次戦はアジア選手権灼熱のマレーシアが舞台の最高峰ツアー ツール・ド・ランカウイに挑んだ小石祐馬のインサイドリポート

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 アジアで最高峰となるUCI(国際自転車競技連合)HCクラスとなる「ツール・ド・ランカウイ」(マレーシア)が4月6日から13日まで開催された。今回、日本から出場したチームUKYOの小石祐馬によるインサイドリポートをお送りする。

チームの先頭で走る小石祐馬(チームUKYO) Photo: MMA Images

◇         ◇

8日間の休養明けで挑戦

 今回、アジア最高カテゴリーのステージレースのうちの一つの「ツール・ド・ランカウイ」に参戦してきました。開催国はマレーシア。今回は所属チームのチームUKYOでの出走です(ツール・ド・台湾では日本ナショナルチームでの参戦でした)。

 参加メンバーはベンジャミ・プラデス(スペイン)、レイモンド・クレダー(スペイン)、ロビー・ハッカー(オーストラリア)、サム・クローム(オーストラリア)の外国人選手4人に加えて、日本からは内間康平選手、と僕の6人で出走しました。日本からは僕たちの以外に日本ナショナルチームとインタープロ・サイクリングアカデミーの参加がありました。

40℃に迫る猛暑のマレーシアが舞台となった Photo: MMA Images

 今回は数週間前に参加した「ツール・ド・台湾」から少し空いてのレースとなります。実は、ツールド台湾の後はあまり良い体調とは言えない状態でした。台湾から日本の温度差や、シーズン最初のレースという事もあり、疲労が蓄積。台湾から帰国後、予定では4、5日休めば完全に復活すると思われていましたが、コーチと相談して休みを延長し、結局8日間休養に当てて完全回復を果たしました。

 そこからランカウイ出発までは3、4日あったので、2日ほど無酸素域に刺激を入れるようなメニューを組んでもらってからのランカウイ入り。「予定よりも休みすぎたかな?」と思えますが、よくよく考えるとツール・ド・ランカウイは8日間のレース。休み過ぎくらいで入っても大丈夫と判断して入りました。

40℃に迫る高温多湿な環境

 そして4月3日、成田空港発の便でマレーシア入り。マレーシアに着くとそこは灼熱です。気温15℃前後の日本で慣れた体は、35℃のマレーシアでは汗が止まりません。とにかく水分補給を怠らないように気をつけます。そこからレースのスタートまで数日あったので、今回の総合争いをする上で重要ステージとなる第4ステージ山頂ゴール、かの有名な「ゲンティン・ハイランド」の試走に行きました。

UCIのHCカテゴリーということで、欧州の強豪チームも参加している Photo: MMA Images

 約30km続くハードな上り、それに加えて35℃超えの熱さ、東南アジア特有の湿気などなど過酷な環境の中順応しなければなりません。理想は何週間も前から現地入りするのがベストなのですが、他のレースもあるのでなかなかできません。あとは脱水にならないよう気をつけてレーススタートの日まで備えました。レースのスタート前日は、マレーシアの首都クワラルンプールの2本の巨大なビル、「ペトロナスツインタワー」で開会セレモニーが行われました。マレーシアの首相も出席し、とても豪華に開かれました。

 そして、迎えたレーススタート。今回のツールドランカウイは8日間で行われますが、大きなタイム差がつくのは第4ステージのみと思われ、いかにその日までエネルギーをセーブしていくかが重要です。しかし、第1、2、3ステージはどれも200kmと長距離、大体5時間くらいかかります。しかもレースはほぼ40℃のなかで争われるので気は抜けません。

日本からはチームUKYOのほか、日本ナショナルチームとインタープロ・サイクリングアカデミーが出場した Photo: MMA Images

 レース全体のチームの目標は、スプリンターのレイモンド・クレダーのスプリントと、総合狙い。ただ初日、スタート直後にクレダーが落車してしまい、そのままリタイアというハプニングが起こります。これによってチームの目標は総合成績狙い一本に。なので、僕たちにとって1、2、3ステージはメイン集団でゴールするのが目標。この3日間は危なげなくクリアすることができました

 そして迎えた第4ステージ。ゲンティンに登る山頂ゴールの日です。レースのフェイバリット(優勝候補)は地元マレーシアのチームサプラ。おそらく、どのチームも彼らも見て動くため、僕たちもそれに準じる形で麓まで。チームメートの内間選手は遅れてタイム差がついており、総合成績には関係がないので、ボトル運びなどサポートに徹してくれました。

 ゲンティンに入るとダラダラと上り始めます、また先が長いのでどのチームも主導権は取りたがらない展開に。そこそこのペースで上っていき、そのままラスト10kmここから頂上までか勝負という場面でチームは余裕を持って4人残している状況でした。集団は全部で30人くらいしか残っていないのでかなり良い状況。ここから地元チームのサプラが仕掛けます。エースのダイボールがアシスト1人を従えてペースアップ、そこからみんなブチブチと千切れ始めます。

活発な集団内でも積極的にレースを展開した Photo: MMA Images

 僕もこの辺りから急に踏めなくなりました。メーターに表示されるパワーの値は低いのに身体は辛く、力が入らない。耐えきれなくなり、千切れます。少し先を見ると、チームからはクローム以外みんな千切れて先頭は10人ほど固まっているのが見えました。結局サム・クロームの7位がチーム最高位、優勝はチームサプラのダイボール。チームとしてはクロームの総合アップも狙いつつ、各ステージ、逃げきりそうな逃げがあればチェックしていく形に変更し、走り続けます。

連日のスプリントで総合動かず

 次の第5ステージも200kmの長距離ステージ。目立った上りはありませんが、前日のステージで総合がはっきりと割れたため、関係のない選手は逃げたい展開に。アタックはかなり激しく、みんなリーダーを崩壊させようと動きますががなかなか決まらず。逃げは行くもののスプリントしたいチームが牽引して結局は集団スプリントです。この展開が最後の日まで続くことなりました。

得意の上りで上位を目指した小石祐馬(チームUKYO) Photo: MMA Images

 そして迎えた最終日、ランカウイ島でスタート&ゴールの100kmのショートステージです。チームとしても何かしたいという思惑もあって先ずは逃げを狙いますが、あっさりと決まってしまったので、集団待機することに。この日は距離こそ短いですが、最後の45kmは15kmの周回コースを3周するコースとなり、この小周回には1.5キロの急な上り坂があるので、ここで(展開が)決まる可能性もあるので終盤まで待機することに。

 距離が短いので逃げ集団も粘って最後の小周回まで逃げ続けますが、最後の上りに入るところで、山岳賞リーダーがポイントを加算したいが為にアタック! これに僕とプラデスが乗っかり3人に、そこからプラデスがさらにリードして、山岳賞リーダーは引くしかなく、僕としては嬉しい展開へとなりました。

 そうして前から逃げていた選手をパスしつつ、プラデスが捕まるタイミングで再度飛び出すも下っている途中、ラスト5km手前くらいでスプリントしたいチームが引くと集団に吸収されました。余談ですが何故かここで1分のベストパワー更新。結局その後は、いつも通りスプリントになって総合成績は変わらずにフィニッシュ。ここで8日間のレースが終了しました。

 その日、ランカウイ島というリゾートアイランドにステイ。レース翌日は飛行機が夜だったので、主催者がビーチサイドの良い雰囲気のレストランでランチを用意してくれたので、それを頂いて帰国しました。

最終日に向けてコンディションが向上したという Photo: MMA Images

 今回は、台湾からの調整が上手くいかず、クイーンステージで力を発揮できなかったのが残念でした。休み過ぎたのか、気温や湿度に順応できなかったのかわかりません。ポジティブに捉えると、日に日に調子は上がっていき、現に最終日ではベストパワーを更新するくらいの好調だったので、これから先に控えるアジア選手権に向けては良い流れを作ることができました。引き続き応援宜しくお願いします!

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