失意のアルデンヌも「このチームで絶対に結果を出したい」與那嶺恵理はリエージュ女子を74位で完走 雨のレース、後半に落車も大きなけがはなし

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 アレ・チポッリーニの與那嶺恵理が4月28日、ベルギーで開催されたUCI女子ワールドツアーの「リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ・フェム」に出場し、トップから9分53秒遅れの74位で完走した。レース後半にメイン集団内での落車に巻き込まれ、大きく遅れてのゴールとなった。

リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ女子を74位で完走した與那嶺恵理 Photo: Yuki SAKAMOTO

 アルデンヌ丘陵地帯を舞台に、1週間で3つのワールドツアーをこなすアルデンヌ3連戦の最終戦。138.5kmのコースは男子の後半部分となるバストーニュからリエージュまでで設定され、一部男子とは異なるルートや丘を通りつつ、合計5つの登坂区間をこなす。急勾配の長い上りが幾度となく登場し、女子ロードレースとしても屈指の難度を誇るコースだ。男子と同様、女子のレースも冷たい雨の中での激闘となった。

雨の中ハイペースが続くレースに苦しんだ與那嶺恵理 Photo: Yuki SAKAMOTO

 小柄で上りを得意とする與那嶺にとって、アルデンヌ3連戦はシーズン中でも目標に設定していたレース。今季ヨーロッパでのシーズンを好調でスタートし、自らも期待して今回の3連戦に臨んだ與那嶺だったが、自身のコンディション以上にレベルアップしてきたトップレーサーの走りに苦しめられる結果となった。ハイペースに苦しみ、中盤に優勝を争うメイン集団から一度遅れ、追走の結果メイン集団には一旦追い付いたものの、落車で完全に脱落してしまった。

 落車した瞬間に「ああ、今日のレースが終わった」と思ったという與那嶺だが、大きなけがはなく、出走した3分の1がリタイアした厳しいレースを最後まで完走した。次戦は5月3、4日にイギリスで開催される「ツール・ド・ヨークシャー」に出場するという。

 與那嶺のコメントは以下の通り。

 楽しみにしていたアルデンヌ週間。噛み合わない中で、最後に落車をしました。しかし、エースのソラヤが4位!

 アルデンヌクラシック3戦目。強烈なアップダウンが続き、最も獲得標高の高いレース。3000m弱を上りました。噛み合わない中でも、期待してくれるチームと支えてくれるチームメート。そしてエースのソラヤのためにも、もっと強くなりたい。と思います。

スタート前、チームメートと壇上で紹介される Photo: Yuki SAKAMOTO

 チーム作戦はソラヤと私が残り、あとは皆でサポートしてくれ。そして二人は最後まで先頭集団へ残り、自分たちで狙えとのこと。

 天気は冷たい雨に、強い風。そしてみぞれ。ここ1年で最も過酷なコンディションでした。震える寒さの中、スタートしました。

 走り始めるととにかく寒く、そしてプロトンは速い。最初の上りからどんどん選手がドロップして行きます。

 下りもテクニカルなセクションが多く、雨天のため位置取りも非常に過酷です。そしてディスクブレーキと、リムブレーキが混ざるプロトン内。落車がとても多く、とても怖かったです。

 リエージュバストーニュ、新しいセクションが追加され厳しい上りが増えました。私も耐えながらレースを進めます。Wanne、Brumeと厳しい上りの中、中盤ですでにメイン集団は50人ほど。残るチームメートはソラヤとダウンアンダーで山岳賞を取ったディアナと私のみ。

 入り口でディアナがドロップ。いつも私をサポートしてくれています。私もかなりきつくなります。そして60km過ぎ。斜度が20%以上のBrume。ぎりぎり私も耐えきれずソラヤを含む25人ほどのメイン集団からドロップ。武井コーチがサポートしてくれたフィードも寒さと限界の中、意識が朦朧としボトルが受け取れず。

3分の1がリタイアする厳しいレースに Photo: Yuki SAKAMOTO

 前は25人、私のドロップした集団は最初、アシュレイを含む5人。あまりの寒さと過酷なコンディションの中、選手が辞めてしまい2人で追走。そのうち後ろからモビスターのオードも追いつき5人ほどで追走。前が見えるのですが中々追いつかず。長い間、追走をしました。

 そして前が少し緩み、なんとかメイン集団へ復帰。ソラヤと話をして「ごめん、もう無理」。ミッチェルトン固定で進む30人ほどのメイン集団。ジェットコースターのレースコースをひたすら耐えるだけ。チームカーを使いながらドロップした選手たちが戻ってきます。

 そして壁の上りが続くリエージュバストーニュの名物、La redouteへ。

 その入口手前のT時の左折時。メイン集団の中程、目の前で落車。ブレーキが利かないため、下りが怖く、前方で下っていたのですがどんどん抜かれてしまい、中腹に埋もれてしまったその場所で落車が起きました。自分の目の前で2人が転び、真ん中を抜けようとしたところ、右の選手が転び。そのまま私も巻き込まれました。

 5人ほどが路面に転がる中「ああ、今日のレースが終わった」と思ったのと、すぐに戻ればまだ間に合う。バイクに乗ろうとしたところ、チェーンサックの状態。どうにもクランクが回らず、チームメカニックが駆け寄り直してもらい再出走。長い時間でした。集団の最後尾となってしまいました。

 がっくりしながら、La redouteを上り、武井コーチの残念な顔を見ながらフィードを過ぎ、あとはできる限り、前をキャッチアップしながら走り続けました。

 楽しみにしていたアルデンヌ週間。このような形で終わるのはとても悲しい。

 ソラヤは最後のスプリントもしっかり行い4位! 本当に凄い。早く、私もその場所に行きたいです。

 そして震える中ゴール。

 ゴール後、監督から「今日は仕方がない。しかしエリを私達は信じてるよ」と言われ、このチームで絶対に結果を出したいと思いを強くしました。

 アルデンヌ週間を振り返ると、フランドルでできていた感触が消えました。周りのレベルが二段以上上がり、とにかく対応するのに精一杯な状況です。データ自体は伸びていますし、自分のコンディションも悪くないはずなのですが、相対的にトップ集団のスピードが急速に上がりました。各国のオリンピックセレクションをかけた争いが始まっています。

 自分にできることも限られていますが、やるしかないので。

 今週の金曜日、土曜日がヨークシャー。少しでも良い感触で臨めるように調整と回復を急ぎます。

全てを力に変えて
與那嶺 恵理

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