最終局面で飛び出しゴールまで独走今村駿介が宇都宮ロードでJプロツアー初勝利 ブリヂストン勢がワン・ツー

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
  • 一覧

 国内最高峰のロードレースシリーズ、Jプロツアーの第5戦「第3回JBCF宇都宮ロードレース」が5月11日、栃木県宇都宮市の市森林公園および鶴カントリー倶楽部周辺に設定された1周6.7km行動特設周回コースを14周する93.8kmで開催され、最終局面で形成された5人の先頭集団から残り1kmを切って飛び出したチーム ブリヂストンサイクリングの今村駿介が独走でうれしいJプロツアー初優勝。さらに2位にはチームメートの窪木一茂が入り、チーム ブリヂストンサイクリングがワン・ツーフィニッシュを達成した。

最終局面で勇気を持って飛び出した今村駿介(チーム ブリヂストンサイクリング)がうれしいJプロツアー初優勝を飾った Photo: Nobumichi KOMORI

勝負どころが読めない難コース

 今年で3回目の開催となった宇都宮ロードレース。昨年からスタートとフィニッシュ地点がジャパンカップと同じになり、ジャパンカップとは逆の右回りに変更。明確な勝負どころと言える場所がない代わりに、踏みどころが随所にちりばめられた攻略が難しいコースへと変貌した。

ジャパンカップでもおなじみの宇都宮市森林公園にスタート・フィニッシュ地点が設営される Photo: Nobumichi KOMORI
レース前にはステージイベントとして「弱虫ペダル」石垣光太郎役や「黒子のバスケ」伊月俊役などで知られる声優でロードバイク愛好家の野島裕史さんのトークショーも開催された Photo:Kensaku SAKAI
会場内の飲食ブースには焼きたてが味わえる窯焼きピザも Photo: Nobumichi KOMORI
宇都宮の名物である餃子も販売された Photo: Nobumichi KOMORI

 前戦の第4戦東日本ロードクラシック同様、今レースも序盤戦を席巻したマトリックスパワータグの新外国人選手、オールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ)とフランシスコ・マンセボ(スペイン)、既存戦力のホセビセンテ・トリビオ(スペイン)らがUCIレースに出場するためにスペインに滞在中で不在。その影響もあってか、第4戦は終盤を除いて非常に緩い展開のレースになってしまった印象があったが、今レースから長らく日本ナショナルチームの活動で所属チームを離れていた増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)、小石祐馬(チームUKYO)といった日本人選手勢がチームに合流。エキサイティングなレース展開を生み出してくれることに期待が集まった。

後半はアタックの応酬に

ランキング上位選手を先頭にスタートラインに選手が整列する Photo: Nobumichi KOMORI

 ローリングスタートで幕を開けたレースは、ニュートラル区間を過ぎてリアルスタートが切られると激しいアタック合戦の展開に。数人の選手が集団から飛び出しては吸収される状態を繰り返しながら、中井唯晶(シマノレーシング)と椿大志(キナンサイクリングチーム)の2人が先行する形で2周目へと入った。しかし、この2人はすぐに集団が吸収。その後もアタックの応酬が続き、出入りの激しい展開が続いたものの決定的な逃げが形成されないまま周回を重ねる状況が続いた。

レース序盤、椿大志(キナンサイクリングチーム)と中井唯晶(シマノレーシング)が飛び出すも、集団に吸収される Photo: Nobumichi KOMORI

 5周目に入ると、アタックした選手に反応した岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が単独で先行する展開に。そこに集団から実兄の岡泰誠(イナーメ信濃山形)が単独ブリッジを成功させ、岡兄弟2人の逃げが形成された。メイン集団もこの逃げを容認して、シマノレーシングとチーム ブリヂストンサイクリングがコントロールを開始。最大で30秒程度にタイム差を保った状態で、一旦レースは落ち着きを見せた。

レース中盤になると、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)と岡泰誠(イナーメ信濃山形)の兄弟が逃げる展開が続いた Photo: Nobumichi KOMORI
メイン集団はシマノレーシングとチーム ブリヂストンサイクリングがコントロール Photo: Nobumichi KOMORI

 落ち着きを見せていたレースが再び動き始めたのは8周目。チームUKYOが追撃の動きを見せ始めると、逃げる2人とのタイム差も少しずつ縮まっていき、9周目になると逃げを吸収して集団はひとつになりレースは振り出しに戻った。ひとつになった集団では再びアタックの応酬となり、キナンサイクリングチームやシマノレーシング勢が積極的に攻撃を仕掛けていく。11周目になると山本大喜(キナンサイクリングチーム)、小石、入部正太朗と黒枝咲哉(ともにシマノレーシング)、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)の5人が集団から抜け出したが、この動きは程なくして集団がキャッチ。しかし、再び小野寺がアタックを仕掛けると入部が反応、さらに窪木が合流して3人の先頭集団が形成された。

ひとつになった集団から入部正太朗(シマノレーシング)、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)の3人が飛び出す Photo: Nobumichi KOMORI

最終局面の数的優位を生かしたBS勢

 その後、3人の先頭集団は残り2周となる13周目まで先行したものの、人数を減らしながらペースアップした集団が吸収。するとそのカウンターで中井がアタックを仕掛けて単独で先行する展開になったが、しばらくすると集団が吸収。すると今度はトマ・ルバ(フランス、キナンサイクリングチーム)のアタックをきっかけに、増田、入部、小石、今村という各チームのエース級の選手がそろう5人の先頭集団が新たに形成された状態で、レースは最終周へと入った。

小石祐馬(チームUKYO)を先頭に、5人の先頭集団が最終周に入る Photo: Nobumichi KOMORI

 最終周に入ると、先頭の5人が強力なこともあって集団とのタイム差は縮まらず、勝負は5人に絞られることが濃厚に。そうなると先頭でも攻撃の仕掛けあいが始まり、小石がドロップ。4人になって残り1kmを迎えた。するとここで、追いつくのは不可能と思われていた後方の集団から単独で抜け出した窪木が驚異的な追走で先頭集団に合流。その窪木が合流したことを確認した今村が「窪木さんが来てくれたので、自分は思い切って攻撃するだけだと思った」とレース後のインタビューで語った通りにアタックを仕掛けて単独で先行する展開に。スプリント力がある窪木の存在がネックとなって牽制ぎみとなった残り3選手を尻目に、今村が独走でフィニッシュしてJプロツアー初優勝となる優勝。さらに、スプリントとなった後続集団の先頭も窪木がきっちりととって、チーム ブリヂストンサイクリングが見事にワン・ツーフィニッシュを達成した。

残り1kmを切った段階で単独で飛び出した今村駿介(チーム ブリヂストンサイクリング)が後続を振り切ってホームストレートに姿を現す Photo: Nobumichi KOMORI

 この結果、ツアーリーダーの証であるプロリーダージャージは未完走だったものの岡がキープ。23歳未満のランキングトップの選手が着用するネクストリーダージャージは、この日出走しなかった沢田桂太郎(チーム ブリヂストンサイクリング)から優勝した今村に移った。

 次戦は翌5月12日に「宇都宮クリテリウム」が、宇都宮市で開催される。

表彰式。左から2位の窪木一茂、優勝の今村駿介(ともにチーム ブリヂストンサイクリング)、3位の入部正太朗(シマノレーシング) Photo: Nobumichi KOMORI
毎レース選出される敢闘賞はレース中盤に逃げた岡篤志(宇都宮ブリッツェン)と岡泰誠(イナーメ信濃山形)の兄弟が受賞 Photo: Nobumichi KOMORI
プロリーダージャージは岡篤志(宇都宮ブリッツェン)がキープ、ネクストリーダージャージは優勝した今村駿介(チーム ブリヂストンサイクリング)に移った Photo: Nobumichi KOMORI

JBCF宇都宮ロードレース
1 今村駿介(チーム ブリヂストンサイクリング) 2時間20分51秒
2 窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング) +0秒
3 入部正太朗(シマノレーシング) +1秒
4 トマ・ルバ(キナンサイクリングチーム) +2秒
5 増田成幸(宇都宮ブリッツェン) +10秒
6 小石祐馬(チームUKYO) +31秒
7 黒枝咲哉(シマノレーシング) +46秒
8 横山航太(シマノレーシング)
9 孫崎大樹(チーム ブリヂストンサイクリング) +47秒
10 中井唯晶(シマノレーシング)

この記事のコメント

利用規約順守の上ご投稿ください。

関連記事

この記事のタグ

Jプロツアー2019 ロードレース

  • 一覧

新着ニュース

もっと見る

ピックアップ

e-BIKE最新特集

スペシャル

自転車協会バナー

ソーシャルランキング

インプレッション

  • タイム
    アルプデュエズ01 ディスク

    ディスクブレーキで伝統の走りを進化

  • リブ
    AVAIL ADVANCED

    走る好奇心を止めない リブの新型‟無敵”ロードバイク

  • インプレッション一覧へ

    連載