ジロ・デ・イタリア2019 第2ステージ今大会最初のスプリントステージをアッカーマンが制す グランツール初出場で初勝利

by あきさねゆう / Yuu AKISANE
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 ジロ・デ・イタリアは5月12日、第2ステージが開催され、集団スプリントをパスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)が制し、グランツール初出場・初勝利を飾った。総合首位のプリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)は危なげなく集団内でフィニッシュ。日本人勢では、初山翔(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)がトップから12分59秒遅れのステージ169位だった。

ドイツチャンピオンジャージを着て、グランツール初出場・初勝利を飾ったパスカル・アッカーマン Photo: Yuzuru SUNADA

大雨のなか8人の逃げが形成

 第2ステージはポローニャからフチェッキオまでの205kmで争われた。道中、3カ所のカテゴリー山岳が設定されているものの、一つ一つの難易度はそこまで高くない。終盤はほぼ平坦となっているため、集団スプリントの展開が予想されていた。

ヘルメットまでマリアローザカラーに染めて登場したプリモシュ・ログリッチェ Photo: Yuzuru SUNADA
レインウェアを着込んでスタート地点に並ぶ初山翔 Photo: Yuzuru SUNADA

 しかし、大会主催者は本ステージを前日の個人タイムトライアルと同等の星3つに難易度を設定した。カテゴリー山岳の上りは勾配が厳しくないなか、細く曲がりくねっていて、終盤の飛び出しによる逃げ切りの可能性を秘めたコースレイアウトだった。

 レースはスタート前から大雨に見舞われ、路面がウェットコンディションのなか始まった。スタート直後に逃げ集団が形成。山岳賞ジャージのマリアアッズーラを着用するジューリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)を含む8人がリードを築いた。

狙いどおり山岳ポイントを荒稼ぎしたジューリオ・チッコーネ Photo: Yuzuru SUNADA

 メイン集団のコントロールにはリーダージャージを擁するユンボ・ヴィスマだけでなく、集団スプリントに持ち込みたいドゥクーニンク・クイックステップ、ボーラ・ハンスグローエ、UAE・チーム エミレーツなどスプリンターチームも協力。逃げ集団を最大4分程度のタイム差に抑え込んだままレースは進行。レース中盤を迎える頃には、雨も上がり、徐々に路面コンディションも回復していった。

 また、道中のカテゴリー山岳はすべてチッコーネが先頭通過。山岳ポイントを21点とし、山岳賞ジャージ獲得に向けて並々ならぬ意欲を見せる結果となった。残り28km地点の4級山岳を越える頃には、逃げ集団はチッコーネを含む4人となり、メイン集団とのタイム差も1分を切ってきた。

道幅が細めのアップダウンの多いコースを走る集団 Photo: Yuzuru SUNADA

 細い道幅、細かいアップダウン、断続的なコーナーが続く区間でバーレーン・メリダやチームサンウェブがペースアップを図ったことにより、メイン集団が分裂する場面も見られたが、いずれも決定的な動きにはつながらず。フィニッシュに向けて平坦区間に入ると、再びスプリンターチームが集団コントロールを担い、レースは大詰めを迎えていった。

後方から一気にまくったアッカーマン

 残り10kmを切ったところで、逃げとのタイム差は10秒程度まで縮まっていた。泳がすような形で、残り8km地点を過ぎたところで逃げを吸収。

集団内を走行するマリアビアンカのミゲルアンヘル・ロペス Photo: Yuzuru SUNADA

 アッカーマン擁するボーラ・ハンスグローエが積極的に集団先頭を確保する中、エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア)を擁するドゥクーニンク・クイックステップ、カレブ・ユアン(オーストラリア)を擁するロット・スーダル、アルノー・デマール(フランス)を擁するグルパマ・エフデジも着実に集団前方をキープ。

 ユンボ・ヴィスマら総合系チームも危険回避のために集団前方に上がっており、集団は高速域を保ったまま最終盤に突入。

 救済措置のある残り3kmを切ると、総合系チームが下がり、ボーラ・ハンスグローエ、ロット・スーダル、グルパマ・エフデジがそれぞれトレインを組んでいた。

集団内を走行する初山翔。背中には脱いだレインウェアをしまっていると思われる Photo: Yuzuru SUNADA

 ラスト1kmのアーチはボーラ・ハンスグローエが先頭で通過。しかし、すぐさまロット・スーダルがアシストを揃えて主導権を奪回。アシストを3人残す盤石の布陣で、エースのユアンを運ぶ。そのユアンの背後にはフェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAE・チーム エミレーツ)、ヴィヴィアーニ、アッカーマン、デマールらが続いていた。

 1枚、また1枚とロット・スーダルのリードアウト陣が仕事を終えると、最終リードアウトを務めるジャスパー・デブイスト(ベルギー)がラスト200mの絶好の位置でユアンを発射。同時にガビリアとヴィヴィアーニも加速。アッカーマンは前方の混戦を避けるように逆サイドからスプリントを開始した。

 ユアンが良い伸びを見せるなか、それを上回る加速を見せたのがアッカーマンとヴィヴィアーニだった。ユアンをかわそうとヴィヴィアーニが前に出る動きをみせるなか、いち早くトップスピードに乗ったアッカーマンがヴィヴィアーニを差して前に出た。さらに、先行するユアンをも差し切って見事にステージ優勝を飾った。

素晴らしい加速でグランツール初勝利を飾ったパスカル・アッカーマン Photo: Yuzuru SUNADA

 2位にはヴィヴィアーニが入り、完ぺきな体勢を築いていたユアンは3位に留まった。

ポイント賞のマリアチクラミーノも獲得したパスカル・アッカーマン Photo: Yuzuru SUNADA

 アッカーマンにとっては、今大会がグランツール初出場だ。昨年大会ではチームメートのサム・ベネット(アイルランド)がステージ3勝と鮮烈な活躍をしていただけに、チームの期待を一身に背負っての出場となったが、プレッシャーをはねのけ嬉しい初勝利を手にした。

 翌第3ステージは第2ステージと同様にレース中盤は丘陵地帯を通過するため、アップダウンが多い。残り40km地点に4級山岳を越えてからは概ね平坦基調となっているため、集団スプリントの展開が予想されている。

第2ステージ結果
1 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 4時間44分43秒
2 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) +0秒
3 カレブ・ユアン(オーストラリア、ロット・スーダル)
4 フェルナンド・ガビリア(コロンビア、UAE・チームエミレーツ)
5 アルノー・デマール(フランス、グルパマ・エフデジ)
6 ダヴィデ・チモライ(イタリア、イスラエル サイクリングアカデミー)
7 ビアチェスラフ・クズネツォフ(ロシア、カチューシャ・アルペシン)
8 ジャスパー・デブイスト(ベルギー、ロット・スーダル)
9 クリスティアン・スバラーリ(イタリア、イスラエル サイクリングアカデミー)
10 リュディガー・ゼーリッヒ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
169 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +12分59秒

個人総合(マリアローザ)
1 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 4時間57分42秒
2 サイモン・イェーツ(イギリス、ミッチェルトン・スコット) +19秒
3 ヴィンチェンツォ・ニバリ(イタリア、バーレーン・メリダ) +23秒
4 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) +28秒
5 トム・デュムラン(オランダ、チーム サンウェブ)
6 ラファル・マイカ(ポーランド、ボーラ・ハンスグローエ) +33秒
7 タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チーム イネオス) +35秒
8 バウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード) +39秒
9 ダミアーノ・カルーゾ(イタリア、バーレーン・メリダ) +40秒
10 ペリョ・ビルバオ(スペイン、アスタナ プロチーム) +42秒
171 初山翔(日本、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) +15分41秒

ポイント賞(マリアチクラミーノ)
1 パスカル・アッカーマン(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) 25 pts
2 エリア・ヴィヴィアーニ(イタリア、ドゥクーニンク・クイックステップ) 18 pts
3 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 15 pts

山岳賞(マリアアッズーラ)
1 ジューリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) 21 pts
2 フランソワ・ビダール(フランス、アージェードゥーゼール ラモンディアール) 6 pts
3 プリモシュ・ログリッチェ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) 4 pts

新人賞(マリアビアンカ)
1 ミゲルアンヘル・ロペス(コロンビア、アスタナ プロチーム) 4時間58分10秒
2 タオ・ゲオゲガンハート(イギリス、チーム イネオス) +7秒
3 ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーションファースト) +19秒

チーム総合
1 ユンボ・ヴィスマ 14時間54分47秒
2 バーレーン・メリダ +15秒
3 アスタナ プロチーム +28秒

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