スピード自慢のブリヂストン勢を撃破ブリッツェン小野寺玲が宇都宮クリテリウムを2年連続制覇 Jプロツアー第5戦

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
  • 一覧

 国内最高峰のロードレースツアー、Jプロツアーの第6戦「第6回JBCF宇都宮クリテリウム」が5月12日、栃木県宇都宮市の清原工業団地内に設定された1周3kmの周回コースを20周する60kmで開催され、集団ゴールスプリントを制した小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が優勝し、昨年に続き大会2連覇を達成した。

表彰式。左から2位の黒枝士揮(チーム ブリヂストンサイクリング)、優勝の小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、3位の窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング) Photo: Nobumichi KOMORI

オールフラットのスピードバトル

 前日の第5戦に続き、Jプロツアー第5ラウンドの2戦目となる今回の第6戦。コースは栃木県宇都宮市の清原工業団地内に設定された1周3kmの公道特設コースで、中盤に1カ所180度コーナーが設けられている以外に難易度の高いコーナーはなく、オールフラットなレイアウトも相まって、毎年ハイスピードバトルが繰り広げられている。

メイン会場には地元である清原地区の有志や企業の飲食ブースが軒を連ねる Photo: Nobumichi KOMORI
晴天に恵まれたこともあり、会場には多くの観戦客が足を運んだ Photo: Nobumichi KOMORI
スタートの号砲とともにコースに選手たちが飛び出していく Photo: Nobumichi KOMORI

 レース前の段階で優勝候補最有力と目されたのが、前日の第5戦で今村駿介が初優勝を飾ったチーム ブリヂストンサイクリング。前日は未出走だった橋本英也と沢田桂太郎の2選手を加え、窪木一茂、黒枝士揮、近谷涼、そして今村と、トラック競技でもトップクラスの活躍を見せるスピード自慢の選手のみというメンバー構成。隊列を組んでの勝負では不利になるであろうライバルチーム勢が、そのままスプリントで真っ向勝負を挑むのか、それとも積極的に逃げを打ってスプリントにさせないような展開に持ち込むのかに大きな注目が集まる中で、レースはスタートを迎えた。

アタックの応酬でタテ長になった集団が180度コーナーでさらにタテに伸びる Photo: Nobumichi KOMORI

12人の逃げ集団はキナンが容認せず

 スタート直後から、ゴールスプリント勝負を回避したいチームの選手を中心に激しいアタック合戦が勃発。数人の選手が飛び出しては集団に吸収される展開が続いたが、4周目になるとブリヂストン橋本、阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)、入部正太朗、木村圭佑、横山航太、中井唯晶(以上シマノレーシング)、下島将輝と中村魁斗(ともに那須ブラーゼン)、畑中勇介(チームUKYO)、トマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)、岸崇仁(リオモ・ベルマーレ レーシングチーム)、白川幸希(ヴィクトワール広島)の12人という大所帯の逃げ集団が形成されることになった。逃げ集団はそれぞれ思惑が異なる選手の集まりながら、メイン集団から20秒程度のリードを奪って周回を重ねていった。

12人の逃げ集団が逃げ続ける展開が続く Photo: Nobumichi KOMORI
キナンサイクリングチームがペースを上げるメイン集団が逃げ集団とのタイム差を縮めていく Photo: Nobumichi KOMORI

 一方のメイン集団は、逃げ集団にルバしか送り込めず、逃げ集団内での勝負になれば不利と判断したキナンサイクリングチームが先頭に立ってコントロールを開始。エーススプリンターの大久保陣を温存し、山本元喜、山本大喜、新城雄大の3選手で逃げ集団とのタイム差を詰めていく。レースも折り返しを過ぎて12周目を迎える頃になると、その差は10秒程度にまで縮まり吸収は目前という状況に。すると、その状況を嫌った入部と畑中が逃げ集団からさらに飛び出して逃げ続けるが、残る選手たちはメイン集団が吸収。そのタイミングで単独で抜け出した小石祐馬(チームUKYO)が逃げの2人にブリッジをかけたものの、程なくして集団に吸収され、レースは振り出しに戻った。

畑中勇介(チームUKYO)と入部正太朗(シマノレーシング)の2人が粘り強く逃げ続ける Photo: Nobumichi KOMORI
振り出しに戻った集団から内間康平(チームUKYO)が単独アタックを仕掛けて抜けだす Photo: Nobumichi KOMORI
佐野淳哉(マトリックスパワータグ)と増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が内間を追走するも集団に吸収される Photo: Nobumichi KOMORI

 振り出しに戻った集団内では、さらに激しいアタック合戦は勃発。内間康平(チームUKYO)の単独アタックに佐野淳哉(マトリックスパワータグ)や増田成幸(宇都宮ブリッツェン)らが反応して先行しようとするが、集団もそれを許さない。その後も数人の選手がアタックを仕掛けて抜け出そうとする場面が続いたが、そのどれもが成功せず、勝負は大集団でのゴールスプリントに持ち込まれることが濃厚な状況に。UCIコンチネンタルチームを中心に、スプリントに向けて隊列を整える状況になった。

小野寺が新ポーズで圧巻のスプリント

 残り2周になると、集団内ではシマノレーシング、キナンサイクリングチーム、宇都宮ブリッツェンらが隊列を整えて前方をキープする状態になり、そのまま肩を並べるように最終周へと向かう。するとここで、若干後方から隊列を整えた状態のチーム ブリヂストンサイクリングが一気に集団先頭に躍り出て最終周へと入った。

先頭を争うシマノレーシングと宇都宮ブリッツェンの隊列にチーム ブリヂストンサイクリングが並んで最終周へ Photo: Nobumichi KOMORI
猛烈な追い上げを見せるチーム ブリヂストンサイクリング勢を寄せ付けずに小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)がフィニッシュに向かう Photo: Nobumichi KOMORI

 最終周に入っても、チーム ブリヂストンサイクリングのトレインはスピードが衰えず、なかなか競り合えるチームが現れないまま180度コーナーを通過。このまま盤石の体制でチーム ブリヂストンサイクリングが連勝かという雰囲気が流れたが、後方から阿部が鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)と小野寺を引き連れて集団前方に浮上。そのまま最終コーナーのひとつ前のコーナーでインを突いてチーム ブリヂストンサイクリングから先頭を奪うと、その後を受けた鈴木も鋭い加速を見せて最終コーナーを先頭でクリア。ホームストレートで発射された小野寺は先頭を譲ることなく、新たなオノデライダーポーズとともにフィニッシュラインを駆け抜けた。

新たなポーズとともにフィニッシュに飛び込んだ小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)が2年連続で優勝を飾った Photo: Nobumichi KOMORI

 昨年に続き、ド派手なオノデライダーポーズを見せて連覇を飾った小野寺はレース後、「最終周のチーム ブリヂストンサイクリングのトレインが強力で、前に出ようとしても何度も被せられてしまっていたが、180度コーナーを過ぎてから阿部選手が自分と鈴木龍選手を引き連れて一気に先頭に出てくれ、その後も鈴木龍選手がつないでくれて、自分は最後のゴール前だけに集中するだけでした」と優勝の喜びを語った。

プロリーダージャージは岡篤志(宇都宮ブリッツェン)、ネクストリーダージャージは今村駿介(チーム ブリヂストンサイクリング)がともにキープ Photo: Nobumichi KOMORI

 なお、ツアーリーダーの証であるプロリーダージャージは岡篤志(宇都宮ブリッツェン)、23歳未満のランキングトップの選手が着用するネクストリーダージャージは今村がともにキープしている。

 次戦はおよそ1カ月後の6月8日に「第3回JBCF那須塩原クリテリウム」が、栃木県那須塩原市で開催される。

3回設定されていた中間スプリント賞を橋本英也と窪木一茂(ともにチーム ブリヂストンサイクリング)が総ナメにしたが、一番ほしかった勝利には届かなかった Photo: Nobumichi KOMORI
敢闘賞は終始積極的な入部正太朗(シマノレーシング)が獲得 Photo: Nobumichi KOMORI

JBCF宇都宮ロードレース
1 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) 1時間18分53秒
2 窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング) +0秒
3 黒枝士揮(チーム ブリヂストンサイクリング)
4 沢田桂太郎(チーム ブリヂストンサイクリング)
5 鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)
6 大久保陣(キナンサイクリングチーム) +1秒
7 紺野元汰(イナーメ信濃山形)
8 橋本英也(チーム ブリヂストンサイクリング)
9 黒枝咲哉(シマノレーシング) +2秒
10 山本大喜(キナンサイクリングチーム)

関連記事

この記事のタグ

Jプロツアー2019 ロードレース

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

インプレッション一覧へ

連載