竹内遼と松本佑太の両若手選手が挑戦フカヤレーシング結成後初の海外遠征 極限の6日間MTBペアレース「チームの絆が試された」

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 ポルトガルのビゼウで4月30日〜5月5日までの6日間に渡って開催された国際大会「Portugal MTB」(ポルトガルMTB)に、「FUKAYA RACING」(フカヤレーシング)の竹内遼と松本佑太の両選手が出場しました。2人組のペアで、6日間で総距離350km、獲得標高1万210mを駆け抜けるレース。チーム結成後初となる海外遠征の様子を、同チームの選手兼マネージャーの松本佑太のリポートで紹介します。

プロローグのスタート(画像左から竹内遼、松本佑太) ©PORTUGAL MTB

◇         ◇

 ヨーロッパの最西端、ポルトガルの地で開催された国際大会にフカヤレーシングの2人に加え、日本からは上野蓮と黒瀬文也の2選手が参戦した。フカヤレーシングは、来たるワールドカップへの挑戦に備えてUCIポイント獲得のために同レースに参戦。ヨーロッパでのレースに慣れることも含めて出場した。

「ポルトガルMTB」の6日間に及ぶコースプロファイル ©PORTUGAL MTB

 パートナー企業として我々の活動をサポートしてくれている「H.I.S.」の手配で、それぞれバイクケース、スーツケースを持っていけるストレスフリーな状態で遠征がスタートした。現地リスボン空港に到着してからは初めての海外レンタカーに戸惑いながらもなんとか車を手に入れ、大会開催地の近く「ビゼウ」に到着した。

 舞台となるのは日本にはない圧倒的スケールの険しい岩山。尾根で回る無数の風車が「風の谷」を思わせる。時おり現れる小さな村を通り抜け、山を越えてはまた山が現れるコース。壁のようにそそり立つ道を、パートナーと共に走り抜けるレースだ。1人がリタイアすれば、もちろん道連れとなる。

第1ステージのスタート前 ©PORTUGAL MTB

 初日のレースは、「プロローグ」として30km、1100mアップのタイムトライアルで幕を開けた。前のペアとは1分間隔でスタート。前の選手を先に捉えながら、15分ほど走行していたところで後ろから1ペアの選手に抜かされる。その選手についていこうとした際に、松本が下りで岩にタイヤを当ててしまい、サイドカット。パンク修理で何度か足をとられ、初日から大幅にタイムロスをしてのゴールとなった。

【ステージ1】82km/2200mup

 序盤は5位6位の2チームとマスターの選手とで集団で展開された。徐々にペースも上がり、前方の選手を捉え始めた。しかし50km地点で松本のペースダウンに伴い、集団から離脱。順位を落とし、8位でのゴールとなった。

【ステージ2】92km/3075mup

絶景をバックに92kmの道を進む ©PORTUGAL MTB

 クイーンステージとなるこの日はスタートは冷静にレースを展開する事を心がけた。結果的に最後までペース変えずに走り続け、先に逃げていた選手をレース中盤で捉える事になった。5位に浮上してからは完全な2人旅になる。風車がいくつもある山の尾根の上り下りをひたすら繰り返し、6時間を超えてのゴールとなった。

風車が並ぶ山々を駆け抜ける ©PORTUGAL MTB

【ステージ3】60km/1600mup

 すでに疲労はピークを迎え、参加者達の賑やかさも第1ステージとは違っていた。スタートしてからも舗装区間では集団がペースを変えずに進み、シングルトラックに入ってばらける形となった。92kmを体験してからの60kmはとても短く感じた。7位でレース残り10km地点に差し掛かったところで6位の選手を見つけ、追走。前のペアのペースが落ちてパスすることができ、6位でゴールした。

【ステージ4】27km/750mup

川沿いの道を突き進む ©PORTUGAL MTB

 この日はクロスカントリーの距離で行われた。自分達の得意な時間なだけに気合も入る。スタートはクロスカントリーらしくスプリントスタート。その後は7位でレースを展開すると、残り7kmで前のペアがパンク。さらにその前のペアも視界に入ったので追い上げを開始。残り3kmで追いつき、スプリントをかけたが相手も負けじと食らいついてきた。最後のシングルトラックで後ろの選手がミスをし、5位に浮上してのゴールとなった。

【ステージ5】64.5km/1500m

 いよいよ迎えたラストステージ。すでに通算17時間以上、ひたすら土の上を走ってきた。トラブルもあったが今日走れば無事完走。疲労のためにペースも上がらず、前半は8位で展開した。30km地点で前のチームを捉えると、その後はペースが少しずつ上がり始め、さらに前のチームもパスして6位に浮上。そこからは周りに選手がいない2人旅となった。 最後のゴールが見えてからの2kmは、ペダルを回しながら6日間の出来事が頭をよぎった。

果てしなく続く上り坂 ©PORTUGAL MTB

 ようやく、6日間にわたる通算21時間4分という長い戦いが終わった。エリート8チーム中6位という結果で、無事に目的のUCIポイントの獲得をする事ができた。だが、この大会ではそれ以上の多くのことを手に入れる事ができた。そして大会に参加しているオーガナイザーや選手達は、遠く日本から来た僕たちを快く迎え入れてくれた。体調不良を抱えながらも無事完走した上野選手と黒瀬選手もゴールし、お互いの健闘を称えあった。

エリート8チーム中、6位でゴールを切った ©PORTUGAL MTB

自分たちの限界が試された

 このレースをともに走りきったことで、互いの信頼関係も試された。お互いが理解し合えていないと些細な事でもストレスになってしまう極限状態。言葉のないコミュニケーションを取らなければならない時間が多いこの大会を乗り越えると、その2人にしかない関係が生まれる。大自然を目の前にして、何か人間の限界を試されていたのかもしれない。

 そして、そんな多くの事を提供してくれる大会だからこそ、また来年も挑戦したいと思った。

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MTBレース フカヤ マウンテンバイク

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