2009年に発生した大地震「ラクイラ地震」の被害が特に大きかった地域で、この出来事から10年を迎えるにあたって主催者がフィニッシュ地に選定した。

 そんな1日は、スタート直後から慌ただしい状況が続く。19人もの大規模な先頭グループが形成されるが、20km地点でいったん吸収。その後もアタックが散発し、出入りの激しい流れ。そんな中、有力スプリンターのフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAE・チームエミレーツ)がリタイア。左ひざを痛め、レース続行が不可能となった。これにより、UAE・チームエミレーツはすでに大会を去っているフアン・モラノ(コロンビア)に続くリタイア者となり、マリアローザのコンティを擁するリーダーチームながら6選手でレース進行を余儀なくされている。

 波乱含みのレースは、70km地点でまたも19人が飛び出す。いったんはメイン集団が容認したかに思われたが、バーレーン・メリダが追走し10kmほど進んだところで吸収する。

アシストに守られながらレースを進めるマリアローザのヴァレリオ・コンティ(右から3人目) Photo: Yuzuru SUNADA

 この直後、フィニッシュまで残すところ100kmとなったタイミングで12人が集団から抜け出し、そのまま先行を開始。この中にはビルバオのほか、総合成績でも期待がかかるダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)、前日も逃げでレースを展開しステージ3位に入ったホセ・ロハス(スペイン、モビスター チーム)らが加わった。

 先頭の12人とメイン集団とは少しずつタイム差が広がっていったが、UAE・チームエミレーツが集団のペーシングを担い、その差を大幅には拡大させない。総合タイム差2分12秒差につけるロハスが前につけていることから、射程圏内にとらえながらの進行でマリアローザを明け渡す意思がないことを示す。

 戦況に大きな変化はないまま、着々と残り距離を減らしていくプロトン。この状況が変わったのは残り25km。UAE・チームエミレーツのアシスト陣が役目を果たしたところで、先頭とのタイム差が2分以上に開く。これを嫌ったトレック・セガフレードやバルディアーニ・CSFなどが集団のペースアップを図る。あっという間にタイム差は縮まり、残り10kmを切ったタイミングでその差は1分となった。

アタック成功のビルバオがステージ優勝

 快調に飛ばしてきた先頭グループは、後続のペースアップがありながらも逃げ切りに賭けてスピードを維持。残り8kmとなったところで、ビルバオ、フォルモロのほか、トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール)、マッティーア・カッタネオ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア)、ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット)に絞られる。さらに、いったん後方へ下がっていたロハスが下りで加速し残り4.5kmで先頭復帰。その勢いのままアタックして独走を試みる。

逃げ切りに向けてハイペースで進む先頭グループ。右から2人目がステージ優勝のぺリョ・ビルバオ Photo: Yuzuru SUNADA

 ロハスに先行させた残りの5人は、テンポを維持しながら追走。フィニッシュまで1.5kmになったところでロハスを捕らえると、牽制気味になったタイミングでビルバオがアタック。

 ビルバオの動きが決定打となった。他の5選手の牽制状態が変わらず、残り1kmでようやくカッタネオが追走を試みるが、すぐに引き戻される。急坂区間をクリアし、最後の直線に1人でやってきたビルバオは、後続の追い上げをかわしてそのままフィニッシュへと飛び込んだ。5秒遅れでガロパン、フォルモロと続き、マリアローザ奪取なるかに注目が集まったロハスは6位でステージを終えた。

グルペットでレースを終えた初山翔 Photo: Yuzuru SUNADA

 レース終盤に入って先頭とのタイム差調整を急いだメイン集団だったが、安全圏に入ったことでビルバオらの逃げ切りを容認。1分7秒差でフィニッシュした中に、マリアローザのコンティのほか有力選手たちがいずれも含まれている。

 4賞ジャージに変動はなかったが、2日続けての逃げで上位フィニッシュを繰り返しているロハスが総合タイム差を37秒縮めて個人総合2位に浮上。なお、初山翔(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)はこの日、グルペットでフィニッシュしている。

マリアローザをキープしたヴァレリオ・コンティ Photo: Yuzuru SUNADA

 18日に行われる第8ステージは、トルトレード・リドからペーザロまでの239km。後半に3級、4級合わせて3カ所のカテゴリー山岳が待ち受けるほか、フィニッシュ前6kmからコーナーが連続するテクニカルなダウンヒルが待ち受ける。スプリントや逃げ切りなど、あらゆる展開が考えられるタフなステージとなっている。

第7ステージ結果
1 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ プロチーム) 4時間6分27秒
2 トニー・ガロパン(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +5秒
3 ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)
4 ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、ミッチェルトン・スコット) +9秒
5 マッティーア・カッタネオ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア)
6 ホセ・ロハス(スペイン、モビスター チーム) +30秒
7 セバスティアン・エナオ(コロンビア、チーム イネオス) +48秒
8 アントニオ・ペドレロ(スペイン、モビスター チーム) +1分1秒
9 ヴァランタン・マデュア(フランス、グルパマ・エフデジ) +1分7秒
10 アンドレーア・ヴェンドラーメ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア)
146 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +18分6秒

個人総合(マリアローザ)
1 ヴァレリオ・コンティ(イタリア、UAE・チームエミレーツ) 29時間29分34秒
2 ホセ・ロハス(スペイン、モビスター チーム) +1分32秒
3 ジョヴァンニ・カルボーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) +1分41秒
4 ナンズ・ピーターズ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +2分9秒
5 ヴァランタン・マデュア(フランス、グルパマ・エフデジ) +2分17秒
6 アマーロ・アントゥネス(ポルトガル、CCCチーム) +2分45秒
7 ファウスト・マスナダ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア) +3分14秒
8 ピーター・セリー(ベルギー、ドゥクーニンク・クイックステップ) +3分25秒
9 アンドレイ・アマドール(コスタリカ、モビスター チーム) +3分27秒
10 サム・オーメン(オランダ、チーム サンウェブ) +4分57秒
163 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +1時間15分6秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 133 pts
2 アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ) 87 pts
3 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル) 66 pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ジューリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 24 pts
2 ファウスト・マスナーダ(イタリア、アンドローニ・シデルメク・ボッテキア) 18 pts
3 アントニオ・ペドレロ(スペイン、モビスター チーム) 18 pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ジョヴァンニ・カルボーニ(イタリア、バルディアーニ・CSF) 29時間31分15秒
2 ナンズ・ピーターズ(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) +28秒
3 ヴァランタン・マデュア(フランス、グルパマ・エフデジ) +36秒

チーム総合
1 モビスター チーム 88時間36分54秒
2 ドゥクーニンク・クイックステップ +5分55秒
3 アンドローニ・シデルメク・ボッテキア +6分29秒

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