トッププロと国内屈指の激坂に挑戦e-BIKEで富士山ヒルクライム対決 福田萌子さんvs.ダニエル・オスの結果は?

by 松尾修作 / Shusaku MATSUO
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 「プロ選手と一緒にヒルクライムして、本気のアタックを見るのが夢!」とモデルの福田萌子さんは3年前から語っていた。自身がロードバイクと出会い、また、ロードレースに夢中になるにつれてその願いも増していった。その夢を叶えるべく、近年人気の電動アシスト付き自転車「e-BIKE」を駆り、富士山の激坂「あざみライン」で、欧州の有名選手・ダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)とヒルクライムを競った。

福田萌子さんがe-BIKEでダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ)とあざみラインに挑戦 Photo: Shusaku MATSUO

電動アシストでリベンジを

 ヒルクライムが大好きな萌子さんは、2017年にロードバイクで「あざみライン」に挑戦したことがある。“フラぺ”女子として気軽にサイクリングを楽しむことを信条としているが、国内でも屈指の激坂として知られるあざみラインの攻略は甘くなかった。「フラットペダル」では、ペダルとシューズが固定されていないため、“引き足”を使えず、急坂区間で四苦八苦。最大斜度22%の区間で足を地面についてしまい、無念のバイクを押してのフィニッシュとなっていた。

「僕に勝てるかな?」とほほ笑むダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) Photo: Shusaku MATSUO

 そこで今回、萌子さんは近年流行を見せるe-BIKEを持ち込んだ。モーター+バッテリーが織りなすアシスト力に加え、ペダルを回したり、バランスを取る必要があるなどスポーツとしての要素を掛け合わせた人気の自転車カテゴリーだ。萌子さんはシリアスレーサーではなく、自転車そのものを楽しむサイクリスト。新たなジャンルを楽しむべく、e-BIKEをヒルクライムに投入した。「これならあざみラインでも足をつかずにゴールできそう!」と雨模様の下でも、萌子さんのテンションは最高潮となった。

 電動アシスト付きの萌子さんとヒルクライムに挑むのは、UCI(国際自転車競技連合)ワールドチーム「ボーラ・ハンスグローエ」でスーパーアシストとして活躍するダニエル・オス。元世界王者のぺテル・サガン(スロバキア)の右腕として彼を支えつつ、自らもレースの重要局面で動ける世界的なトッププロ選手だ。

トッププロと同ペースで走れるか

 「彼はトッププロですが、電動アシストが付いているe-BIKEなら勝てるんじゃないかしら?」と意気込む萌子さん。オスも「今回走るコースはとても厳しいと聞いているよ。“ジャパニーズ・ゾンコラン”(イタリア一周レース『ジロ・デ・イタリア』にも登場する激坂)を走るのが楽しみだ!」と期待に胸を膨らませていた。果たしてe-BIKEに乗った一般サイクリストと、ノーマルのロードバイクに乗ったトッププロが、山道をヒルクライム対決すると、どのような結果となるのだろうか。

いざ、あざみラインへ! Photo: Shusaku MATSUO

 スタート地点にやってきた萌子さんは、アシストの電源をオンにする。トップチューブ上にあるボタンを押すと、ハンドルの液晶が色鮮やかに点灯した。アシストの強弱は3段階で、序盤の区間は真ん中の強さに設定すると、約11.2km、平均斜度10%という難所への挑戦の火ぶたが切って落とされた。

走り始めから「JR1」の力強さを実感した萌子さん Photo: Shusaku MATSUO

 スタートしてから間もなく、萌子さんは「あれ? この辺りの傾斜はこんなに緩かったかな?」と驚きの表情を見せた。序盤は比較的緩い勾配の区間が続くが、それでも斜度は10%近くある。いつもならペダルに力を込める必要があるが、笑顔を見せながらe-BIKEならではの軽快なペダリングでクリアしていった。

 スタート直後は深い霧に包まれていたが、中間地点に差し掛かると雲が一気に流れ、雄大な富士山が2人の正面に現れた。ここから先、「馬返し」と呼ばれる区間を抜けるといよいよ斜度20%を超えるエリアへと突入していく。レインウェアを脱いだ萌子さんとオスはあざみラインの急所へと進んだ。

折り返しを過ぎると、激坂が始まる“馬返し”区間に入る Photo: Shusaku MATSUO
中盤には富士山が顔を覗かせる Photo: Shusaku MATSUO

間近でプロのアタックも

 一方、ここまで余裕の表情を見せてきたオスは、体の芯が全くブレず、さすがのフォームで上りをこなすしていたが、20%を超える斜度には手を焼く様子だ。時折厳しい表情も見せ、萌子さんから、やや遅れを見せる場面も出てきた。

激坂区間でもパワフルにアシストを受ける Photo: Shusaku MATSUO
20%を超える坂に力が入るダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) Photo: Shusaku MATSUO

 後半に入るとオスも巻き返し、2人はランデブーを続けた。残り5km地点、萌子さんは前回の挑戦で自転車から降りてしまった激坂区間を、額に汗を光らせつつ周りの景色を楽しみながら駆け抜けた。

 「GO!萌子!GO!」とオスが萌子さんを励ますといよいよ残りの距離は500m。萌子さんはペダルにより一層力を入れると、電動アシストもそれを後押しをした。下界の天気が嘘のような快晴のなか、五合目に2人揃って姿を現し、ともにフィニッシュした。

あざみラインをランデブーする2人 Photo: Shusaku MATSUO
あざみライン五合目に揃ってフィニッシュ Photo: Shusaku MATSUO

 ついに夢を実現した萌子さんは「あざみラインを走りきれたと同時に、途中でオスのアタックを見ることができました。プロ選手のキレのある動きを間近で見ることも夢だったので、感動しました!」と顔がほころぶ。プロ選手と一緒に完走できたことにも「男女や年齢、体力差といったハンディキャップに影響されないのもe-BIKEの特徴ですね」と続けた。

「萌子と同じペースで富士山を走れてハッピーだよ」と笑顔のダニエル・オス(イタリア、ボーラ・ハンスグローエ) Photo: Shusaku MATSUO
「e-BIKEのおかげで初めて走りきることができた!」と話す萌子さん Photo: Shusaku MATSUO

 一方のオスも「僕も父に先日、マウンテンバイク(MTB)のe-BIKEを買ってあげたんだ。アシストがないと走れない山道だけど、元気に走り回ってるよ。体力維持にも本当に良いと思うよ!萌子のロードバイクはe-BIKEと感じさせないスマートな外観で、僕と一緒に走っても、さまになったんじゃないかな?」と振り返った。

萌子さんの走りを支えたBESV「JR1」 Photo: Shusaku MATSUO
下りでは油圧ブレーキが効果を発揮。少ない力で安全に下ることができた Photo: Shusaku MATSUO

 上りが終わった萌子さんは、五合目からの下りにも挑戦した。急斜面ではブレーキをかけ続けなければならないが、今回乗ったe-BIKEには油圧ディスクブレーキを備えており、少ない力でも制動力を得られる。e-BIKEは重量がかさむため、油圧ディスクブレーキを備えている製品が多い。本来、下りが苦手だったが「レバーを握り続けても腕が疲れづらいし、速度をコントロールしやすいので安全に下れました」とスタート地点に戻った萌子さんは笑顔を絶やさなかった。

(取材協力:BESV)

福田萌子
福田萌子(ふくだ・もえこ)

沖縄県出身のモデル。身長176cmの日本人離れしたスタイルで、2010年ミス・ユニバース・ジャパンでは3位入賞。スポーツ用品ブランドのアンバサダーなどを務める。ロードバイクに乗るだけでなく、最近ではロードレース観戦もライフワークに。UCIワールドツアーのレースも現地へ積極的に脚を運んでいる。

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