12人の先頭集団から抜け出すアウラールが最後独走で今季2勝目 Jプロツアー第3戦「西日本ロードクラシック広島」

by 小森信道 / Nobumichi KOMORI
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 国内最高峰のロードレースシリーズ、Jプロツアーの第3戦「第53回JBCF西日本ロードクラシック広島大会」が4月21日、広島県中央森林公園で開催され、レース中盤に形成された12人の先頭集団から最終周回に抜け出した2人の選手が逃げ切り。岡篤志(宇都宮ブリッツェン)とのマッチレースを制したオールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)が独走勝利で今季Jプロツアー2勝目を飾った。

圧巻の独走勝利で今季2勝目を挙げたオールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) Photo: Nobumichi KOMORI

スタート直後からアタックの応酬

 日本サイクルスポーツセンターでの開幕2連戦からおよそ1カ月を経ての開催となった今回の第3戦。開幕2連戦はオールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)とフランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)というマトリックスパワータグの新戦力がそれぞれ優勝を飾ったほか、3年ぶりのJプロツアー復帰となったチームUKYOもチーム力の高さを発揮するなど、昨年とは異なる勢力図となることを予感させるレースになった。

レース当日は快晴に恵まれ、風は心地良いものの気温は上昇。暑さにまだ慣れていない選手には厳しい天候になった Photo: Nobumichi KOMORI

 しかし、今回の第3戦はマンセボに加えてチームUKYOも未出走。また、ツアーリーダーの証であるプロリーダージャージを着用するアイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ)もツール・ド・とちぎの落車で負った負傷の影響で出場を見合わせる状況で、開幕2連戦からはレース展開が大きく異なることが予想された。

スタートラインに整列した選手たちがスタートの瞬間を待つ Photo: Nobumichi KOMORI

 12時15分にスタートしたレースは、スタート直後から激しいアタックの応酬となった。その中から平塚吉光と徳田優(ともにチーム ブリヂストンサイクリング)の2人がいきなり抜け出し集団からリードを奪うと、さらに阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)、入部正太朗(シマノレーシング)、安原大貴(マトリックスパワータグ)、豊田勝徳(イナーメ信濃山形)の4人がブリッジをかけ、2周目に入ると6人の逃げ集団が形成される展開になった。有力なUCIコンチネンタルチームの選手がまんべんなく入ったこともあり、メイン集団もこの逃げを容認。開催地の地元チームであるヴィクトワール広島がコントロールを開始した。

1周目から逃げた平塚吉光と徳田優(ともにチーム ブリヂストンサイクリング)に後方から追走集団が迫る Photo: Nobumichi KOMORI
5人になった逃げ集団が快調に逃げる展開が続く Photo: Nobumichi KOMORI
メイン集団は地元チームとしていい走りを見せたいヴィクトワール広島がコントロール Photo: Nobumichi KOMORI

先頭集団が再構成

 ヴィクトワール広島がコントロールするメイン集団は、逃げ集団とのタイム差を1分程度に保ってペースメイクしたが、「地元開催ということでファンの方も多く観に来てくれていたので、何かやりたいと思っていてコントロールしたのですが、チーム全体として慣れていないこともあって、全員が頑張り過ぎてしまった」とレース後に馬渡伸弥(ヴィクトワール広島)が語った通り、若干オーバーペースの状態。一方の逃げ集団もメイン集団とのタイム差がなかなか開かないこともあってペースを上げ続けざるを得ず、たまらずに豊田がドロップ。さらに阿部がパンクで遅れて4人になった。

ヴィクトワール広島は観戦ツアーも組み、多くのファンが声援を送った Photo: Nobumichi KOMORI
上り区間にはヴィクトワール広島の選手のチョークペイントが Photo: Nobumichi KOMORI

 逃げ集団からメイン集団に阿部が戻ったことで、形成不利となった宇都宮ブリッツェンもメイン集団のコントロールに加わり、阿部と小坂光(宇都宮ブリッツェン)がヴィクトワール広島の選手たちとペースアップを試みたが、タイム差はそれほど縮まらない。「ウチ以外に先頭を引く理由を持つ力のあるチームもなく、ここまで頑張っていたヴィクトワール広島のコントロールもそろそろ厳しそう。このままだとレースが終わると思った」という鈴木譲(宇都宮ブリッツェン)がチームメートの小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)とともに6周目の上り区間でアタックを仕掛けて4人の逃げ集団に合流すると、この動きによって活性化したメイン集団から抜け出した選手たちも次々に合流し、50人弱までブラッシュアップされた集団が形成されることになった。

鈴木譲と小野寺玲(ともに宇都宮ブリッツェン)がアタックを仕掛けて逃げ集団に合流したことでメイン集団も活性化。最終的に50人弱までブラッシュアップされた Photo: Nobumichi KOMORI

 50人弱に絞られた集団では再び激しいアタック合戦となり、その中からアウラール、ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)、岡、鈴木龍(宇都宮ブリッツェン)、木村圭佑と湊諒(ともにシマノレーシング)、平塚、中村魁斗(那須ブラーゼン)、紺野元汰(イナーメ信濃山形)、前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム)という10人が抜け出し、さらに入部、小野寺、石橋学(チーム ブリヂストンサイクリング)が合流して13人の先頭集団が形成される展開になった。その後、この13人の先頭集団は中村がドロップして12人となったものの、有力チームがそれぞれエース級の選手を複数人送り込む勝ち逃げ集団となった。

集団から先行した10人の選手が上り区間を進む Photo: Nobumichi KOMORI

余力を残したアウラールが抜け出す

 残り3周となる10周目に入ると、アウラールとトリビオのマトリックスパワータグコンビが攻撃を仕掛けて先行したことで先頭集団も分断。まずは岡、木村、平塚の3選手が、遅れて石橋と入部の2人が追いつき先頭集団は7人となって、レースは最終周を迎えた。

マトリックスパワータグ2人の攻撃に岡篤志(宇都宮ブリッツェン)、平塚吉光(チーム ブリヂストンサイクリング)、木村圭佑(シマノレーシング)の3人が合流する Photo: Nobumichi KOMORI
人数を減らしながら追走を続けるメイン集団だが、先頭集団とのタイム差は無情にも開いていく Photo: Nobumichi KOMORI
7人になった先頭集団が若干牽制し合いながら最終周に入る Photo: Nobumichi KOMORI

 最終周に入ると、余力を残して攻撃を仕掛けるアウラールが先行し、チームメートのトリビオを除く5選手がそれを追う展開に、その中から単独で岡が飛び出して先行するアウラールに合流したが、上りでアタックを仕掛けたアウラールが再び先行。そのまま後続とのタイム差を広げて今季2勝目となる独走勝利を飾った。

上り区間で岡篤志(宇都宮ブリッツェン)を振り切ったオールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)が独走でフィニッシュに姿を見せる Photo: Nobumichi KOMORI

 この結果、ツアーリーダーの証であるプロリーダージャージはこの日勝利したアウラールが着用。23歳未満のランキングトップの選手が着用するネクストリーダージャージはこの日は未出場だったものの織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)で変わらない。

 次戦の第4戦「第53回JBCF東日本ロードクラシック群馬大会」は28日、群馬県みなかみ町の群馬サイクルスポーツセンターで開催される。

表彰式。左から2位の岡篤志(宇都宮ブリッツェン)、優勝のオールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)、平塚吉光(チーム ブリヂストンサイクリング) Photo: Nobumichi KOMORI
毎レース、印象的な走りを見せた選手に贈られる敢闘賞は入部正太朗(シマノレーシング)が獲得 Photo: Nobumichi KOMORI
プロリーダージャージはけがで欠場となったアイラン・フェルナンデス(スペイン、マトリックスパワータグ)からチームメートのオールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ)に移った Photo: Nobumichi KOMORI

JBCF西日本ロードクラシック JPT
1 オールイスアルベルト・アウラール(ベネズエラ、マトリックスパワータグ) 3時間41分53秒
2 岡篤志(宇都宮ブリッツェン) +13秒
3 平塚吉光(チーム ブリヂストンサイクリング) +58秒
4 ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)
5 木村圭佑(シマノレーシング) +1分00秒
6 入部正太朗(シマノレーシング) +1分01秒
7 石橋学(チーム ブリヂストンサイクリング) +1分03秒
8 小野寺玲(宇都宮ブリッツェン) +2分42秒
9 鈴木龍(宇都宮ブリッツェン) +2分51秒
10 前田公平(弱虫ペダルサイクリングチーム) +3分14秒

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